kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘ボールペン’


「机上の一本はスケッチ用万年筆」


   


     8月 19th, 2012  Posted 12:00 AM

正直、私の万年筆コレクションはそれなりです。
万年筆は中学入学祝いでパーカーをもらいました。
以来、大人になったらこれをコレクションにしようと思っていました。
フリーランスになってから、いつも選びに選び抜いています。
二人のアドバイザーがいました。
一人は万年筆専門店の女の子、店員さんでした。
万年筆談義が徹底的にできるとともに、
彼女にはお店を持ってもらいたいほどの知識があって、
教わることが多かったのですが、
今は辞められてしまいました。
残念ですが手紙をいただきます。無論、彼女は万年筆手書きです。
インクの選定がまたまた優れてイイのです。
今、購入するお店の社長さんからは、
笑いながら「バカですね」とか言われながらも、
真剣に選んで薦めてもらい、さらにコストダウンをしてもらっています。
もう一人いました。
文具大賞時の専門誌編集長には肝心なことを聞き出すことができます。
ともかく、
「スケッチ用万年筆」を発注して、条件がありすぎて断られました。
その時彼女が薦めてくれたのが
「DELTA ラ・チッタ・レアーレ1KS」でした。
DELTAといえば、ある映画で使われてブームになったブランドです。
さて、インクはDELTAもいいのですが、私としては、
どうも、スケッチ用に、パーカーのインクが向いていると感じます。
このところ、スタッフからのスケッチには、
ほとんどこの万年筆でラインやコメントを入れています。
自分の思いつきは、ほとんどはボールペンですが、
ようやくペン先が馴染んできたようです。
パーカー5thは優れたアイディアでしたが、
これよりは、DELTAのこれの方がスケッチに向いています。
「スケッチが描ける万年筆」は、
自分でデザインすべきかと思っています。


目次を見る

「ボールペンスケッチのためのモレスキン」


   


     5月 27th, 2012  Posted 12:00 AM

2006年に金沢21世紀美術館に作品が永久収蔵されました。
その時に、私はスケッチを残していない事を諭されました。
私はアイディアスケッチなどは「製品化・商品化」終了で、
そうしたメモなども廃棄してきました。
もう「製品」が残ればそれでいいとさえ思っていました。
無論、スケッチは毎日何らかを描いてきた40余年です。
したがって、様々なスケッチブックやノートには、
まったく一貫性がありませんでした。
そんな折りに、
モレスキン社企画でスケッチ展への出品を求められました。
その時に、モレスキンのジャパニーズスタイルを使ってから、
今後はこれに何でもスケッチはボールペンで描き、
それから色鉛筆で着彩することにしました。
だから、いつでもモレスキンとボールペンは持ち歩いています。
当然、描きやすいペンや色鉛筆に神経を尖らせてきました。
そして、iPadで最近はスケッチも「身体化」しています。
それだけに、iPadのスタイラスペンの書き心地は、
ボールペンとの経験が基本になっています。
左から、

  • グレタガルボ(モンブラン)とても美しい曲線
  • デユオフォールド(パーカー)重量バランスとシルバー仕上げ
  • オペラ ブルーベリー(ビスコンティ)素材開発の素晴らしさ
  • ショートサイズ(モンブラン)

これらが気に入っています。
ボールペンのリフィールはそれぞれのメーカーですが、
持ちやすさや重量バランスで指先感覚との相性がいいのです。
だから、スタイラスペンにもこの感覚を求めています。
さて、このスケッチは、
最近作の有田のティーカップ・プラチナ釉薬仕上げを意図。
間もなく販売開始になります。

モレスキンは一冊描き上げたらワイフにプレゼントしています。
ひょっとして、私があの世に逝ったら、
高額な「芸術作品」になるかもしれませんから・・・。


目次を見る

「Sketching way with a iPad & a Stylus」


   


