9月 12th, 2012 Posted 12:00 AM
英国のインダストリアル・デザイナーが逝きました。
ビル・モグリッジ氏です。
米国 New Yorkのクーパー・ヒューイット美術館の館長です。
といっても、私にとってはライバルでした。
ID Twoの主宰者、パソコン登場時期の代表的なデザイナーでした。
これからのパソコンデザインの理論と実践の提案をしていた人物です。
したがって、彼とは、パソコンに関してのコンファレンスでは
必ずステージを共にして講演をしました。
Apple社がApple ?からMacintoshを登場させた時期には、
英国デザイナーである彼が率いるID Twoと、
南ドイツ出身のハルトムット・エスリンガーが率いるFrog Design、
そしてNew YorkのSMART DESIGNがデザイン界の本流に居ました。
私は、彼らの提示してくるデザインを常に意識していました。
「インタラクション・デザイン」という概念は、
ビル・モグリッジ氏がデザイン界に示唆した言葉でした。
そして、マグネシウム合金製「GRID」が、
現在のノートパソコンの原型であり、
MoMAに収蔵された最初のPCです。
欲しくてたまらない製品です。
このデザインが彼の作品、この特許回避デザインが、
以後のノートパソコンデザインの方向を決定づけました。
私のAppleへの提案デザイン「Mind Top」は
「GRID」への挑戦的なデザインでした。
彼と講演をする度に、当時はまだスライドでしたが、
作品写真は、いつも、製品を演出する小道具が
とてもオシャレで圧倒されたものです。
彼は、日本にもスタジオを置きたくて、
「Twoは、日本語では何?」とか聞かれて、
「Ni or Fu」と答えたことがあります。
「ID FuだからID Windかな」と私は付け足しました。
それから、彼はあのIDEOの創立者となりました。
以後、音信がとれませんでしたが、Facebookで再会しました。
その時にちょうど、クーパー・ヒューイット美術館の館長就任時でした。
私は、お祝いをFacebookで連絡し、
その美術館には私の壁掛け時計「HOLA」が
「THE DESIGN」でパブリックコレクションになっているから、
必ず訪ねるとメッセージを送りました。
彼の冥福を祈ります。
あの世でもう一度会いたい人物です。
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9月 11th, 2012 Posted 11:58 PM
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9月 11th, 2012 Posted 12:00 AM
2005年、金沢21世紀現代美術館から、
館長が名古屋のスタジオに来ていただきました。
この美術館にはFさんが赴任されていました。
彼女からの紹介があったのかもしれませんが、
「私の美術館全部を使って個展をやりませんか」と言われました。
大驚愕であり、プロダクトデザイナーに展覧会というのは、
とてもわが国では考えられないことでした。
そして、1994年ギャラリー・間での個展、
「プラトンのオルゴール」作品からインスタレーションを
すべて永久収蔵します、とのことでした。
私は「遺作展になっても構わない」という覚悟で、
この壮大な個展に取り組み、2006年76万人が観ていただきました。
金沢21美術館は、年間200万人を集客する国内最大に活性化しています。
蓑館長は、その後、サザビーズで副社長を務められ、
途中、慶応大学で二人で講演もし、食事もする仲良しになれました。
帰国されると兵庫県立美術館館長に就任されました。
兵庫県立美術館では、
脳科学者茂木健一郎氏と対談イベントをしたこともあります。
が、その時はまったく活性化されているとは思えませんでした。
そうしたら、この「超<集客力>革命」を出版されるほど、
この美術館は今や83万人/年・見事に生き返っていました。
おそらく、
日本の美術館のあり方を革新したのは、蓑豊氏と断言していいでしょう。
同じ関西に居ながら、なかなかお目にかかれずにいたところ、
電話をいただき、「君のこと、書いたから」とか、
私も、
「倉俣史朗のデザイン・夢の形見に」に帯文を書いていただいていました。
今回は、県立美術館開館記念10周年に、話をしに来ないかと誘われました。
12月に兵庫県立美術館のイベントを引き受けました。
早く会って、見せたい作品や紹介したいアーティストがいます。
蓑館長なら、
「美術館ほど面白い知的な場」はあり得ないという、
意志決定できる人物です。
「あの作家はダメ、彼はすごい」とか平然と毅然と評価されます。
きっと私の作品のこれはダメとかも言っていただきたいのです。
早く会いたいと思っています。
日本のすべての美術館はもとより、
すべての公的な「場」は、
この本で書かれているシステムに変革されるべきです。
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9月 10th, 2012 Posted 1:43 PM
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9月 10th, 2012 Posted 12:27 AM
届いていました。
先般、松屋銀座での個展ギャラリーに2日通いました。
本当に久しぶりにアート作品を求めました。
早川親子の鍛金彫刻作品です。
アッと思うほど、惹き付けられました。
その夜に、あの作品群の中のアレを、
わが家のやっぱりスピーカーシステムJBL4343の上に置こう。
そう決心すると、ともかく会議前に求めておこうと決めました。
正直、仕事中も、
すでに自宅に作品が来ているイメージが常に浮かび上がっては消える、
そんな繰り返しが起こっているのは、
仕事への情熱を演技している連中への怒りを抑えられました。
「大企業病」というのは、
大企業にぶら下がっているサラリーマンの罹病だと定義できました。
それに引き替え、早川親子(父と息子)の作品は、
父がまずは師匠でありながらも、息子さんは二代目でも無く
この親子の強烈なライバル関係が清々しいのです。
この作品は息子さんの作品です。
