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Posts Tagged ‘形式’


「バーチャルアイドルが示唆している超情報化の予感」


   


     12月 6th, 2012  Posted 12:00 AM

2007年に登場した「初音ミク」は、
当初はいわゆる「オタク」サブカルチャー扱いされてきています。
そして、未だに、
この「情報形式・情報内容」が詳細に語られているとは思えません。
このことを確約的に社会評論できうる知性が
不在ではなくて非在なのかもしれません。
それは、わが国の情報化戦略が
とてつもない遅行指標の中に埋没しているのです。
私は、この「初音ミク」をシンボルとした音声合成・DTMに、
実はとても具体的な「アンビエント」情報空間が
息づき始めたことが示唆されていると直感しました。。
私自身、インターネットからクラウド・スマートグリッド、
さらにはスマート・シティなどが
どこに向いているのかが直感的に認識できる裏付けでした。
現在、わが国の経営者に「初音ミク」が
どれだけの経済効果を持っているのかが、
直感で理解出来る人は皆無でしょう。
もし、センスということになれば、
それは、スーザン・ソンタグの「反解釈」などには克明に、
形式・様式と内容・主題の剥離や接着性能が分別できるはずです。
彼女風に論破すれば、
「スタイルのラディカルさこそが時代意志を持つ」ということです。
すなわち、初音ミクというバーチャルアイドルという様式はすでに、
その発声=人工的な音声合成は
シリコン上で可能になってきたという内容を明示しているわけです。
私は、とりあえず超情報化=メタ・アンビエントと呼ぶことにしています。
私は、親友が見事にはまってしまった「痛車」に乗せられたとき、
彼=最も信頼しているマーケッティングの専門家の予感を
素直に飲み込みました。
それから6年経って、彼はこう言いました。
「オタク文化という批判でしか、
ラディカリズムは動かなくなっているわが国に
真で新なる価値づくりは不可能になりつつあるのかも・・・」と。
私もこの観察力には慧眼せざるをえません。
初音ミクという様式と内容・形式と主題が投げかけている
「プライミング・エフェクト」の話を始めなければならないでしょう。
それが、多分、私がこのところ主張し始めている、
「商品づくり」経済から、
「製品記号論」的な経済活動を引き込む方法だと確信しています。


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「TEDxOsakaUの開催・傍観から主体化へ」


   


     10月 6th, 2012  Posted 12:00 AM

TEDは、コンファレンス形式の流行になってきました。
「スーパー・プレゼンテーション」として、
NHK・TV番組になり、その人気はますます上昇しています。
TED=Technology・Entertainment・Designという領域のなかで、
アイディアの提案者=スピーカーは与えられた短時間(最大18分)で
プレゼンテーションをすることになっています。
TEDがTEDxとして世界各地・日本全国で展開がますます拡大です。
私の研究室も早くからこの活動を見てきました。
私は学生やスタッフには、「主体的」に関わることを提案しました。
結果、「TEDxOsakaU」という範疇で、
大学を中心とした開催権利を学生がいただきました。
先般、TEDxKyotoには、
准教授・元スタッフ・研究室・スタッフが主体的に関わり成功させました。
しかし、私は一言「チャラケるな」と一喝したのです。
それは、
TEDxは米国先導のイベントからフェスティバルになろうとしています。
問われるべきことが、
スピーカー話題・課題・問題に意識化されていないとするなら、
「異業種交流?・カフェ?、そしてTEDって?」ということが
曖昧化され始めてきているようです。
現在、わが国でEntertainmentを語れる状況は押しつぶされています。
もし、このTEDへの「主体性」を発揮するならば、
三つのことを欠落させてはならないと私は考えています。

●1. 未来を招致するには現代を批判すること。
 そこにあってはならないのは「共同幻想化」の誘導を禁止すること。
●2. 現代・現実の把握と意識化において「共同謀議」の誘惑。
 実際面での提案にあるべき夢・希望・期待は
 決してEntertainment性の軽薄さに浮かせないこと。
●3. このプレゼン形式がSNSで「無防備拡散」のこと。
 これは大きな最大公約数的な情報化に沈没する怖れがあること。
 オーディエンスに最小公倍数的な発想を刺激し促進すべきです。

