11月 16th, 2013 Posted 12:00 AM
阪大を定年退官したこともあり、指導教官=副査として、
この論文=論考と論察に6年間関わってきました。
機械工学専攻においての教授たちの様々な研究査察は、
今回もおそらく国内では大変に厳しく、
かくいう私も本人以上にこの論文を幾たびも読みました。
私も学位取得ではもういらないと思うほどの厳しさを受けました。
論文の構成は学域として完成された論考と論察はシンプルです。
背景・緒言、方法、結果、考察、結論・展開で構造化できます。
この論文におけるテーマはあくまでも「記号論」を引用し、
デザイン造形されたいわば秀作73点を数理論的に解釈されました。
デザイン造形は「かたち=形態」に集結します。
「かたち=形態」は、「ことば=言語」化できます。
この形態が言語化されれば「記号」として、その解釈は、
ソシュールによって論考の手がかりを引用可能でした。
したがって、造形言語はデザイナーが造形意図をあたえることで、
「デザインする」という意味の核心であるデザイン意図であり、
形態言語はその意図により「デザインされた」内容を意味します。
この意図と内容を「デザインする」・「デザインされた」という、
記号論的な解釈を数理論的な数式で解釈の論察を試みました。
73点のデザイン製品を数式的な解釈は、工学的な論考として、
5名の学位保持者たちの予備審査によって、
ようやく大阪大学大学院は「学位授与」資格に至りました。
あとは工学研究科教授会での認定に至ります。
私にとっては3人目の工学博士をデザインの世界から生みました。
かって私自身も、
学位授与式での学長からのメッセージがいつももどってきます。
それは、「ようやくこれで学域の研究者として発言が許される」、
その立場が社会的な専門学域者としての資格=博士号です。
この学位取得者はこれから、デザイン+エンジニアリングを融合し
私は「テクノロジスト」として「デザイン工学」に、
果敢に挑戦をしていってもらいたいと思っています。
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11月 2nd, 2013 Posted 12:00 AM
私は手紙を書くことが大好きです。
しかし、ついつい書き留めていることが多くなりましたが、
いっぱい書きました。
高校時代の同級生、日本でも高名で大好きな陶芸家の先生、
デザイン評論家の先生、有名な建築家の先生はじめ、
同輩である伝統工芸の打刃物作家
それれぞれに書き終わることができました。
手紙を書くことでは、亡父には本当に感謝しています。
それは小さい頃から、毛筆と万年筆はとても訓練されたことです。
ともかく美しい文字を書くことでは、たびたび叱られましたが、
正直、私が自慢自負できる特技の一つだと思っています。
万年筆もどれで書こうかと迷うほどコレクションがあります。
便せんも選び抜いた用紙を使っています。
それだけに自分は「文字」「筆記能力」には強く拘っています。
だから、本当ならなるべく電子メールは辞めたいと思うほどです。
手紙用の印鑑にも拘っています。
まだ書かなければいけない人たちがいますが、
今回もこのブログに「手紙書き」の心地よさにつつまれたので、
写真を撮り、こうしてブログにもしておきました。
その大きな理由は、「手紙」というメディアに自分を残すことは、
あらためて自分にとって重要なことだと再確信したのです。
万年筆と用紙と、それぞれの相手への「ことば」を
まったくの「自分流」にすることができることです。
この感覚はとても大事だと思うのです。
父が生きていた頃は、海外に飛ぶときには、必ず、私は、
乗った飛行機の便せんをもらって、父に手紙を書きました。
それはおまじないでした。
万一、海外にいても父には何事も無いようにという願いでした。
そして、帰国すると、父は手紙文字の批評をくれました。
そんなことを想いつつ手紙を書くことで充分に癒やされました。
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6月 10th, 2013 Posted 12:00 AM
美術学校には入ったけれど、油絵を描く力もなく、
まして、美術といえば、セザンヌは好きだけど、ピカソはなぜ?、
という私には、「現代美術」?、美術がなぜ表現手法?でした。
その私に「ことば」で、心から美術・建築・音楽までを
最も理解させていただいた人、それは「宮川淳」でした。
もし、世界で最も最高の出版物は、彼の「遺作全集」です。
そして、この著作を読んでも分からないとするなら、
