7月 6th, 2012 Posted 12:00 AM
今年の文具展は一つのエポック的事件でした。
二つの事件がエポック性を語っていました。
1 アナログとデジタルとの融合が開始されました。
2 二極化スタートの芽生えかも。
まず、デジタル文具が様々な形式で登場してきました。
文房具としてのデジタル化とは、
そのようなシステムは長続きするわけがないという商品の存在です。
それをビジネスニュース番組でも、
「未来の文具」として取り上げているのです。
それはTV報道全般が最近では、
裏付けの知識が欠落していることと連動しています。
「未来の文具」をまったく会場で見つけていないことです。
その商品では無くて、
これが「未来の文具」という見立てが出来ないのです。
アナログ的文具性をデジタル文具との関係で見極めていたのは、
やはり、グランプリになった二つの商品です。
「書く」という文具基本を重要視した二つのノート形式です。
一つはラグジュアリー価格で「書き心地」を世界最高にしたノート。
これは機能性だけでなくて、日本の文具を二極化、
やっと日本の文具の付加価値性を高めていくスタートになりました。
もう一つは、「書く」ことの意味性=アナログ感覚を
デジタル文具に対決化させたノートです。
比して、デジタル化を中国で、
本当はアナログ作業なのにデジタルに見せかけているノートですが、
これは相当なる勘違いであり、海外労働力だけを頼った商品、
文具文化、たとえば情報の垂れ流しは国防的にも大変に危惧されます。
私も使ってみましたが、この高額商品は今後進展しないでしょう。
もっと、
デジタル化をすっきりとさせているメモノートの方を私は選びます。
もう一つは、OEM発注していて、
自社ブランド商品にしているにも関わらず、
その製品の素晴らしさを理解していないブランドが散見できました。
これも勘違いです。
結局、ユーザーの厳しい商品選別眼に、
文具メーカーや文具ブランドは気づいていないということです。
日本の文具がもっともっと貿易輸出品になっていくには、
このエポック性を
再吟味することを文具業界に伝えておきたいと思っています。
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3月 31st, 2012 Posted 12:00 AM
コンニャクのような私たちの日本列島。
地震列島に津波、
だから「防潮堤を」という発想には俄然反対です。
私はこのきもちを抱いて10ヶ月、復興デザイン計画書を書き上げました。
ひとまず、すでに現地に復興実施をしている企業の口添えで、
まず石巻でプレゼンをしました。
とちを、つちを、だから、まちを!という発想です。
とち・つち・みち・まち、そして東北は「通り」があります。
人工地盤には、上水道・中水道・下水道。さらに電力と情報によって、
インフラの整備をすることで、
ようやく「スマートグリッド」の基盤整備が可能になります。
政府は未だに「防潮堤」の計画を進めようとしていますが、
美しい海岸線を
高さ10m以上の壁面で取り囲むというこの智恵無き発想にあきれます。
まして、この防潮堤の土木工事は
これまでの建設関連既得権益と強固に結びついています。
被災地の人たちには未だに瓦礫が山のように立ちはだかっています。
そして遠方には何事もなかったがごとくの穏やかな海が広がっています。
毎日、津波で無くなった方々への鎮魂の祈りを捧げておられるようです。
私は、減災・防災・救災、そして安泰という
海面からの地盤高を考え抜いた人工地盤計画を持ち込んでいます。
リアス式の美しい絵画から、あの巨大な津波は、
女川の集落をすべて飲み込んでしまったのです。
それでも現地の人々は、
毎日、穏やかな海、荒れ狂う海を見つめて暮らしていく、
この日常性での安全+安心=安泰の地盤計画が必然と考えています。
帰阪後、風邪気味なので眠りに眠りました。
あらためて、津波でおそいかかった海に、
今、生きる人間の最大の智恵で、
「生活のつち・とち・とおり・まち」を創生させたいと考えています。
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2月 15th, 2012 Posted 12:00 AM
日本が地震大国ゆえにその予知報道に翻弄されます。
そして3.11は私たちの価値観を変えてしまいました。
私は10ヶ月かけて「復興計画」企画書を書き上げました。
これからその計画書では企画・戦略だったので、
本格的な計画の推進をめざしたいと考えています。
大震災直後に、情報の集約化をめざして、
この
website内に放射能のことなど情報を集め発信してきました。
そして、減災・防災・救災というレベル設定をして、
もし、天災に見舞われたらどうするべきか、
