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『モーツァルトのピアノ協奏曲で鍛えられたSPデザイン』


   


     9月 5th, 2017  Posted 12:00 AM

金沢美大時代に主任教授故・Yちん教授からの質問は、
「川崎がやりたいのは何か?」と聞かれました。
「音でシンセサイザーが出てきたから、あれと光のデザインです」と回答。
「分かった」という一言で、私は東芝行きが決定しました。
他企業も受ければ受かるだろうが「君は東芝に私が決めた」の一言断言。
東芝では総研に元来は医学博士・医師 故・K先生が音響研究所トップで、
「君か?、どうせクラシックの知識はゼロだな、これから鍛える」、
この一言で、楽譜は読めたので、徹底的にモーツアルトのピアノ協奏曲は、
暗記させられ、ショパンもピアノ曲は、
試聴時にこれは「誰のOpus何番のどこだ?」と一年やられる毎日でした。
今ではすっかり忘れていますが。
それでも「川崎の耳は左右同レベルのdBがいい」とは言われていました。
しかし、Aurexにはスピーカーシステムの不文律が
K先生(聴覚生理学)に、徹底されていましたが、
私はどうしてもこの不文律ではヒットしないと説得に説得をして、
すべてのデザインを任されて商品化したSPがこれ二機種でした。
当然、ボックスの塩ビシートは微細なコンクリート仕上げ風をデザインし、
これも営業を説得、木目調からの脱出を図ったモノでした。
また、SPのサランネットは当時はニットで、それはふるさと福井の
ある繊維メーカーにまで出かけて発注しました。
これは退社時には、チーフにもらっていたので私の愛機であるJBL4343は、
この自分デザインシートに代えました。
だから、当時の銀座セブンや全国のメインショールームは、
提案もインテリア設計からイベントでも、
このスピーカーシステムを壁面に積み上げてデビューさせました。
だからAurexブランドでは一番ヒットさせたSPシステムです。
幸い、一組は今も所有していますから、丁度、自分のデザイナー30年目で、
金沢21世紀現代美術館では「Artificial heart・川崎和男」展では、
副題の「いのち・きもち・かたち」では、一室にこのSPを配置し、
あるいたづらを仕掛けました。いたづらに気づいたのは、3人だけでした。
このSPシステムは今もオークションにマイナーチェンジが出てきます。
オーディオでは現代音楽・ロックからクラシックはK先生に鍛えられました。

* 『医工連携など妄想である!』
* 『私のJBL4343はフリーになってからの私を見てきた』
* 「音からデザイン役割を語る基礎として」
* 「日常性の『闇』から開放させるオーディオ」
* 『オーディオ界で出逢った新技術と二人のエンジニア』


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