5月 31st, 2016 Posted 12:00 AM
身障者用具をおそらく日本で一番にデザインし、
造り続けてきている美大時代の同級生親友がいます。
工業デザイナーをベースにいくつもの実務を実施。
それぞれの要求を聞き出し、
デザイン・製作製造し、なおかつ社会運動でも
大きな実績を積み上げてきたM氏はこの世界では著名です。
現在も身障者向けの車イス製造、輸入、
さらには彼ら達の様々な倚子のオーダーメイドを続けています。
ほとんど商売にはなっていませんが、最近では人間工学を超え、
彼の実務理論とその実現性から、彼はシーティングエンジニアです。
以前から私自身の体型変形を指摘し、先月、測定をしました。
測定結果での座面、それの再検討と同時に、
車イスによる体幹保持として、
最もその制御製造をしている工房「輪」を紹介されました。
もはや、電動車イスを利用していますが、
改めて座姿勢の様々な複合姿勢、
伸展・側屈・回旋・リクライニング・チルトを基本とし、
使用者にとって複合的な機能として実現されていることを
自分自身がその車イスに乗って体験をしてきました。
まだ若いエンジニアやその周囲の若者たちの懸命な取り組みに、
さらに新しい素材開発やその提供、改善から革新をこなし、
その社会制度までが、自分のテーマになってしまいました。
M氏のねらいは、こんな若者集団をなんとかしろよ、と、
命じているのでしょう。そしてそれがもはや役割になってきているのでしょう。
大きな宿題を預かったようです。
おそらく、モービル産業の変革が最近めざましくなっています。
しかし、それらをIoTで語ることでは解決にはなりません。
IoMeT=Internet of Medical Thingsを実体験しました。
*『「座る」・人間工学からシーティングエンジニアリング』
*『電動車イスの効能的制度設計からの性能・機能デザイン』
*『温故知新から不易流行の「IoMeT」へ』
*『賢明で懸命であることから始めた=社会人最初の実習で』
*『柳宗理作品の軽薄で見識不足な批評は叱られる!』
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2月 18th, 2016 Posted 12:00 AM
私はオーディオの世界に入り、しかもデザイナーになっても
デザイン対象はオーディオ機器を選びました。
これ自身、私は人生で最高の出逢いであり、
プロのデザイナーとなっていくにも素晴らしいことだったと思っています。
今ではオーディオはすべからく趣味の世界になっていますが、
音響空間は自宅から車に至るまで、
私は絶対に最高級であることを熱心に求め続けてきました。
だから、ワイフにはきびしくチェックされていますが、
ワイフ自身、自宅のHi-Fi空間になじんでいるために、
自分のイヤーホンも、結局は最高級品を知識なく選んでしまっています。
このところ、私はドイツのベンチャー企業から生まれた
電磁波を防止したヘッドホンにすっかり囚われていました。
もうヘッドホンでコレを超えるモノは無いとさえ思っていました。
そこで、インナーイヤーホンが気がかりとなり、
随分と投資もしてしまいましたが、いい加減にその結論をと考え、
その結果が、
イヤーホン自体が再生周波数帯域はどうしても18Hz~19.5KHzであり、
これを基本にして、ヘッドホンアンプ・iPhoneとのケーブル、
さらにイヤホーンケーブル、この3点がどうしても必要、
あるいはケーブルの問題は絶対にある、というのが
私の結論になりました。
オーディオ関連にしろ、電気関係でも、エンジニアが絶対的に、
どうしてもこの仕様を満足させたいということがあります。
かつて、最高の設計を実装してさらにそのスタイリングを決定することで
商品化したとき、それは大変な高額商品になりましたが、
技術的な最高峰はすんなりと受け入れられたことがあります。
イヤーホンであっても
「ただ音が鳴っている」程度の商品が蔓延しています。
音響での身体までも溶解するような「音」があるのです。
そのための機器からコードや周辺装置は選び抜く必要を私は考えます。
モノの貧しさはそのままユーザーの貧しさだと私は思っています。
この貧しさとは、決して金銭的なことではありませんが、
それこそ、知的であること、品性があること、見識が問われます。
正直、街ではイヤーホンやヘッドホンがファッションになっていますが、
なんと貧しいモノを選んでいるのかと思うことしばしばです。
同様に、
よくもまあこの様な貧しい商品化をする企業があると唖然とします。
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12月 21st, 2015 Posted 12:00 AM
私の大阪大学吹田キャンパスにある研究室、
そのデスク上にあるMac環境システム装置です。