それはビジュアライゼーション手法が、
SNSで「共通認識」された価値観に蓄積するなら、
TEDそのものが、
世界への意識革命を情報戦略の一つに私たちは楽観的に包囲されます。
ということで、私たちは「傍観者」から「主体者」を選んで、
私たちのオリジナリティ創出をめざします。
パートナーには、信頼できるこれからの企業が支援をしてくれています。
つまり、日本の大企業には、
この「形式」にも近接できないほど脆弱化していると判断してしまいます。


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「シルバーにすべきだったのだが、最終授業告知ポスター」


   


     10月 1st, 2012  Posted 12:00 AM

来年、64歳になります。
よって、大阪大学を退官します。
来春からもう一度「自由の身」に戻れます。
阪大に転籍して以来、講義スタート告知ポスターは、
研究室の学生が毎年制作してきています。
そして、短いながらも研究室のある種の伝統(かな?)であり、
受け継がれてきたモノです。
よって、形式は最初の頃から、私の作品写真を入れました。
というのは、「デザイン」という講義が相当にあり、
プロダクトデザインと言っても、
工学研究科では様々な定義が科目毎に存在しています。
そこで、インダストリアルデザイン・プロダクトデザインを
より鮮明にするために「先端デザイン」だけでは語りきれず、
「先端統合デザイン」にしました。
それから、作品写真を入れれば、雑誌でも商品として見かけることから、
「エッ、これが阪大とも関係が・・・・・」、
という期待を持たせるべきと学生からの提案でした。
さて、ようやく退官となると、名残惜しさがあるものです。
それは47歳で大学人となり、
新設された名古屋市立大学・芸術工学部から始まりました。
金沢美大の先輩と恩師からも強く要望されたこと、
もう一つは、母が47年間の人生だったからこそ、
47歳からの私の生き方、
方向を大学人という職能に向けてみようと決心したからでした。
28歳で交通被災し、
被災したといっておかないと印象からか自損事故に思われるのです。
車椅子生活になり、40歳までと宣告まで受けました。
確かに、30歳でふるさと福井に帰らねばならないほど体調を崩しました。
でも、気がついたら40になりそして「毎日デザイン賞」を受賞しました。
けれども45歳で心臓障害となり、それは今も抱えたままです。
10年間で
名古屋市大・大学院博士後期課程完成年度にて阪大に移籍しました。
阪大の第一外科からは最終手術の話がありますが、
なんとか拒否しています。
そしてとうとう、「最終授業」を開始します。
となれば、
本来なら「シルバーのポスター」にすべきだったかと思っています。
よって、来年3月の「最終講義」は
シルバーで案内状を出すべきかとも思っています。
「教科書を書き上げる」と、ある出版社に言ったら、
「是非」と言われて、正直、そこまでのやる気は約束しかねます。
ただし、自由の身になったら喧嘩ではなく
「決闘」の志士になるやも知れませんから。


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「今気に入っているウェブカメラとヘッドセット」


   


     9月 4th, 2012  Posted 12:00 AM

最近はSkypeよりもハングアウトやFaceTimeが人気です。
しかし、私は使い慣れたSkypeが映像もいいと思っています。
もっとも映像はウェブカメラ性能で決定です。
今はほとんど論文指導ではSkypeオン状態で、
明け方まで学生たちとやりとりをしている状況です。
常に、これまで気にしてきたのはウェブカメラの解像度です。
改善される度に買い求めて、テストしてきました。
それは、たとえSkype映像でも十分にスケッチや素材、
素材仕上げ程度の確認が可能になってきたからです。
そして通話も様々に試してきましたが、
ヘッドセットを使った方がはるかに音質、
そして雑音の軽減が可能になりました。
このウェブカメラは720pixelsでのHD映像が可能になりました。
HDについては、
いち早く、PCモニター開発デザインで随分と詳細を知ることができました。
最近はHD本来の意味が曖昧になり、
性能がいい加減なモノも出始めてきていると判断しています。
HD=High Definitionとは、
現在は少なくても解像度画数が、
720pixelsから1920pixelsを実現すべきでしょう。
さらに、これからはHDを超える画素数実現の技術も見えてきました。
通話に関しては、
願わくばB&Oの電話機で実現しているクリア音質がほしいと思っています。
現在は、Jawbone ICON HD+NERDがようやく実現してくれたようです。
このヘッドセットシステムはこれから、
ウェブカメラとともにまず「形式」が変革し、
その結果としての新しい形態が発明されてほしいと思っています。
ともかく、ウェブカメラとヘッドセットは
まだまだ未開発の領域だと思っています。


