kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘モーツアルト’


『オーディオ装置では、音響か?、音楽か?、』


   


     2月 6th, 2019  Posted 12:00 AM

オーディオに携わる中で、
私は音響として耳に音を入れ続け、
音楽を聴くという感覚が薄れていきました。
東芝で十分にそれこそ勉強できたのは、
まず何と言ってもモーツアルトとショパンからでした。
そしてクラシックでは中学生から
「中央アジアの高原にて」と「フィンランデア」です。
様々なジャンルを耳にして、それから思いっきり、
バド・パウエルにつながりました。
多分、彼のストックホルムでの、ほぼインスタレーション演奏を
聴いて以来、レコード盤を結構集めました。
ともかく、レコードショップに行けばレコード盤からCDと、
彼の全集を集めました。
この音楽は、普段音響としてオーディオから流れる音として
捉える私に、心に響く音楽を届けてくれました。
今も、私はクラシックを音響として、製品判断に使うことが多く、
一方、ジャズを音楽として聴いています。
東芝でAurexに携わり、初めて音響装置でいつも聴いているのが
音響なのか音楽なのかを考え、
結局感じることで自分の好みがわかったということです。


目次を見る

『玄関にアナログシンセサイザーでクラッシック』


   


     1月 6th, 2019  Posted 12:00 AM

自宅の玄関には音楽が鳴っています。
玄関は、鏡とグレートーンの石タイルと
天井壁紙で仕上げてあるので照明がない時は真っ暗です。
そのため、ドイツ家具 KAREのチェストをアクセント的に置いて、
その上にコルグのピアノ シンセサイザーを設置しました。
このシンセサイザーは、61鍵盤の電子ピアノとして演奏を楽しめ、
普段は鍵盤の数だけのデモ曲を自動演奏にしています。
ここの空間には音楽がどうしても欲しくて、ズーッと探し求めていました。
本格的なシンセはプロ用で2台持っています。
美大の頃に、ロバート・モーグが本格的なシンセを発明しました。
そのシンセのデザインをやりたいと、
主任教授の命令でしたが東芝に入ったわけです。
東芝での配属希望を記入するときには
「第1希望 音響 第2希望 音響 第3希望 音響」と書きました。
フリーランスになってからも音響作曲は継続していて、
コルグはアナログ・ミニシンセを三台使って様々な音を創りました。
亡くなった母から、
「あなたは美術か音楽が向いている」と言われていたこともあり
音楽はピアノが出来ないけれど、16拍子は手では無理でしたが、
32拍子以上まで自在に出来るシンセにのめりこんだのです。
東芝の総研にある音響研究センターで音楽を徹底的に学び、
特にモーツアルトのピアノ協奏曲には、
暗記する程にスコアと音響を聴きました。
だから、玄関をドアを開ければ、
クラシックの音が響いていてほしいのです。


目次を見る

『最高の音響を楽しんでください』


   


     1月 26th, 2018  Posted 12:00 AM

最近、なんだか連続で「オーディオ」関連の話が飛び込んできます。
その一つですが東芝EMIと第一家庭電器(DAM)の真摯な活動がありました。
東芝EMIと第一家庭電器も今はもう存在していません。
私自身、本当に駆け出しの東芝のデザイナーでした。
デザインもAurexに関わった仕事にはなんでも首を突っ込んでいました。
東芝EMIのプロデューサーが亡くなりました。
しかし、彼の遺書に「最も録音の優れたテープをDAMのディレクターに」、
この記述から最も優れた録音のマスターテープが現代に息が選ったのです。
当初は、ともかくオーディオマニアだけのDAMレコードの原音マスター。
これには東芝のデザイナーでありながら、45回転厚番のトラックダウンや、
バイノーラルレコーディングに、
いずれも「日本初」に取り組んできました。
正直に言えば、美大時代から「光と音」を対象にしたデザイナー、
これだけを生涯求めるデザイナーを目指してきました。
主任教授の推薦でともかく東芝、当時はまだ東京芝浦電気株式会社に入社。
シンセサイザーを目指していた私は、
総研(現・東芝中央研究所)で、鍛えられました。
音響生理学・モーツアルトのピアノ協奏曲
=楽譜と試聴・エレクトレットコンデンサー、
そしてアナログ時代最終のレコーディング。
音響はデザイン以上に学びました。
DAMレコードは今でも最高の音響音質です。
そのマスターがDADでユニバーサルレコードから、
ダウンロードが可能になったのです。
是非とも、「これが最高の音響」を楽しんで下さい。

● DAMオリジナル録音DSD11.2配信9タイトル一覧
● DAM45サイトTOP


目次を見る

『デザインでデザイナーが美しさをどう創るか』


   