「ふだん」と「まさか」に峻別した情報集積をしています。
その
websiteのトップ画面です。
3.11で学んだことを集積し集約して、
まず「自分の命を守る」こと。
そのためには避難するにも「手ぶらで逃げる」こと
これが基本だということです。
防災グッズは様々なモノが市販されていますが、
それよりも、「手ぶらで逃げて命を守れば」、
減災と防災が適います。
そうすることで、救災ということばで、
「助け合う」ことの主役になるということが大事という考え方です。
「手ぶら」といっても、
最低限はいつも身につけておくことが肝心です。
それは、「財布・ケータイ・ハンコ」ということです。
財布とケータイにハンコを加えたのは、
3.11で「避難所生活」で必需品だったことです。
「ふだん」と「まさか」に、
日頃から準備していくモノややっておくべきコトを、
このsiteに集めたいと思っています。
衣・食・住に対して、私は医・職・趣を付け加えています。
医は救急医療、
職は職能の保持、
趣はたとえ天災に遭っても、
自分やみんなが励まし合うエンターテイメントです。
そして、水・食料・電力というエネルギーを
どうしていくべきかは、日本の宿命的課題です。
私は、ともかくなんらかのエネルギー確保を、
さらに改良し、進化させるデザインが必要だと考え、
そのデザインと開発のフィーザビリティに取り組んでいます。
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12月 9th, 2011 Posted 12:00 AM
多分、1980年代後半から日本の大学に、
「環境デザイン系学科」が生まれてきました。
しかしそれは日本では、ほとんどが建築系が中心。
建築学科すら「環境デザイン」と名辞するほどになりました。
そこで、私は「環境デザイン」不要論を準備したことがあります。
理由は「環境デザイン」の対象が都市計画や建築空間と限定したからです。
例えば、KAIST=Korea Advanced Institute of Science &Technologyでは、
「環境デザイン」の対象は、情報とロボットです。
これは昨年亡くなったWilliam J. Mitchell氏、
MITの建築学部長だった彼が、
三つの著書でいみじくも指摘している「環境」をさらに「空間」として、
情報空間・人工空間・ロボット活動空間から再度、
建築や都市計画をとらえ直していることを考慮すれば、
まさに、情報とロボットが対象です。
まさしく私が発言してきた
Ambient Media Integration Spaceということになります。
したがって日本の、特にデザイン系大学での、
「環境デザイン」は再定義が必然だということになります。
ということは、今度は情報工学やロボティックス工学からも、
「環境」と「デザイン」を工学としてとらえ直すべきです。
私は、William J. Mitchellの「City of Bits」の書評を書きました。
それも建築専門誌の依頼で紹介もかねて書きました。
その本は「建築学会なんとか賞」を日本が与えたと思います。
日本の環境の定義は、とりもなおさず、自然環境から人工環境、
具体的には建築的空間になります。
しかし、環境ということ事態が変化変貌しています。
特に、3.11で私たちが想い知らされた日本の環境は、
今現在、もう一度熟考させられています。
William J. Mitchellは、
私はこの三冊で自分の役割が終わったとまで断言しました。
あらためて、三冊の書籍を紹介し、
「環境デザイン」の再定義の必然性を強調しておきます。
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11月 30th, 2011 Posted 12:31 AM
11月29日
京都での某企業の依頼で
特別講演会を行った、
BOSS(川崎和男, Kazuo KAWASAKI)
講演のタイトルは
「物質・情報・エネルギー」でした。
オープニングの曲はLADYGAGAです。
講演前の様子です。
最終的に300名近くの方に
ご参加いただきました。
日本の再生についてその旨を熱く語った、
BOSS(川崎和男, Kazuo KAWASAKI)
このような機会を実現してくださった皆様、
ご参加いただいた皆様
本当にありがとうございました。
ただ、
質問無しにBOSSはかなり不機嫌でした。
自分のプレゼが駄目だったとか
また自分虐めで心配。
・・・でなければ・・・
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10月 29th, 2011 Posted 12:00 AM