     5月 25th, 2012  Posted 1:16 AM

本日夕刻、AppleStore銀座にてイベントです。
iPadでスケッチを描くこと=発想手法を実演し、
Stylusを身体化し、アプリとして、
SketchBook-Proの使い方・Tipsを紹介します。
私の選んだStylusで、
ブルーシリーズをなぜ選んでいるということも、
さらに、使いこなしとしては、

  ● デザインストロークからスクリプト
  ● RGB色彩空間とHSB色彩空間の関係
  ● スケッチストロークとして書道入門

この三つをメニューにしています。
自分のiPadとStylusPenを持参していただければ、
デザインスケッチが「発想」のツールになる、
そんなことも紹介したいと考えています。
正直、私はボールペンとモレスキンが
日常的なスケッチツールですが、
iPadも今では十分なスケッチからレンダリングまで
そうしたデザイン実務のツールになってきました。
おそらく、話したいことはいっぱいあります。
とりあえず、いわば「基礎編」ということで
参集していただけることを期待しています。
実際の立体物を描き込んでいる時間はないので、
球や立方体や円筒などを正確に描けるコツも
教えることができるでしょう。
さて、このブログを書き上げたら、
テキストにするためのKeynoteプレゼンは、
これから制作準備します。


目次を見る

「iPhoneとmemoの関係が進化し始めている」


   


     5月 21st, 2012  Posted 12:00 AM

多分生涯、メモ帳と自分の関係は変化の連続でしょう。
メモ帳はどれだけ様々なモノを使ってきたことでしょうか。
最近では、iPhoneとメモ帳にある関係が生まれてきました。
とりあえずですが、
SHOT NOTEとKYBERを使い始めています。
断言できるのは、KYBERはコストパフォーマンス的には、
それほど推奨できるモノではないと思います。
Smartpenというマーカーで、メモや切り抜きを囲んで、
iPhoneに取り込むというのも試してみましたが、
私には日常的なツールにはならないでしょう。
まあまあ簡単で使えそうなのは、SHOT NOTEでしょう。
そして、私にとって重要なのは、
その時に使うボールペンです。
それは私のコレクションの中では
カルティエ「パラジウムフィニッシュ・ブルーレジンカボション」です。
結局、ボールペンのペン軸は、純正よりも国内のあるメーカーが、
そのインクが最も優れています。
SHOT NOTEという商品化に対して、
このボールペンについては、
現代の「商品価値・価値商品」を見つめ直す
一つの重要なモチーフだと考えつつ、
iPhoneで変化するであろうmemoがまた変貌していくことでしょう。


目次を見る

「消える?という精美さ・日本のモノづくり」


   


     5月 14th, 2012  Posted 12:00 AM

先般も評価しました。
わが国の文房具、そのモノづくりは最高です。
この「消えるボールペン」という発想と商品化は、
日本人のモノづくりゆえの繊細さと気配りが、
とても行き届いていることを証明しています。
日本の筆記具は西洋的な影響の中で進化してきました。
つまり、西洋は「指先より硬いこと」=スティルスが
原型=STYLEになっています。
しかし、東洋は「指先より柔らかいこと」=筆形式です。
まさにボールペンの発明は、
万年筆を超えた物だったと言っていいでしょう。
そして、万年筆にしてもボールペンにしても、
そのインクは消えること無くペン方式だけが進化。
それを日本人は「消す」という形式を付加したわけです。
文房具の中でもインクは、
地方でも優れたインクが開発されているというわが国です。
このことはマニアなら熟知していると思いますが、
私はこの「消えるボールペン」は、
世界の筆記具の歴史を覆す事件だとさえ思います。
そして、問題はここに潜んでいます。
たかだかボールペンですから、
その市価は限定されて安価なままです。
もっと商品価値を高めていく戦略が欠落しているのです。
4色の消えるボールペンを見つめながら、
私はしみじみと考え込んでしまいます。
このボールペンをタキシードの胸ポケットには入れられません。
ボールペンと言っても、
ブランドモノなら数十万円の物もある商品価値世界です。
私は改めてこれからの日本のモノづくり=商品価値づくりに、
この商品価値世界判断づくりが必要だと考えます。
たかが「消えるボールペン」の価値幅をされど拡大するべきでしょう。
ボールペンに限らず、
日本のこうした詳細で緻密で精美なモノづくりを
再考する時期にきていると判断しています。