     10月 11th, 2017  Posted 12:00 AM

デザイナーにとって、私は最も難しい質問は「美しい」ってどういうこと?
この質問に一言で、体系的に、経験的に、学術的になど、
応答・回答・解答出来るかは本当に難しいと思います。
そして「美しさ」は美学という学術的な領域がその答を出しています。
それは音楽と美術が中核だったことは間違いありません。
私自身、「美しいってどういうこと?」という質問は、
福井伝統工芸産地、越前和紙に創ったオータキペーパーランドからでした。
思わず身構えましたしどう答えるべきか随分と逡巡した思い出があります。
私はまず、先天的に答えることができますが、
これをあたかも美学的に体系までは困難です。
そして後天的には、知識と経験で知見化することが可能です。
まず、美しいというのは景観での気分や気持ちよさでの一言です。
本当に気持ちいいほど空が青いとか、
夕焼けが綺麗という単純な景色感覚への評価です。
空・海・山の景観や景色が挙げられます。
これが先天的での景観評価が素直さでの感覚=センスだと思っています。
かって名古屋大学での講義で、自分が美しいものを上げてレポートを、
こんなカリキュラムを数年やったことがあります。
工学部相手でした。そうしたらなんと三分の一の学生が数学の美しさを
徹底的に分解してきたレポートには感動しました。
私はデザイナーとして、体系的には、二つあります。
その一つはパウル・クレーの「造形思考」でした。
もう一つはカントの代表作である「純粋理性批判」での
真善美と感性・悟性・理性での美の解釈です。
東芝時代はモーツアルトのピアノ協奏曲のスコアとその旋律再生音。
このマッチング性に美しさがありました。
登山懸命だった大学時代は山岳と空・夜空が私の美しさの根源でした。
今は自宅から望める夕方の夕闇の変化を眺めて、
自分デザインの美しさを綺麗さからも求め直します。
美術的や音楽的を離れた時には、デザインでの美しさは、
今ではかなりの制約が乗りかかってきています。
たとえば、PL法違反などは、現代的には当然であり、
重量なども、万一、落ちてきたら危険は美しさを語る以前の問題です。
デザインでの美しさは追い求める義務がデザイナーには不可分です。

* 『家具デザインの「家具」定義を変えるべきだ』
* 「伝統は熟知必然・実例としての和紙か和風紙か」
* 「若手芸術家の紹介から学ぶ『範・感性』の確認」
* 『ポケットブックになる「造形思考」が出版』
* 『月明かりの前の沈まない大阪、それは日本』


目次を見る

『モーツァルトのピアノ協奏曲で鍛えられたSPデザイン』


   


     9月 5th, 2017  Posted 12:00 AM

金沢美大時代に主任教授故・Yちん教授からの質問は、
「川崎がやりたいのは何か?」と聞かれました。
「音でシンセサイザーが出てきたから、あれと光のデザインです」と回答。
「分かった」という一言で、私は東芝行きが決定しました。
他企業も受ければ受かるだろうが「君は東芝に私が決めた」の一言断言。
東芝では総研に元来は医学博士・医師 故・K先生が音響研究所トップで、
「君か?、どうせクラシックの知識はゼロだな、これから鍛える」、
この一言で、楽譜は読めたので、徹底的にモーツアルトのピアノ協奏曲は、
暗記させられ、ショパンもピアノ曲は、
試聴時にこれは「誰のOpus何番のどこだ?」と一年やられる毎日でした。
今ではすっかり忘れていますが。
それでも「川崎の耳は左右同レベルのdBがいい」とは言われていました。
しかし、Aurexにはスピーカーシステムの不文律が
K先生(聴覚生理学)に、徹底されていましたが、
私はどうしてもこの不文律ではヒットしないと説得に説得をして、
すべてのデザインを任されて商品化したSPがこれ二機種でした。
当然、ボックスの塩ビシートは微細なコンクリート仕上げ風をデザインし、
これも営業を説得、木目調からの脱出を図ったモノでした。
また、SPのサランネットは当時はニットで、それはふるさと福井の
ある繊維メーカーにまで出かけて発注しました。
これは退社時には、チーフにもらっていたので私の愛機であるJBL4343は、
この自分デザインシートに代えました。
だから、当時の銀座セブンや全国のメインショールームは、
提案もインテリア設計からイベントでも、
このスピーカーシステムを壁面に積み上げてデビューさせました。
だからAurexブランドでは一番ヒットさせたSPシステムです。
幸い、一組は今も所有していますから、丁度、自分のデザイナー30年目で、
金沢21世紀現代美術館では「Artificial heart・川崎和男」展では、
副題の「いのち・きもち・かたち」では、一室にこのSPを配置し、
あるいたづらを仕掛けました。いたづらに気づいたのは、3人だけでした。
このSPシステムは今もオークションにマイナーチェンジが出てきます。
オーディオでは現代音楽・ロックからクラシックはK先生に鍛えられました。

