kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘筆記具’


『教えるということは、教わることだ』


   


     10月 29th, 2019  Posted 12:00 AM

カーボンファイバーの新作椅子発表会には、色んな人が来ました。
かって、三省堂で「広報誌のエッセイ」の私の担当だったT氏でした。
ほぼ20年ぶりに再会、その後インタビュー記事を書いてくれました。
インテリア雑誌とは違って『東京人』です。
カーボンファイバーのイスも取り上げてもらいます。
彼が長年買い足して愛用してくれている
私のメガネMP-690の写真も掲載予定です。
このモデルにはコアな目利きのファンが多いのです、感謝。
主題は手描きの力。
それは、私のデザインの起電力そのもので、
簡単に言えば、デッサンを重ねて訓練していれば、
頭を無にした状態で、手が起電力となって発想が生まれるのです。
そんなスケッチや、私の筆記具を見せました。
取材を受けるとあちらこちらに散らばっている道具たちが
一堂に会しなんとも圧巻です。
ライターの彼は今では母校の非常勤講師をしているらしいのです。
22年間も大学人だった私が彼にも言いました。
「教えるということは、教わることだ」には、
彼からも大賛同を得ました。
おそらく彼の「文章の構成力、編集力そしてインタビューの作法」の講義
それをを私も聞きたいなと思います。


目次を見る

『M805・ブルーデューンと手づくりボールペン』


   


     7月 10th, 2019  Posted 12:00 AM

かなり考え抜いた万年筆・ペリカンのM805/ブルーデューンで、
ともかく、極細文字をいつも練習しています。
しかしまだ、これまた考え抜いた日記帳に、
この極細文字で書き始めることを踏み切れていません。
最初の数頁の筆入れが肝心だからです。
銀色のボールペンは、いつも私が持ち歩いているのですが、
「米国の作家手づくり」です。
私の筆記具のコレクションや趣味性を知る店員さんからのお薦めでした。
いつも、最低限これを持ち歩いています。
万年筆の選択をこれだけ迷いに迷っている私は、異常でしょう。
ボールペンは太文字を入れ替えています。
最近では、洋服も黒ばかり同じスタイルと
決めている友人が周りに増えています。
彼らは、洋服なんてという意見が多いのですが、
私は真逆、あまり世の中では着ることがないスーツが多いのです。
時間とお金と脳を使って服や道具を身につけています。
無駄や浪費も大いに結構、「終活」無縁を決めた私。
実際、万年筆もボールペンも、手にはたった一本しか持てないのに
趣味として約100本は超えているのです。
まず私の筆記具は経が14mmが標準であり、
ボールペンもこの手づくりがとても手に合っています。
それこそ、15mmだと手になじみません。
インクも色々ためしますがほとんどの万年筆はブラック色です。
ただしメーカーが色の仕様を変えると過敏に反応します。
ボールペンは細字と中字で、スケッチは太文字が大変役立ちます。
ともかく、書くことと描くことは、
私のファッションの大きな構成なのです。


目次を見る

『新素材の「ソフトリング」だから紙の質も見分けたい』


   


     5月 28th, 2019  Posted 12:00 AM

2015年に日本文具大賞を獲ったノートでした。
それ以来、これが自社開発のプラスティックで綴じた
「SOFT RING(商品名)」で、
新たなノート仕様に変わったことが
革新=問題解決と価値創りだったと私は思っています。
ノートは長い間、単なる糊着から金属製で綴じられていました。
ところが、とても柔らかいプラスチックのリングに変わり、
紙と鉛筆・筆記具を扱うことで、
手と筆圧をやさしく柔らかく受け止めています。
新たな材質に変わって、これはデザインの大きな革命でした。
開閉、全開がスムーズで、
柔らかなリングを横断して書くことにもストレスがありません。
しかし一方、日本の紙質が変わってきているという問題があり、
日本製から中国製にして、紙の質が退化し、
変わってきているのです。
その質の差違が判断できないユーザーもいるでしょうが、
海外製のブランドでも
商品ブランド価値が知られるようになった段階で、
原価を下げるために中国製に退化していることがあります。
リフィルをいつものように購入するときにも
しっかりと紙質を確かめないといけません。
紙質を分かっている人達は、
ちゃんと区別をつけてそういったブランドを見ています。