もう一度、自分の知性そのものを疑うべきだと今なら言えます。
だから、私がデザインという世界への道筋は、
彼によって形成されたと確信さえしています。
当然、私の「プラトンのオルゴール」の一人であり、一台です。
私はこの作品には、回る円錐形と赤いLEDとを使いました。
音楽・ビートルズは「MOTHER」でした。
彼は客死しました。
そのニュースを聞いたときに、私の体が沈んでいく感覚でした。
彼自身のデザインに対する一節は、
私には冷徹で空々しさしかありません。
その空々しさを打ち消そうとして生きてきた気がします。
彼の客死を評論した文章はほとんど読んだと思っています。
私は「ことば」の評論が、網膜に映る美術あるいは芸術を
これほど明快にした人物はいなかったとさえ思っています。
私が、敬愛する倉俣史朗氏を評論しようとしたとき、
そのテキストは彼の著作を何度も読み返しました。
私は、自分のデザインの評論は、
必ず彼の網膜が紡ぎ出す「ことば」だったら、
どのように評論されていただろうと思うことにしています。
それは、他のデザイナーの作品・製品・商品、
そしてそのモノが日常生活で位置することも、ことばになります。
だから、形態はまさに「言語」になりうると考えるのです。
おそらく、この抽象的な文章は理解してもらえないでしょう。
それなら、はっきりと言い切れば、
デザイン・建築・美術・音楽などに対する、
あなたの知性の再考を私は求めます。
デザイナーなら、なおのこと、
あなたにデザインの才能などあるわけがありません。
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5月 10th, 2013 Posted 12:00 AM
4月から、大阪大学大学院を一旦退任し、
「危機管理工学プロダクトデザイン寄附講座」を開設しました。
その基本となるように危機管理デザイン工学を
定義可能かどうかを、どこか学会に論文提出を考えていました。
幸運にも、日本機械学会誌から依頼論文をいただきました。
私にとってと講座学生にも、
これは大きなチャンスになりました。
依頼論文は4頁でしたが、
デザインと機械工学、この二つの学域を「学際化」論にしました。
連休前には準備論文を殴り書きしたら6頁にもなってしまい、
大慌てでこれを削り落としながら、
かえって、論旨を短くすることが出来ました。
そして、その論旨を図解化することや、
図解をしながら、再度論旨の要点をまとめることに繋がりました。
韓国から帰国して、
あらためて、原稿締め切りを確認したら、
当日が締め切りということで、またもや大慌てになりながら、
自分を集中させて取り組みました。
まだ描き終えていなかった図解も、論旨検証をしてまとめました。
一応大学を退任して、特任教授という立場になったからこそ、
今年は正月から論文を書くことができたのかもしれません。
正直、大学退任時期になったこともあって、
いくつかの学会を退会しましたが、
残っておくべきだったかもしれません。
もっとも、今、寄附講座選任での博士後期課程学生もいます。
このところ、論文作成に向かいながら、
「デザイン」は、科学=知識体系=分科学の統合に対して、
学域の接着剤のようなものだと実感し直しました。
なんだか、落ち着いて、これまでのデザイナー・大学人、
この二つの実体験を「ことば」の集大成=論文化可能です。
私に残された時間を常に意識するようになりましたが、
かえって、次世代、次・次世代に書き残すこと、
本当に増え続けている気がしてなりません。
私のこれから大学での大きな役割は、
「学際化」するデザインの実務だと思っています。
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3月 8th, 2013 Posted 12:03 AM
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3月 6th, 2013 Posted 12:00 AM
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3月 5th, 2013 Posted 11:57 PM
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1月 24th, 2013 Posted 12:00 AM
「機能的なことがデザイン」とか、
「機能美の追求がデザイン」とよく言われます。
40年デザイナーでいる私の結論は、