モニターもキーボードも私自身のデザインであり、
商品化されている商品として、
これ以上の商品性能とデザインは無いでしょう。
このコンピュータ・モニターはすでに販売はされていませんが、
現在もこれ以上にスペックをもったモニターは存在していません。
このモニターは当時、エンジニアが技術上「これ以上はありえない」という
その性能パフォーマンスをすべて商品化させることを条件にしました。
そして、この技術とその表現=デザイン=問題解決が果たした結果、
未だにこの商品を超えたモノはまったく存在していないということであり、
私の研究室ではすべてこのモニター主体になっています。
キーボードも平面であり、これ以上のキーボードも存在していないのです。
モニター・キーボードの性能性がここまでであれば、
MacもSPも、さらにBluetoothの電話も、iPhoneと直結しています。
当然ながら、製図台も今ではもうあり得ないドラフターは、
二台を私用ながら置いています。
正直、製図台はインテリア要素になってしまっていますが、
製図・ドラフターとしての調整は正確無比に常にしてあります。
いずれ、退任したなら自宅にはこのドラフターで手描きで
ドラフトやレンダリングをしたい!という要求は消えていません。
もっともそのときには、このドラフターサイズのパッドで、
スタイラスで絵画から図面までができるようになっているかも知れません。
本来、私の研究室は壁面には水が流れているはずでした。
それは電磁波=2.4GHz or 5.0GHz、Bluetoothを遮断するつもりでした。
しかし、文科省では無理でしたが、
それでも国立大でここまでの研究室はありえないと思います。
私は研究室には一切書籍を必要以外は持ち込まないことにしています。
大学では読書はしないことが基本です。
書籍データを必要とするなら、それは別室でやるべきです。
大学人の研究室の平面が書棚になっているのは、
すでにそのような書籍に取り囲まれているのが「教授」ということ自体、
大学人のクールさを私は放棄していると思っています。
幸いに、私は工業デザイナーなので、
モニターとキーボード、そしてメガネが自分デザインであるという
これは大きな幸運でした。
名古屋市立大学時代は、メルクリン・鉄道Zゲージがありましたが、
現在の研究室には、趣味であるオーディオ装置が置いてあるだけです。
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11月 17th, 2015 Posted 12:00 AM
パリには三つの目的を持ってやってきました。
三つとは、ちょっと内緒ですが、それよりも大変な事態発生でした。
到着翌日の夕方は「森田恭通氏」の個展オープニングに出て、
現地時間11月13日には、英国駐在の教え子が会いに来てくれました。
彼は、帰英前にその個展を見て英仏間特急電車ユーロスターに乗車。
その時に、パリ6カ所で「同時多発テロ」が起こりました。
ホテルでFBには「無事ですか?」、「大丈夫ですか?」
・・・ん、何?・・・・
TVをつけると、非常事態宣言、パリでの多発テロリズムが発生、
「武器があるから闘うよ+絵文字」とか親友に返答していたら、
「冗談言っている場合じゃない、帰国できるのか?」って怒られました。
ともかく、CNNとBBC(何がWord New?)を見て事態を確認。
ところが・・・NHKは何も伝えてこない!・・・?
現地のTV報道とは格段の違いがある・・・なぜだ?
部屋にあるTV2台を使って、報道を見比べてみるが、
嘘だろう、CNNもBBCも視点が違うのです。
CNNもBBCもeye-point=視座からテロを見ている。
しかし、現地TVはview-pointである被害都市で実態を見つめている。
だから視線=まなざしは動揺し全く視野と視界が異なっているのです。
これがあの3.11も二つの視点違いで情報流布されていたなら、
私は身震いが起こりました。
ジャーナリズムはもう全世界が盲点だらけの報道になっているのです。
哀悼の表現は、PRAY FOR PARISと花とキャンドル、
ライトアップされているフランスのトリコロール色。
これは明らかに全世界の「悲しみ共有の表現」ですが、
現地TVではテロリスト容疑者逮捕、
その荒々しい警官たちの「怒り」は拳銃とマシンガンが暴力的に使用。
もし、日本だったら、これほど荒々しい事は絶対に不可能だと確信します。
非常事態ながら元阪大インターンのフランスの子も駆けつけてくれました。
ともかく、翌々日に新聞を買い、目を通しました。
タイトルはなんとか読めても文章はわかりませんが、
これだけのテロはまさにACT OF WARです。
銃撃戦を報道で見ていたワイフは、怖い、怖い、このホテル襲われない?
帰国の飛行機に自爆テロリスト乗ってこない?