車椅子生活になっても、
日常の傍らには常に進歩していくMacがありました。
今も毎日Macに向かっています。
ジョブズ氏の想像力が果たしてきた世界に、
自分の日常性があったと言ってもいいでしょう。
私の「意識革命」はまさに、Macであり、NeXTでした。
幸運にも、Apple社2代目CEOのスカリー氏には、
デザイナー提案をするという体験ができました。
その彼が、未来を提示してくれたアドバンスデザイン、
それが「
Knowledge Navigator」でした。
このパソコンが当時夢を与えてくれた世界、
それが実現しているのでしょうか、
進歩と進化の差異性を考えてしまいます。
Nnowledge Navigatorは将来のパソコンを、
Knowledge=情報と定義したのです。
「意識革命」では、情報=Consciousnessでした。
ところが日本では、
今なお情報=Information=案内です。
私は、情報=「情勢報告」=Intelligenceという
森鴎外翻訳説も見逃せないと考えてきました。
だから情報機器は、「知識・意識・諜報・案内」、
この四つを自己操作だけでなく機器の人工認識に、
進歩ではなくて進化させていくべきか、
いかにナビゲートするべきか、そんな手法こそが、
パソコンの存在価値を決定すると考えてきました。
その基本がWYSIWYGであり、具体的手法はGUIでした。
結局、GUIからはまだ逸脱していません。
私は、Agent Interface、 Gesture Interface、
さらにはNome Interfaceを追いかけています。
ジョン・スカリーは、自分自身をCEOとは位置づけず、
Chief Listenerと名乗っていました。
その自称性格が超ワンマン性ジョブズ氏を退任させ、
なおかつKnowledge Navigatorを、
Apple社の目標シンボルにしたのでしょう。
そして、この決断がパソコン歴史、
その大きな1ページになったのだと思います。
私は、パソコンの歴史にこそ、
「進歩と進化」の差異性があると判断しています。
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6月 15th, 2011 Posted 10:00 AM
6月15日 赤口(辛丑)
情報のデータとは、whatに過ぎない。
それが、
どのような情報なのかというhowになる。
そのwhatとhowが意識の中で、
やっとwhyという問題意識になっている。
『デザインという先手』あいの手 アポリアに対して
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5月 8th, 2011 Posted 12:00 AM
1949年生まれの私。
当時の世界人口は25億人。
おそらく私は2049年を見ないでしょう。
ここ数年、私自身が世界人口を
追いかけつつ、その増大の速さは不安でした。
年内に70億人、2030年には100億人を突破しているようです。
反してわが国の少子化での人口激減は、
世界構図、世界構造を根本から変えてしまうことは明らかです。
この人口爆発で予想される世界的な問題、
その代表的な問題には、食料・水・エネルギーの構図が見えます。
BOP=Bottom of the Pyramidという人口図式。
三角形に、所得構造分けされた図解です。
私は授業・講演会などで世界構図のビジュアル表現として、
最も多用してきた図解です。
しかし、この図解である図式は、世界隠喩であることも明白です。
それは、人口分類が「所得階層」になっていることです。
スーザン・ソンタグの名著に「隠喩としての病い」があります。
この著作をベースにして、世界構図の隠喩となるのは、
人口爆発である「BOP図式」と「エネルギー」がテーマ可能です。
そして、この現実には世界構造が隠喩的な図解化ができます。
人類の大きな問題が隠喩となって私たちに覆い被さっています。
つまり、人口とエネルギーに現代世界の大問題があります。
現代世界の一つは強欲な人間欲望と、
もう一つは、さらに貪欲な人間社会の階層的な支配構造、
すなわち、国際政治の表象が支配力学になっています。
ところが、本来であれば知性的かつ知識階級である人も、
支配力学の経済的暴力構造の隠喩性からは解放されていません。
しかも厄介なことは、
この隠喩性は「情報」あるいは「情報化操作」によって、
世界構造が閉じ込められているということに他なりません。
この支配構造の中で、人々は対立し共謀し幻想に陥っています。
けれども、人間の誠実さ、「かけがえの無さ」を確信する人には、
決してアポリアにはしない生への希望があるということです。
人口とエネルギーは、まさしく世界概念の隠喩という病なのです。