目次を見る

『ゴールドの手帳と万年筆に決めたから笑顔』


   


     11月 23rd, 2018  Posted 12:00 AM

どうも手帳と手帖を使いまくっています。
が、本の数頁で終わり、次・・なのです。
ノートや手帳はもう絶対に買わない、と思っていても。
年間の手帳もスケッチブックもシリーズで揃えていたならとも思うのです。
洋服や道具類を選択する時間が無駄だと排除する人たちも多いようですが
私は真逆です。
そして万年筆はもう約100本ぐらいになってます、
終活でどうしようかという年齢です。
手帳は入院するとやたらと書き込みをします。
もう、来年の手帳は絶対にコレだというのを見つけていて、
ここ数年はスマイソンから選んでいます。
そして、ゴールドは初めて見つけたのです。
GINZA SIXのお店で、普段は直感力と即決力を行使するのに、
今回の選択はじっくり時間をかけました。
スマイソンは英国王室御用達の格式がある薄いブルーと金縁。
スマイソンもモンブランのように、筆記具、鞄、様々なモノを発売しています。
私なりには、このブランドの手帳や便箋のファンです。
そして、私はこの手帳には、名作のパーカーDUOFOLD GOLD、
しかも細字がいいと決めました。この組み合わせとっても相性が良い。
これで私の趣味である万年筆が日常具になるのです。
ともかく年末になると絶対にどこの手帳がいいのかを選びます。
スマイソンと、もう一つ選んだのが文具大賞の授賞作品日本製です。
ノックスブレインルフトは、
とてもスマートなシステム手帳で私のカバーはブルー。
この2冊に決定です。
どう見ても手帳と万年筆がピッタリとおさまった感は
私にとっては年末の大きな決定なんです。
正直、手帳と万年筆は朝見ると、自分としては笑顔になります。


目次を見る

『どうしても万年筆と達筆を求める』


   


     1月 5th, 2018  Posted 1:51 AM

私のブログではとても筆記具が登場してきました。
そんなこともあって、昨年末に最も使ってきたこの3本を紹介、
そう決めていたのです。それには理由があります。
まず、左2本は雑誌取材のお礼に、それぞれのメーカー最新で欲しいモノ。
それを伝えたらいただくことが出来たのです。
右の白は、このメーカーなら当然あってしかるべきが無くて、
もう100本以上もある万年筆に加えるべきか迷いながらも、
どうしても、これまでのシリーズではやれなかった「白表現」が見たくて、
これがその理由でした。
最近、世界的にも万年筆の新製品は一時、10年前に比べると、
相当に商品開発ができてきていないと判断しています。
二つの理由が考えられます。
それはデジタルでのメモが相当に増えてきたこと。
もうひとつは筆記具での自筆表現での達筆という人間がかなり減少なのです。
私のある基準には、達筆を求めます。
文字は和文であれ欧文であれ、絶対に上手いこと、
それは「美しい文字 」が自筆であることです。
これを私は書にも強く求めているのです。
無論、達筆が必要条件と言っていませんが、
達筆という十分条件は、子どもの頃から私は父、祖父に求められてきました。
また、メガネのデザインでの素材では万年筆との関係を見てきましたが、
最近は万年筆の技術進化も停滞していてメガネと万年筆は遊離しています。
今年は、おおよそ20本を月毎に変えて使おうと考えています。
いづれ、この私の万年筆コレクションには大きな理由があったこと、
それをデザインのために書き残したいと思っています。
自分デザインの万年筆?
これには正直、万年筆のインクとペン先にまだアイディアはありません。


目次を見る

『デジタルスケッチを学ぶためには書の世界から』


   