・・・・・・私はひたすら、
8世紀の銃で今なお宗教対立は許せないと思うだけなのです。
1994年にPKFもPKOも銃で平和は大間違いゆえPKDを提唱していました。
「このデザイン活動を急ぐんだ」と自分に言い聞かせるだけです。
一流のエンジニア、一流のテクノロジストにこのショックを
デザイン開発に変えないといけないというメールをしました。
パリでの銃撃戦は映画を超えての恐怖を与えています。
戦争の形式を大変更する、これがイノベーションであり、
IoTをIoMeTに変えるために私はパリにきているのでしょう。
「IoMeT as PKD」は帰国次第、早々に取りかかるつもりです。
* PKD=Peace-Keeping Design
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5月 15th, 2015 Posted 12:00 AM
東京でインテリアデザイナーの森田恭通氏と夕食。
彼のデザインした有名なレストラン、話はどんどんと拡大しました。
いつも帰阪時に伊丹行きジェットで出会ったり海外で会う偶然の仲。
翌朝、北陸新幹線「かがやき」乗車、
新幹線列車は、このデザイナーの苦労がずっしりと分かる。
「柳宗理生誕100年記念」で、私は先輩同輩からの指名で、
使命として、先生の作品と先生の私流の作品から学んだ思想、
先生との思い出を話して、母校=金沢美術工芸大学の伝統と未来、
「これからのデザイン・コンシリエンスデザイン」を話ました。
翌朝、伯母が100歳で美しく眠るように逝った話が入りました。
大往生ゆえ、仕方なかったけれど、従兄弟の心情が急に心配。
彼に電話をして、福井に寄るべきかを確認したら、
設計図どおりだったと極めて冷静で、エンジニアらしさに驚きましたが
全て終わったとか。私と彼とでは故郷では言い出せないからこのままで。
従兄弟をこの春から大阪大学大学院の招聘教授に迎えていました。
この話は、伯母はとてもうなづいて聞いたよ、と。
彼は、宇宙工学・信頼安全性工学の権威であり、
彼がヒューストン駐在時には宇宙ステーションの設計をしていました。
だから、彼の仕事場と住居も訪ね、今や私の危機解決学を
招聘教授として相談をかけ、支援をしてもらっています。
今はJAXAから関連企業の社長を務めるけれども、
ロケット発射ではいつも海外に出張、JAXA関連を教えてもらっています。
私は47歳の母と死別したけれども、年毎、母が恋しくなります。
従兄弟は、覚悟を決めていたとはしても100歳母と別れて、
「大きな虚脱感がある自分に気づいている」と言っていました。
「いや、虚脱感は必ず、母恋しさ、今ならこれを母に出来る」とか、
私は彼に先輩ぶった話をしていることに気づきました。
母が危篤と言われて、福井帰郷のために、駅のホームにいた、
あの当時の思い出が一遍に襲ってきました。
もう、金沢は私には遠い存在の街になっているなー、
おそらく北陸新幹線には乗らないだろう、と思った次第でした。
Tags: 100歳, 47歳, JAXA, インテリアデザイナー, エンジニア, かがやき, コンシリエンスデザイン, ヒューストン, 伊丹行き, 伝統, 伯母, 信頼安全性工学, 偶然の仲, 北陸新幹線, 危機解決学, 危篤, 大往生, 大阪大学大学院, 宇宙ステーション, 宇宙工学, 招聘教授, 未来, 柳宗理生誕100年記念, 森田恭通, 権威, 死別, 福井帰郷, 虚脱感, 金沢美術工芸大学, 駐在
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12月 6th, 2014 Posted 12:00 AM
電気に関して最も初期に知識化するのは、二つの法則です。
電荷の法則である、オームの法則と、
磁荷の法則、クーロンの法則があり、
多分、そのことはすぐに忘れられてしまうのですが教わります。
私はオーディオをデザイナー職能の対象にしていたために、
この二つの法則はいつでも側にある気がしています。
電子部品は、ほとんどがアノニマスデザインですが、
なかなか興味深いモノが沢山あります。
いわゆる抵抗器というのは電流と電圧を制御する部品にすぎませんが
この部品は存在が美しいモノだと思っています。
オーディオ工場に駐在することが正当だと思って社会人デザイナーを
スタートさせた私は、電子部品すべてに取り囲まれていました。
そして、最も驚いたことは、回路図を簡単に書き上げて、
そのワーキングサンプルを作成する現場では、
抵抗器にあるカラーバーで、その抵抗値を諳んじている人が多く、
しかも、回路実装での、分圧や電流制御を簡単に決定する
そんなエンジニアたちと仕事をすることができたことです。
美大卒の私が、回路図を覚えることができたのは、
こうしたエンジニアたちが、私がほしいという電子回路を、
それも簡単に造ってもらうことができたからです。