* 『医工連携など妄想である!』
* 『私のJBL4343はフリーになってからの私を見てきた』
* 「音からデザイン役割を語る基礎として」
* 「日常性の『闇』から開放させるオーディオ」
* 『オーディオ界で出逢った新技術と二人のエンジニア』


目次を見る

『USBケーブルとそのプラグ:ソケットから進化を』


   


     5月 11th, 2017  Posted 12:00 AM

電子回路を学んだのは社会人デザイナーになってからでした。
同時にオーディオはクラシック、
中でもモーツアルトのピアノソナタは18曲でした。
11曲スコアは暗記させられて、試聴時に「今はどこだ?」でした。
「ビートルズを聴いて来たヤツは聴覚が傷んでいる!」と言われましたが、
「30代以上は口出ししないで下さい」と、随分当時は粋がっていたものです。
電子回路は有線と無線を区別することを専門のエンジニアから学びました。
デザインの実装はKチーフから随分叩き込まれました。
特に、有線での端子=プラグが回路基板では、
必ず有線の外部端子より実装端子=ソケットの大きさが大きいことでした。
コンピュータのインターフェイスでは、
RC232がその代表格であり、この実装がスタイリングを決定づけていました。
そんな時にUSB=Universal Serial Busがやがて統一規格になると聞いて、
そうなれば、実装は相当に端子の統一化により、スタイリングデザインを
整理出来ると期待していました。
しかし、USBからのプラグTypeが増大し、そのType毎のソケットには、
デザイナーが関与していなかったが故、現状の多様さになったことは、
大変に大きな間違いだったと思っています。
そして、USBにLightningプラグとそのソケットをApple社は見事に変えました。
その後、USBプラグそのものが立体から平面になったことは評価しています。
そして、USBメモリー、USBケーブル、USBハブは多種多様になりました。
しかし、USB自体のデザインによるケーブルと、
そのケーブルからのプラグの多様さを統一するのはデザインの役目でしょう。
さらに、それらのプラグ:ソケット:ケーブル内コードは金メッキを
私は要求しています。
さらに無線USBには、デザイン不足がいっぱいあります。
オーディオでの電子回路はプラグ・ケーブル・ソケット・ハブなど
基本的な仕様とデザイン対象だと確信しています。

* 『カートリッジの性能をさらにアップさせるために』
* 「USBからワイヤレス化と電磁波空間」
* 『整理したTVオーディオ環境のスピーカーシステム』
* 『映像と音像を変えるHDMIケーブルの進化』
* 「PC端子は進化しているだろうか?」

 


目次を見る

『カートリッジの性能をさらにアップさせるために』


   


     9月 24th, 2014  Posted 12:00 AM

レコード再生ではカートリッジ性能がまず音の入り口として重要。
したがって特にオーディオマニアはカートリッジに詳しいのですが、
私はそのカートリッジに対して、リード線とヘッドシェルに注目して
リード線も、リッツ線とリボン線、その素材は銅線と銀線、
どれにも金メッキを施して、リード線の選択巾を増やしました。
明らかに、銅線でも、その線形状がリッツ線かリボン線かで、
音は明白に変わりました。それは音楽ジャンルと使い分けが可能。
音楽ジャンルは、東芝時代、特にモーツアルトのピアノ協奏曲は
耳で暗記させられるほど訓練されていました。
ともかく、ピアノほど周波数が幅広くあり、これを主体にしました。
入社するまでほとんどクラシック系は避けていましたが、
ほとんど教科書的に教え込まれていましたから、リード線を
全ての素材と線状形式で選択肢ある商品アイテムを完成させました。
さらに、ヘッドシェルもアルミ素材とまだ開発中であった
マグネシウム合金=超軽量で振動制御素材をおそらく最初に
シリーズ商品化できたと考えています。これはすでにAurex時代に
エレクトレットコンデンサーカートリッジのシェルで試用しました。
また、ヘッドシェルはネジ止めするのですが、その位置決めから
ネジを面止めする形式の形態にして、リード線も自由に選べました。
ともかく、私は当時のレコード盤に関わる商品をシリーズ化する、
そのブランド商品シリーズ化はトップクラス化を狙っていました。
この商品シリーズで世界的にも最初の商品化に成功したのは、
リッツ線だけではなくてリボン線、ヘッドシェルでの新素材、
しかもネジ止めを丁寧に位置設定用の目印方眼線も印刷。
マニアによっては、決定したカートリッジはネジ止めしてしかも
すべてを接着剤で接着固定しているカートリッジ12本には本当に
圧倒されたことがあります。
その当時のオーディオ評論家の批評では、彼らの能力がズバリ、
読み取って分類することまでできました。
真実プロの評論家を決定して、あとはインチキ評論家ばかりでした。
ともかく、こうした経験は今の私のデザインにつながっています。

「カートリッジデザインのフィニッシュワーク」


目次を見る