     10月 15th, 2017  Posted 11:45 PM

あなたにとって何が美しいですか?、ともし尋ねられたら、
ここ2年ほどは空海の般若心経で、空海の書から編集された名筆集、
これをあげることにしています。
書く・描くという行為を私は職能にしてきました。
だから鉛筆から毛筆までは常に自分には修行のごとく取り組んできました。
それは私の生涯にとってとても幸運なことであったと思っています。
鉛筆、ボールペン、万年筆などは、私がよく言うのは、
ペン先は指を傷つけるほど硬いことです。
ところが毛筆は、指先には心地よいほど柔らかいのです。
幸いにして美大では鉛筆デッサンからあらゆる筆記具と対峙してきました。
それでもやはり書の世界観は、私自身が望んで永平寺第一道場:吉峰寺で、
中学・高校と学ぶことができたのです。だから、
これは私の手先指先の運動神経は鍛えられていると確信しています。
そして最近、私はデジタルスケッチも徹底して訓練してきました。
ところが、iOS11になって、私が最も訓練してきたSketchbook Expressが
もはや使えなくなってしまいました。
しかし今、もうや通常となっているSketchbook Proの訓練をしています。
そのためには、Apple Pencilに慣れなければと思って、
このトレーニングには、書の訓練が私は最適だと推薦もしているのです。
結局私は自分の最も持ちやすいApple Pencilにカバーを使っています。
それは毛筆ではそれこそ面相や矢立での筆の細さまで慣れていますが、
最も万年筆の太さで最適な経14mm、これに適合しています。
今しばらく時間はかかるかも知れませんが、年内にはプロとして、
さらにデザイナー教育者としても
紹介し手本になりたいと自分に言い聞かせています。
ともかく、理由は簡単なのです。それは空海の筆跡を学びとり、
それをデザインスケッチ、それもデジタルスケッチにしたいということです。
結局、自分にとって主観的にも客観的にも「美しい」ことは、
デザイナーあらば身体化することだともっと断言したいからです。

* 『美しい運筆を体現すれば美しさがわかりそうだ』
* 『書そして運筆なら空海がお手本になる』
* 『運筆練習に最適な学習ノートの充実ぶりに感嘆』
* 『私のデジタルアイディアスケッチとスタイラス』
* 『デジタル表現の基礎は、烏口や用紙感覚も必要』


目次を見る

『現時点でのスタイラスペンの評価』


   


     8月 16th, 2017  Posted 12:00 AM

「弘法筆を選ばず」というこの解釈を
私は二通りでみています。
最適な筆を見いだしていることと
どんな筆でも理由づけが必要という反証です。
私は何しろデザイナーであり、筆記具について、
特にこのところデジタルスケッチでのスタイラスや電子ペンでは、
最初は自作してまで確認するほど今使用ペンを選びぬいてきました。
iPad上でのスケッチ手法やそのカラーシステムは教えるほど色彩論を熟知。
さて、筆記具は決して簡便なモノは選ぶべきではないというのが持論です。
ペンのグリップ性では
φ7.5mmとφ14mmが人間には最適だと判断しています。
しかし、デジタルスケッチでは、
鉛筆・サインペン・マーカー・筆など全ての表現がスタイラスで決定です。
結局はApple Pencilでは直径をφ14.5mmにするべくシリコン?カバリング。
さらにはスタイラス初期の製品は
φ7.5mmで使い易くて未だに使用しています。
スタイラスだけでのデジタルスケッチは、
スケッチ(素描)からレンダリングまでが可能です。
しかし、これはほとんどフィニッシュワークで企画書向けであり、
基本的にはアナログでのスケッチブックやモレスキンのJapanese Styleを
使用することからデザインをスタート。
デジタルスケッチでは、描くことを拡大させたり、
左右利きゆえ両手で描いたり消したりがとても自由であることは確かです。
現在は、電動車椅子のスケッチは企画書向けのイラストとして描いています。
このデジタルスケッチとして最大の長所は、
拡大して部位や部品決定とともに、ここにはこの素材・モーターなどの
実装予想がとても可能です。
ここに取り上げたスタイラスではペンタイプはスケッチよりも筆記用として、
iPadの使用シーンにふさわしいと考えています。
いわゆる一般向けのスタイラスが日本文具大賞にも応募されてきますが、
ほとんどスタイラス・ペン先はOEM供給されたモノは評価は不可能です。
何しろ100円ショップにもあるスタイラスは使ったことがないからでしょう。
スタイラスはPadパソコンが増えたわりには進化しているとは言えません。
新しいスタイラスペンを求めています。
自分デザインのアイディアを試してみたいとすら思っています。

* 「このサインペンその物が美しい」
* 『iPad Airのスタイラスをまだ追いかけ、今の結論』
* ようやくPad上でのスケッチができる』
* 「ボールペンスケッチのためのモレスキン」
* 『iPadでのスタイラス先端が新たなペン先になった』