たとえば、ヘッドホンの自重と側圧=両耳を押す測定器や、
両耳の感応測定器などは、自分仕様を造ってもらっていました。
ともかく、そんなときに彼らは抵抗器のカラーバーを
見るだけで、抵抗値は分別し、分圧や電流値を決定していました。
カラーバー表現の有効性を目の前で覚えることができたのです。
この小さな抵抗器にはカラーバーが入っているだけですが、
これは装飾されたパターンでは無くて、明確な表示ですから、
デザインされているということです。
そういう意味では、アノニマスデザインの一つだと言えるでしょう。
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10月 7th, 2014 Posted 12:00 AM
私は講演時のプロローグは映像と音楽にはとても神経を使います。
阪大では「講義とは粛々とやるものです」とか言われましたが、
(バカじゃないの?だから学生は寝てしまう)と思ったものです。
今回は看護系ゆえにとかでTVドラマのサウンドトラックを、と。
著作権は学術的なことはOKですが、一応は著作権登録は聞きます。
しかし、最近はこうした音楽も世界的な曲でなければと確信します。
つまり、デザイン活動成果は国際的にならなければ意味無しです。
私の講演タイトルですが、背景は動画ですから動いています。
無論Keynoteです。PowerPointでは多重の映像と音楽無理ですし、
PowerPointは作成時に前頭葉は停止していますから駄目です。
まだ第二回の看護理工学の学会で専門家集団に、
私は初めて「コンシリエンスデザイン」を提案しました。
これまでも医工連携ブームではモノは出来ないことを主張しました。
必ずデザインが医工には必要であると強調しましたが、
デザイン界も勘違いがあって、医学にも工学にも駄目な輩が、
この研究と称している馬鹿な研究を見始めています。
何が駄目かといえば、論文になったとか特許をとったとか、
じゃなくて、肝心なのは患者へのデザイン支援でしかないことです。
せめて、解剖室や手術にも立ち会わず、医師もエンジニアも
それなりにデザイン理解が出来る優秀さが基本です。
そうして気づいたのは、看護学・保健学・基礎工学などを
結合・融合・統合が基本でなければいけないということです。
したがって、コンシリエンス、発音だとコンシェリエンス?かも。
たとえば、水素結合と言ってもまだ不明ですが、
学際化のための結合?学際の融合?学際の統一ではなく統合?です。
この講演とともに、研究室で仕分けされた完成目前も展示しました。
これからのデザインは「コンシリエンスデザイン」を
まず、医工だけではなくて、もっともっと学際化をと提案しました。
『コンシリエンスデザインの認識に向けて』
『「Consilience」概念定義のための書籍はここから』
『「コンシリエンスデザイン」名詞格を接頭語にした新概念』
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12月 25th, 2013 Posted 12:00 AM
嫦娥3号というロケットが月面着陸を成し遂げました。
1976年以来、人類が月にまた大きな夢を果たしてくれました。
しかし、このロケットは、
中国の何か得たい知れない思惑があるのでは、
私にはどうも素直にこのニュースを受け取れません。
「嫦娥」とは、中国の月の伝説、「仙女」という意味らしいのです。
宇宙開発を成し遂げたなら、その宇宙の資源は、
地球上の全人類の共同資産という協定があったはずです。
ところが、今回の月面着陸には、月にある資源、
特に私には、「ヘリウム3」と「レゴリス」という物質、
こうした資源の独り占めが目論まれている気がしてなりません。
さらに残念なことは、
この中国の野望をジャーナリスティックな報道が、
わが国では全く軽視されてきたことです。
おおよそ100万トンのヘリウム3が月面に埋蔵されていること。
中国はやがて、
この資源のサンプルリターン計画があるのではと思います。
「ヘリウム3」25万トンで欧米の消費電力は4万年分に相当する、
そんな単純計算もなされています。
「反原発」に私は大賛成です。
その理由は、今回U239とU240という自然界にはあってはならない、
元素がプルトニウムから出た限りは見切りをつけるべきです。
だとするなら、
私は「範原発」で国際的にも、広島・長崎・福島の経験で、
もっと新たな原子力技術開発とエンジニア育成をするべきです。
日本では、「北朝鮮の粛清」・「都知事への辞任要求」、
さらには「社長銃撃」と
「ソチ五輪へのフィギュアスケート代表選考」が報道されて、
まったく「ヘリウム3」という月面埋蔵資源の報道が無いことです。
私たちは、「反原発」への感情論から、
もっと賢い「範原発」の大きな資源として、「ヘリウム3」を熟知し、