生きている実感と社会での役割を凜と果たしているのです。
それが見事に作品に表れています。
彼らは、三重県で制作活動をされています。
いわゆる芸術関連の学歴などは無いそうですが、
そんなことはどうでもいいことです。
ところが、芸術系の学歴の無いことから作品への上から目線の人や、
この作品をロボットにして動かしたらとか、
LEDで光らせるべきと忠告されるそうです。
私はアート作品へのそのような期待は、
まあまあ一般的興味が膨らんだだけに過ぎないことだと思いますが、
つまらない鑑賞の仕方だと言っておきます。
もちろん、銅と真鍮という素材加工の技術性やその染色方法は、
高度でオリジナリティが存分であることが基本です。
しかし、もっと重大なことは、
「作品を私物化」したときに、その物欲と美学的な満足度を
どれほど真剣に「日常化」していく決心と作品への憧憬です。
私にとって、買い求めてまで側に置いて毎日眺めるのは、
常に、眼を透明にできる作品と出会うことです。
この作品は、これから私と一緒に、
私のオーディオ=耳と眼が共時性を持って、
生きている確認ができることです。
これから、この作品と対話したことも書き残したいと思っています。
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9月 9th, 2012 Posted 9:30 AM
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9月 9th, 2012 Posted 1:20 AM
9月9日
ふるさと福井にて、
古くから付き合いのある、企業にて、
社内講演を行った
BOSS(川崎和男, Kazuo KAWASAKI)
考えることと、思うことの違いを
漢字の成り立ちから説明。
ふるさと福井の偉人について
熱く語ります。
終了後、サインのお願いをいただき、
色紙に筆を走らせました。
講演会に参加いただきました皆様、
企画、運営をいただきました皆様、
本当にありがとうございました。
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9月 9th, 2012 Posted 12:00 AM
私がNew Yorkで個展を最初に開催したとき、
すでにMacintosh512Kを使ったと記憶しています。
そして、ソーホーの画廊からも、「日本的なモノ」をと要請されました。
そこで、「ORIGAMI」ソフトを創りました。
日本の折り紙を、プリントアウトすれば、
それが代表的な折り紙を点線や破線で
山折りとか谷折りができることを仕組みました。
そのソフトは、倉庫のどこかにあるのです。
スタッフがやっと見つけてくれました。(写真右上下)
ところで、折り紙起源説はいくつかあります。
当然、紙の発明が中国だったから、中国説がありますが、
ほとんどその形跡は歴史的に残っていません。
私は、絶対に平安時代から、日本独自のモノだと思っています。
以後、欧州でも、
スペインやフランスにもそれぞれの呼び名で「折り紙風」があります。
しかし、絶対に折り紙は、
日本独自の「正方形の紙」からの「遊び」の一つだと思っています。
なんとか、最初のソフトを探し出して紹介し直してみたいと思っています。
それは、もう一度、日本の創造・造形手法を再考する
大きなヒントがあると考えているからです。
最近は、
とうとう日本の家電業界に終焉の時期がきたと思わざるをえません。
この根本的な原因や、
これからの家電業界のあり方を「革新」しなければならないのです。
そこで、もう一度、
千代紙や折り紙に潜んでいる
日本の伝統的な造形を考え直してみたいのです。
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9月 8th, 2012 Posted 9:30 AM
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9月 8th, 2012 Posted 12:00 AM
大阪に来て以来、京都の地下街は私の遊び場になっています。
しかし、日本全国、地方の商店街、そして地下街も,
年々、その活性度を失ってきていると思います。
この京都の地下街は、来る度に商店の入れ替わりが多く、
大きな店舗である書店や洋品店などは縮小されていくのがよく分かります。
私は、フリーランスになって地方のデザイナーとして活動をしてきました。
だから、当時から地方都市と大都市比較を様々に調べてきました。
当時、大都市の条件を決めていたことがあります。
地下鉄があること、
地下街があること、
そして、著名なチェーン店舗があることや
競合しあうデパートがいくつかあることでした。
そこで、地方の商店街も
それなりの「地方色や伝統性」などの存在価値観の有無、
これはかなり重要な要因でした。
そんな大都市の商店街・地下街と
地方の商店街はすでに同等に寂れ始めていると言っていいでしょう。
これはデパートの存在価値が失われてきていることとも連鎖しています。
結局は、ようやく21世紀でのすべての街存在のパラダイムが
大変革し始めていると考えるべきでしょう。
大阪も最近は、デパートの新築や新たな駅前開発がありますが、
私は未来性を見通していないことを残念に思って見ています。
さて、先月、この京都地下街はいくつかの店舗が改装中でした。
今回新装開店されていたのは、
100円ショップやマッサージ店やネイルサロンなどでしたが、
大きなアクセサリーショップなどは店仕舞いされていました。
社会風潮がそのまま地下街に反映しています。
京都は観光都市ですが、
その観点からは金沢の地下街のような「京都らしさ」は皆無です。
地下街には絶対に店舗を構えないというブランド店舗があることは、
ある種のブランド・アイデンティティ・デザインポリシーです。
それでも、
この地下街から寺町通りへの観光プロセスが全く思慮されていません。
そして、今、最も恐れることは、
地下街にまでおよぶかもしれない天災への
防災対策デザインがあってほしいということです。
商店街・地下街は今世紀には大変革してしまうことを想像しています。
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