目次を見る

07月26日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     7月 26th, 2017  Posted 12:00 AM

07月26日 先負(甲寅)

発想の時の手元は
紙と筆記具、
だから、
紙にこだわり、
筆記具にこだわるのは
当然だ。

川崎和男の発想表現手法


目次を見る

『電子ペン?電子版?、モバイルとの関係性は?』


   


     4月 11th, 2017  Posted 12:00 AM

デジタル文具はどんどん進化しています。
私は電子ペンは常に追いかけてきました。
おそらくこれまでの電子ペンは全て試用し使用もしました。
しかし、満足なモノは無かったと思います。
もし満足していれば、常にそれを使ってきただろうと思います。
果たして、今度は海外のモンブランからのノートとペンですが、
デザインはペンにもいささか不満がありますが、
試用中ですが、まだとても日常の文具にはなっていません。
そうしたら今度は国産のモノが登場しました。
これはワイフが待っていたかのように使い始めていますが、
それを私は海外製と見比べています。
iPhoneやiPadと紙に書いたことがかなりスムーズにはなりました。
しかし、これでスケッチをとなると、
どうしてもまだまだの使い勝手です。
これは一つにはペンの問題があります。
万年筆コレクターである私にとっては、
ボールペンであっても、この使い勝手が一番重要です。
ようやくCCDで用紙は、普通の用紙でもOKになりましたが、
果たして、大きな問題はペン仕様にあると考えます。
たとえ海外製であってもこのペンではという不満があるそうです。
そこを考えると、国産のペンは比べようもなく
日本の万年筆やボールペンの廉価性に引っ張られているのです。
これは日本の筆記具の廉価性そのままだと考えます。
正直残念ながら、日本文具大賞の審査委員長としても
ようやくスレート=電子版とペンがiPhoneやiPadとの連関性ができましたが
この進化は方向が違うとデザイナーとして発言せざるをえません。
通常の紙に書けば、それがモバイルと適合するには
私なりのアイディアがありますが、これは内緒にしておきたいと考えます。
むしろ、私にはiPadProでの書道の法が優れています。
ともかく、この紙に書いたことがモバイル性と関係がでるためには、
まずは万年筆を見直してほしいと思っています。

* 『紙墨相発・電子ペンとノートとのインターラクション』
* 『電子ペンはすっかり日本開発が海外に負けている』
* 「現代文房具はどうして面白いのか」
* 『イコン=アイコンが明解なモンブランとペリカン』
* 『自分文房具の紹介をしながら語った取材でした』


目次を見る

『ペンホルダーある組み合わせの筆記具は自分表現』


   


     8月 28th, 2016  Posted 12:00 AM

自分にとって、筆記具、特に万年筆・ボールペン・ローラーボールは、
いつも組にして持ち歩いています。
それは自分なりのファッション性=スーツやジャケットとの整合性です。
そしてこれらの筆記具は全て優れた性能性・効能性・機能性が私判断での
選択眼の証拠でなければならないという考え方を表現しています。
たとえば、筆記具を選ぶときに、これらの筆記具を見せれば、店員さんの
筆記具知識は明確にしてしまいます。
理由は簡単なことです。
それは筆記具の歴史性をすべて知り尽くしていることを表しているからです。
これら筆記具を見せてこれらに匹敵する店舗の知識を確認出来るからです。
二本入りのケース色も、ファッションの原点であるTPO、
自分にとってTPOなどは決してファッション要因であることは否定ですが、
一般的にはわかりやすいからです。
最近はファストファッションの商品が一般価格になっていますが、
男にとってのスーツやジャケットにはペン差しがもう廃止されています。
自分にはこの傾向を悲しんでいます。
胸ポケットに万年筆を差し込むのはスーツに基本としては大失敗なのです。
夏は真っ白のこのペンの組み合わせには、
フォーマル性もカジュアル性も存分にあります。
これこそ、Consilienceな知性表現だと認識しています。

* 『ファッション誌で知ってさらに自分ファッション』
* 『持ち歩いてるペンたちが語っている文房四宝』
* 「景観への精神状況がそのままファッションに連鎖している」
* 「モードからファッションへ、そして遡及する記号の再生産」
* 「やはり、持ち物はブルーが基本」


目次を見る