この病に、デザインは必ずや企望になるはずです。
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Posted in 祈望から企望へ
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1月 14th, 2011 Posted 12:00 AM
『諳+戈』
意は「意識」に至ります。
通常の「意」に対する解釈です。
私はその前提に「音」と「言」にしました。
私なりの解釈は、
「諳」ということが「意識」への手がかりということになります。
『諳+戈』ということで戈(ほこ:ほこづくり・はこほこ)が「識」です。
これは音=もやもやしていること+言=発音明確の諳に刃物が入るわけですから、
明快になる、あるいははっきりさせるということです。
しかし、意識には意という諳の状況を「決定する形容詞」とした識です。
この意識そのものを明確にしている言葉を探し出してみます。
そうするとconsciousnessという言葉を見つけ出すことができます。
ラテン語[conscius]は、cum(接頭辞) +scire(「知る」の過去分詞scius)であり、
これは英語にもフランス語にもつながっています。
意味はこの構成通りに、三つの意味があることが確認されています。
■ ある知識を共有したり共謀したり、時に共犯関係まで意味します。
■ ある行為、思考、感情までを含意した知という自己意識そのもの。
■ そしてその自己意識にには、「良心」=conscentia
自己意識という良心
私はこれは、「義」あるいは「善」を意味していると解釈しています。
よって、諳+戈とはいわゆる「明」=道理が明らかであることを認知する力だと思います。
日本語は「意識」の前にまだ「意思」と「意志」がありこれは「良心」だと認識しています。
さらに私は「情報」には「意識」という意味も含蓄されていますが、
もう一度、「意識」=「意志」+「意思」を「良心」が本来包み込んでいる言葉だと思っています。
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Posted in 063 「多様性」, 資本主義から逃走せよ!
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1月 4th, 2011 Posted 12:00 AM
私の視座から
人生にとっての新年。
それぞれに新たな年を迎えること。
私はこの年、「兎」への思い出と知識の整理でスタート。
新年とは、人間それぞれにとっての期待と希望です。
私は新年を迎えるにあたって、いつも新年は信念の確認と思ってきました。
その癖がついたのは、交通被災・車椅子生活となってふるさとに帰省=Uターンをしてからでした。
それは「歩けなくなった川崎和男という生」が引き込んだものだったと思います。
「歩けない私」の視座は、私の眼差しを全く変えたと考えます。
この眼差しがひょっとすれば私である「歩けていたかっての川崎和男」という人間の質、
それは人格まで変えたのかもしれません。
多様性など無し
私の現在の眼差しは、「多様性を持ち得ない日本人」を見つめています。
これは私がデザイナーという職能性からの想いと経験だと判断します。
歳末、例年のごとくTVでは、「くる年への期待感」を押し殺すように、
去る年に失ってしまった無念さへの怒りや失望を整理しています。
これらはすべからく、多様性はなく単純明快な共同謀議を共有していました。
そして、「くる年」への期待感や希望には、
「多様性を尊重し合う」という知性が共有されていました。
世代間の差異性
しかし、私にはこの共有している謀議は幻想の確認に過ぎないものと思えました。
もし、多様性があったとするなら、それは世代間での思考差異性だったと見ています。
世代間での差異性の根本は、「情報」であり、「メディア」との経験の質でした。
そしてこれを「多様性」と呼ぶことは間違っています。
私が世代間の差異性を批評するなら、
メリットは、経験質が若い世代ほど高密度であり時代革新の先導力になるでしょう。
ところが、デメリットは、世代間の価値観の断絶です。
こうしたことが世代間のギャップとして、対立することなく新たな秩序づくりこそ、
新年への希望であってほしいことです。
私は新年の信念を、車椅子ゆえの視座からの姿勢を遵守します。
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Posted in 063 「多様性」, 資本主義から逃走せよ!
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