機能とデザインの関係は、
デザインの本質の一部でしかないということです。
グッドデザインに関する「祝祭のあとに」という私の論文*で、
「性能・機能・効能」の構造論を述べていますが、
端的に表現すると、基本図形である「三角形」を事例にすれば、
三角形には、図形でしかないにも関わらず、
三角形には様々な「性質」が備わっています。
三点が三辺で結びつけられているだけの「かたち」ですが、
この「かたち」をシンボルにするだけで、様々な意味を与えたり、
意味されていることが人類はいっぱい蓄積してきました。
最も論理的に三角形の「性質」は、
数学や幾何学で、公理としてまとめられています。
それらは数学・幾何学に任せておき、
その性質を運用することで、
三角形の「性能」を産み出すことが可能です。
私は、特に、丸・三角・四角を自分の造形要素として
徹底的に利用してきました。
だから、ブルーノ・ムナーリは、丸・三角・四角、
それぞれの性質をデザイン、あるいは造形として語っていますが、
私なりの図形の「性質」から「性能」を書き残そうと考えています。
それは、三角形を描くだけで、
「発想」をより強化する手法があるということです。
これまで、大学では勿論ですが、
企業研修での「発想法」として紹介してきました。
今、流行しているマインド・マップは
私は全くつまらない発想法だと思っています。
むしろ、図形、丸・三角・四角という「かたち」に「ことば」を乗せれば、
それが、丸・三角・四角の「性質」を
視覚的にシンボルとして認識することが可能です。
このシンボル化がそのまま「性能」を持つということになります。
そして、この「性能」あるシンボルが、
何らかの働きや刺激を与えることが「機能」です。
そして、性能が機能を果たすことで、
「効能」という社会的な存在意味が生まれてくるということです。
ちなみに、三角形を配置するパターンはいくつあるでしょうか?
ずばり、四種類です。
ということは、「三角形には基本的に4つの性能がある」ということです。
*
「2003年度グットデザイン賞 審査総評
After Celebration – What as Demonstration is a Good Design
祝祭のあとにー論証としての何がグットデザインであるのか」
(『グットデザインアワード・イヤーブック GOOD DESIGN 2003 2004』、
日本産業デザイン振興会、2004年1月、4-9 ページ)
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1月 8th, 2013 Posted 5:48 PM
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1月 6th, 2013 Posted 12:00 AM
東大経由で、自動車技術系論文誌からの依頼論文。
今年最初に提出予定です。
まだ、作成途中ですが、
私は論考全体の概要はいつも図解表現をしてしまいます。
与えられたテーマは、「形と性能」です。
そして、デザイナーにその考察を求められているわけですから、
当然、「形」デザインから「性能」を、という依頼意図はみえています。
私自身は、カーデザインを自分の作品として持っていません。
が、カーデザイナーは教育し、
自動車企業には教え子がデザイナーになってます。
ヨーロッパに企業留学している連中もいます。
無論、車は趣味の対象ですから、
これまで、「男の子として」それなりの車は所有し使用してきました。
運転手がいてくれた時期もあります。
ロングリムジンからスポーツカーまで10数台は乗ってきました。
現在はベンツ550SL、一台だけになりました。
ワイフと二人だけの外出用です。
さて、この論文の思考下敷きは「製品記号論」ですが、
最も強調しておきたいのは、ガソリン車からハイブリッド車、
そして、電気自動車へと車両動力系がまったく変わってしまいましたから、
基本的な性能は、空力特性や走行・運転・収納などは当然ですが、
情報社会において車は、情報機器・情報装置に変身しています。
さらに、デザイン対象としては、
か+たち=化+質とかた+ち=型+値という漢字語句から読みとる、
性能・機能・効能と関係、
すなわち、構造論も重大だと思っています。
したがって、
多分、図解などや資料まとめで一挙に書き上げようと思っています。
今年の仕事始めは、論文や編集、「ことば」からスタートしています。
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