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8月31日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     8月 31st, 2012  Posted 10:00 AM

8月31日 友引(甲子)

壇上にまで形式を持ち込んでしまうと、
その時点で、話の内容に縛りができ上がる。
連続性が失われた話は、
必ず、会場との温度差を生む。

したがって、
壇上に持ち込むのは
話の内容だけだと強く心に決めている。

『プレゼンテーションの極意』タブーの逆説「いい加減」なプレゼンの「良い加減」づくり


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8月30日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     8月 30th, 2012  Posted 10:00 AM

8月30日 先勝(癸亥)

プレゼンテーションの準備をしてきても、
壇上で話をスタートさせたら、
もうその時点で、
シナリオや形式を必ず捨てるチャンスを
うかがうことにしている。

話始めたら、
「 軸になるのはその内容 」である。

『プレゼンテーションの極意』タブーの逆説「いい加減」なプレゼンの「良い加減」づくり


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8月29日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     8月 29th, 2012  Posted 10:00 AM

8月29日 赤口(壬戌)

形式やルールは、
少なければ少ないほどよい。

そしてそれは、どんな状況にも
柔軟に対応できるものでなければならない。

『プレゼンテーションの極意』タブーの逆説「いい加減」なプレゼンの「良い加減」づくり

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8月28日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     8月 28th, 2012  Posted 5:41 PM

8月28日 大安(辛酉)

もともとプレゼンテーションには、
そんなにたくさんの形式やテクニックは
必要ないと断言しておこう。

『プレゼンテーションの極意』タブーの逆説「いい加減」なプレゼンの「良い加減」づくり


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「kobo Touchから見えてくる『青空文庫』の偉大さ」


   


     8月 9th, 2012  Posted 12:00 AM

電子書籍はなんといっても
評価すべきは「青空文庫」の存在です。
88?90年代、HyperCardの出現時にこの「青空文庫」が登場してから
これまでの活動は大評価すべきデジタル図書館と言っていいでしょう。
そして、日本の出版業界は
大手出版社・出版流通制度に縛り付けられていて、
「デジタル文化」をガラパゴス化したと私は指摘しておきます。
そして、楽天はカナダ・kobo社を傘下にして、
ようやく「電子リーダー」を商品化しました。
ところが、私も購入して大落胆せざるをえませんでした。
批判をしたいとは思っていません。
なぜなら記述すれば、それは「非難」になるものと考えます。
これでは、日本の書籍のデジタル流通を
またまた台無しにしてしまった商業主義そのままだからです。
商業主義であってもいいのですが、問題は、
読書文化を踏み台にして「利益獲得商品」にすぎません。
まだ救いになっているのは、
「青空文庫リーダー」として成立しているということですが、
青空文庫1064冊/11407冊収蔵までしか読めないことが
商品背景に電子書籍データが不完全なことを示しています。
商業主義だけ出版社などは読書冒涜も告白愚弄の有様表示。
私の領域、プロダクトデザインとして評価すれば、
順当なデザインと言いたいところですが、
背面の造形処理などはアマチュアだと指摘しておきます。
読書中の掌的触感は無視されています。
つまり、デコレーション処理造形では「滑りやすくグリップ感』無し。
最もKindleはじめほとんどがこのグリップ感を実現化していません。
願わくば、これはイニシャル商品です。
そして、電子書籍リーダーのシステムは完備し始めたところですから、
第2弾商品は、
「日本ならではの国際的商品化」を絶対に目指してほしいと願います。
「自炊」を個人的、研究室的に進めています。
私たちの「自炊ライブラリー」は、
仲間内的にはさらに大きくしていくつもりです。
今回、kobo Touchは、クレームが多発しましたが、
それはみんなが電子書籍リーダーを渇望しているからです。
むしろ「青空文庫」はまさに裏方として、
本当に日本の読書体系を地道にデジタル化してきました。
私は、「青空文庫」こそ、
すでに書籍のデジタル化を見据えてきた偉大な活動であり、
このことをもっと称讃すべきだと思っています。
kobo Touch2に大きな期待を持っています。
少なくとも印刷書籍形式とデジタル書籍は
「読書文化」として共存していくことが望ましいと考えています。


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8月8日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     8月 8th, 2012  Posted 9:30 AM

8月8日 辛丑(友引)

「光の棚」……
美しい「形式」が存在している。

倉俣史朗のデザイン『夢の形見に』9造形された形式


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