目次を見る

「大好きな色鉛筆・最近のお気に入り」


   


     5月 5th, 2012  Posted 12:00 AM

「作家は万年筆だが、イラストレーターは色鉛筆」。
色鉛筆の方が毎日楽しそう。
浪人時代にそんな判断をしました。
母は、「ドクター(私の真のねらいはいづれ作家)が血を見て暮らすより、
絵の具を見て暮らす方があなたに向いている」。
結果、医学部受験(しましたが)から美大に転向して今日があります。
したがって、色鉛筆は必需品であり、大事な物です。
そしておそらくほとんどの色鉛筆は試してきたと思います。
常に、今最も気に入っているものは必ず持ち歩きます。
今は、この三つが最高にいいと評価しています。
最近は、幼児が使っても「折れない色鉛筆」が出てきました。
日本ならではの物です。
ただ、色合いや色相がそろっているのは、外国製になってしまいます。
100色や限定品などの高級品もありますが、
私はむしろ、「即スケッチに」となる色鉛筆が大事です。
そして、ボールペンとの相性を最も気にしています。

目次を見る

「iPad Stylusを使うと分かること」


   


     2月 24th, 2012  Posted 12:00 AM

最近またスピードライマーカーやコッピクも使っています。
それは学生やインハウスデザイナーにマーカースケッチを教えるためです。
そして、iPadでスケッチやラフレンダリングも実演して見せます。
iPadのスタイラスは自作もし、
さらに市販されているモノは随分試しました。
最近は、oStylusが進化してoStylus DOTになりました。
自分なりに、導電ウレタンを仕込んで、
タッチ感覚の柔らかさなども試してきました。
最もタッチ感覚を確かめるのは「草書体」を書いてみるのが一番です。
アップル銀座で、私なりの使い方、
コツを実演して見せたいと考えています。
SketchBook-Proがプロダクトデザインでは使いやすいと思っています。
やがて、コピックで紙に描いていくのは
一つの表現形式にはなるでしょう。
が、おそらく、iPadの進化とともに、
スタイラス一本で、鉛筆からボールペン、
マーカー、水彩表現まで完璧になるでしょう。
実際はもうそうした表現形式は統合されていると判断しています。
それは、書道がスタイラス一本で確実にまかなえるからです。
アップル銀座でショーアッププレゼンする企画を進めたいと考えています。

目次を見る

「パーカー『5th』という筆記具の進化」


   


     12月 17th, 2011  Posted 12:00 AM

高校入学の祝いに、父から腕時計と母から万年筆、
なんだか大人になったと自覚したものです。
だから、腕時計、万年筆への物欲は激しく収集癖になっています。
万年筆について、時計について、
私は講演をしてみたいと思うほど丹念に集め追いかけてきました。
そろそろこの収集癖を辞めるとワイフに宣言し決意もしています。
けれどもいつも10本は持ち歩いています。
母からもらった最初の万年筆が「パーカー」でした。
当時、海外ブランド万年筆で知っている唯一のメーカーでした。
とりあえず今なら、パーカーのデュオフォールドシリーズなら、
写真の右二つが所有感を満たしてくれるモノです。
そして、パーカーの万年筆とボールペンもローラーボールなら、
この二本を選別しなければ「センス無し」ということになるでしょう。
そのパーカーが、『5th』シリーズを出しました。
21000円という普及品タイプです。
21世紀の筆記具を革新したものと評価しています。
すでにこのシリーズは売り切れ続出であり、
知っている連中はすべてを収集しているようです。
デザイナーの私からすれば、「やられた!」と思います。
このような解決方法があったのだということです。
国内メーカーも100年になる企業があります。
サミットなどの国際会議では、万年筆は重要な記念アイテムです。
洞爺湖サミットでも国内メーカーのモノが記念品になりましたが、
私は、ペン軸の陶磁器仕上げに愕然としたものです。
日本のボールペン技術進化は世界でもトップクラスですが、
最高級品ということでは、発想が閉じこもっています。
万年筆のペンでもなく、ボールペン、ローラーボール、
そのようなペン先を5thシリーズは革新させました。
万年筆でも1億円のモノがあります。
2000万円クラスは毎年新作が出てくる世界です。
しかし日本ではありえません。
そこまでのブランド力がメーカーにはないでしょう。
技術があってもブランド・デザイン力が育っていないからです。
無論、インクの質も日本は最高級のモノがそれも地方にありますが、
このようなペン先、インク、書き味などの革新はありませんでした。
おそらくこのシリーズの登場で筆記具は進化をまた開始するでしょう。
万年筆でスケッチをと考えていましたがこの発想に至りませんでした。
ということで、収集品について書かないつもりでしたが、
このシリーズは書き心地を試されるといいでしょう。