中国の月面着陸から今後始まるであろう計画を知るべきでしょう。
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9月 12th, 2013 Posted 12:00 AM
私のふるさとは織物産地です。
「羽二重」の産地として、知れば知るほど、
人類は織物によって文明を生み出しました。
機織りで創られた「布」は、膚にまといつく平らなモノとして、
「寒さ」から身体を護ってもらったわけです。
そして平織りで、麻・綿・葛はやがて絹織物に至ります。
その平織りでの「手ぬぐい」や「帷子」に性質が高度化されます。
総理という平織りは経糸緯糸30番で織られて、
やがてその平織りの網目の細かさで性能から岡や特岡ができます。
私たちはすっかり、絹織物や羽二重、岡があり特岡など忘却です。
私自身は、デザイナーとして、スピーカー設計で、
サランネットからニットなどがデザイン素材であり、
ヘッドホンの回路実装では紗という織物を幸いにして、
亡母方伯父がテキスタイルのエンジニアであり、大手織物企業では、
それなりの地位にあったので、詳細に学ぶことができました。
また和紙に取り組んで、元来、パピルスが織物だったことと、
先祖の図面がまるで絹のようだったことから、
そこから布の性能をデザイナー視点で評論や評価軸を作りました。
私は、このところあらためて「晒」を見つめ直しています。
一番の理由は、「手ぬぐい」の基本であり、
医療のガーゼが未だに、最高品質性能なら「晒」が最高です。
「手ぬぐい」は確実に美容素材になることも確認しました。
無論、絹織物も今では蚕は遺伝子操作によって、
格段に性能設計が可能になりましたが、
「布」は平ら=平織りで、膚との呼吸観からも、
この性能表現を追い抜くことの難しさを再見しました。
だから、私のデザイナーとしての狙いは、
「織物」・「布」の知恵の集積は、やっぱり、
「晒」に集約されていると考えています。
ふるさと福井の代表的な織物産業の若手たちには、
デザイナーとして、「布」の根本から、
あらたなポリエステルを超える素材開発を訴求しています。
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6月 25th, 2013 Posted 12:00 AM
ニュースキャスターで著名な人と盲目の人が遭難しました。
彼らはプロ級の腕前を持ちながらも、
さすがに、台風から温帯低気圧の凄まじさには負けました。
ヨットが破壊され、遭難での救済を求めたのです。
岩国(厚木かも)基地から海難救助が飛び立ったそうです。
私なりにはきっとあの飛行機が行ったのではと思っていました。
案の上、その機種は知る人ぞ知る名機でした。
「US-2」という水上飛行機でした。
しかし、波高3~4mに着水し、ゴムボートで救助して、
再び、水面が荒れ狂う海から飛び立つのは、
機種もさることながら、大変な飛行術と救難術があったからです。
救助されたニュースキャスターが、泣き声での事情説明。
「11名がたった2名救援のため」という説明は涙声でした。
命が助かるということは、彼らの冒険旅行以上に、
わが国には、素晴らしい飛行機と絶え間ない訓練があったことを
私たちに知らしめてくれました。
彼らの行動の是非はいろいろと個人的な所感が重なるでしょう。
けれども、私には、「やっぱり、あの名機だった!」ということ。
ちょうど、「Ship of the Year」審査会後に、
元船長からの海難救助がどれほど困難かを聞かされていただけに、
私は、その機種と海上自衛隊の存在を確認できました。
そして、航空機にはわが国の飛行機製造技術が、
見事にもしっかりと継承されていることに感動しました。
「US-2」に引き継がれてきたのは、
確かに大東亜戦争(太平洋戦争・GHQに書き直された)でしたが、
航空機の製造技術は遺伝子的に残っていたのです。
これだけの技術がありながらも、
わが国ではジャンボジェットは造れません。
かつて、政府からフランスに出張させられたときに、
トゥールーズでは、日本人のエンジニアが一杯いました。
ドイツ人のデザイナーが言ってました。
「ジャンボジェットが創れるのは我々と日本人だけだ」と。
救難された二人が言っていました。
「すばらしい国家の民だった」と。
わが国には、あの戦争から生まれたかも知れない技術であっても、
おそらく、これからの世界にとって肝要なモノづくりの民です。
そうして、日夜、訓練してくれている人たちもいる国民なのです。
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Posted in 企望を「までい」具現へ, 危機解決をめざすデザイン実務, 祈望から企望へ
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