目次を見る

「手描きスケッチのツール」


   


     10月 30th, 2011  Posted 12:00 AM

私のデザインは「スケッチ」で始まります。
「スケッチ」は、手描きに終始しますが、
「手」で発想しているという感覚は身体化しています。
手が「脳」になっているという感覚です。
そして、iPadでのスケッチもほとんど身体化しました。
ソフトはSketch Book Proですが、
これまで鉛筆・ボールペンの感覚がスタイラスに届かず、
スタイラスの自作から、ほとんどのスタイラスを試し、
さらに改良をしてきました。
デジタルペンも市販されているすべてを試しました。
最近、WacomのInklingとO-Stylusで、
iPodとMacbook Air 11″がすべて連動して、
「スケッチ」は手書きからデジタルにほぼ連動しました。
ともかく自分の持ち物すべてに幼稚園児のごとく名前を入れ、
「青色病」とワイフに言われるほど、
持ち物は青色に拘っています。しかも名前を入れます。
スタイラスとデジタルペンについては、
さらに深く伝えたいことがあります。
「スケッチ」と「草書」をほぼ、私の身体感覚で、
手から平面に移行させるには、様々に工夫と訓練もしてきました。
書道は父の指導でそれなりに草書もマスターしています。
本格的な「草書体」で手紙を書いても読むことがすでに困難です。
しかし、「ひらがな草書」は「スケッチライン」に、
確実に繋がっていると私は思っています。
しかも、Inklingは、デザイナーが最も望んでいたツールです。
紙に描いたラインの「カスレ」が見事に反映します。
タブレットより、ともかく紙にボールペン感覚で、
確実にそのスケッチは、パソコンソフトにリンクします。
これなら、老後は「スケッチ三昧」で過ごせそうです。
しかも、書道も、スタイラスでほぼ確実に、
身体化している筆先とiPadに再現が可能になりました。
「草書」は子供の時に父が、
とても厳しく指導してくれたおかげです。感謝しています。
ジョブズ氏が「カリグラフィ」を学んだことが、
彼の美学的感覚を磨いたのだろうと思います。
私もカリグラフィは、美大時代に鍛えられました。
ともかく、カリグラフィとは「美しい文字を描く」ことです。
よって、日本人にとって書道での「草書」を書く行為、
それは「スケッチ」でのライン描きにぴったりと連結しているのです。
ともかく、「スケッチ」や「書道」などのツールは、
すべて収集しなおかつ、
すべからく使いこなしてしまいたいほどです。

目次を見る

10月4日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     10月 4th, 2011  Posted 10:49 PM

10月4日 先負(壬辰)

コンピューターも、
一本のボールペンにすぎない。
されど、
このボールペンは進化している。

だからこそ、
常にこの進化と自分を
寄り添わせていく必要がある。

『デザインという先手』志


目次を見る