10月 27th, 2016 Posted 12:08 AM
一般的にはPPMという、
市場成長率と相対的市場占有率の図表があります。(左)
おそらく、プロダクトデザイン教育においても当然ながら、
一般的なメーカー企業でも詳細に語られているのは僅かなことでしょう。
自分は、まず、現状の企業商品がこの図表(左)で、
いわゆる「金のなる木」Cash Cow、これによって企業成立の安全性を確認し、
もはや「負け犬」Dogという、商品価値が無くなっているモノを
どうするべきかを考えていわゆるデザイン戦略を立てることがルーチンでした。
「問題児」Problem Childは、常に企業には、
もう市場価値を失ったモノがあります。
これはこれまで、企業を成立させていた商品価値が失われたり、
やがてはバーゲン商品、あるいは廃棄する要素商品です。
さて、ここでの問題は、正方形の分割ラインが、
すでに誤っていることを明解にすることで、
商品による企業存在を「コンシリエンスデザイン」で視覚化可能なことです。
そしてもっと重要なことは、時代とともに商品価値での「スター商品」Starが、
どこにあるべきかを明確にすることだと考えます。(右)
いわゆるPPM=Product (Project) Portfolio Management、
プロダクト・ポートフォリオマネージメント、あるいは、
プロジェクト・ポートフォリオマネージメントが、
これからの新たな資本主義=公益資本主義で、
プロダクトデザインにどのような影響をあたえていくかという、
その提案を「KK適塾」で提示していくことになるでしょう。
重大なことは、スター商品=金のなる木商品を
見事に提示しているブランドが「ある=効能」企業の存在です。(右)
* 『「ブランド」論を語る無知なコンサルタント信ずるなかれ』
* 「ブランドを語る前に、ブランドマーケッティングの大欠点」
* 「C.I.デザインの源流としての思想」
* 「常に目周りは気になる」
* 『商品価値のための特徴と特長のイコン=アイコン』
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4月 18th, 2013 Posted 12:00 AM
身の回りをじっくりと見渡して見ました。
そして、とりあえず、最近使っているモノを並べて、
写真を撮って見ました。
やっぱり、ほとんどというか全てがブルーの色のモノばかりでした。
基本は時計と筆記具、そしてネームカードと名刺入れです。
筆記具は、
ワイフから誕生祝いに私が最も評価しているビスコンティのモノでした。
これを選ぶとは、私のコレクションで覚えたのでしょう。
とても欲しかったモノであり、国内入手は難しいと思っていました。
それで、
その万年筆に合っているモノはクロスで見つけたボールペンでした。
ボールペンはデザインのスケッチでは必需品です。
したがって、鞄もブルーのモノを選んでいます。
コレも最近なかなかのデザインです。
さて、ブルーという色は、
海と空の色に別れています。
もっと詳細に言えば、水と水以外の自然の色です。
一般的に「ブルー」と言われる元来の自然からの色彩論は、
すべてをリタイアしたら、書き残そうというのが私の夢のプランです。
時計は、おそらく全てが高級品だと思います。
自分でも「時計のデザイン」をして商品化もしていますが、
かつて、名古屋のマンションで仕事が終わると、
記念に収集をかねて持っていたすべての時計が奪われました。
正直、2年ほど立ち直れないほど落ち込みました。
しかも、その時盗まれた時計は全てがブランド品でした。
いわゆる「デザイナーモノ」は全く泥棒には無価値でした。
そのとき、デザイナーモノの一般的な価値感不足を見せつけられました。
それから、特に「スイス製」は徹底的に工房や職人技を知った気がします。
したがって、時計に関してはどれほど高級ブランドであっても、
市場価値の流れが分かるようになりました。自信を持って本が書けます。
私は、モノに拘らないというデザイナーが制作しているモノは、
きっと残らないモノと判断しています。
それは、私がデザイナーで出発したときに、
上司から、「高級品をしばらく勉強」と言われて、
銀座のある高級品ブランド店で学んだことがあります。
これは私の逸話にもなるので、また、書き残したいと思っています。
ともかく、大学を退官してからどういうわけか、
毎日、論文作成が大きな一つの仕事になっています。
と同時に、
これまで会員となっていた幾つかの学会を退会もしています。
ブルーを身につけることで、
あらためて「大学人の自分」と向き合っている気がしています。
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7月 12th, 2012 Posted 12:00 AM
私が「生き返った」のは、刃物のデザインでした。
ふるさとにて車椅子でどう生きて行くかということには、
750年の伝統工芸産地・越前打刃物のメンバーと
「タケフナイフビレッジ」を設立し、
ナイフのデザインに取り組んだことがきっかけになりました。
今なお30数年前のデザインは、市場価値を持っています。
しかし、すでに産地では世代交代。
欧州での見本市も、次世代のメンバーが中心です。
このFBでやりとりしているのも若手メンバーになっています。
私にとっても人生最終のナイフデザインを彼らに渡したいと思っています。
だから、最近のナイフも選び抜いて資料として購入しています。
特にグリップ部については、
拳銃業界では話題になったモノ・
Px4(re-design BERETTA・M9000s)があります。
欧州では有名デザイナーが拳銃デザインを手掛けていて、
見れば誰のデザインかすぐ分かります。
そんな中でもまったく売れなかった銃を同じデザイナーに、
もう一度、再デザインを頼むということは
日本では考えられないことです。
私はモデルガンでこの拳銃のグリップを確認してみましたが、
グリップ性能や、彼の造形言語は新鮮になりましたが、
毎年、拳銃の新作としては、これも失敗だろうと評価しています。
ところが、この拳銃グリップの造形言語の要因や
文法的な意味論が生きているある傾向を見つけました。
こうしたアウトドアナイフに流行していることを確認しました。
けれども、ナイフの刃付けに関しては、
絶対に越前打刃物には勝てないものと思っています。
素材や仕上げもテフロンになっていますが、
これでの切れ味は、刃先に触れてみればもう一目瞭然です。
私が、最も認めているナイフメーカーのモノを再確認して、
それ以上のナイフデザインを、
タケフナイフビレッジに早く持って帰るつもりです。
ナイフのデザインは、
いつも、ドキドキするものです。
なぜなら、刃物は魔力があって魂が引き込まれてしまいます。
特に、アウトドア用の大型ナイフは、まさに「真剣」ですから。
私もナイフデザインはより真剣さを自分に課しています。
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3月 10th, 2012 Posted 12:00 AM
コーヒーや紅茶のソーサーとカップ、
その寸法、容積の伝統的ルールをモダンデザインは解放をめざします。
しかし、瞠目すべきことはモダンデザインの本質表現があることです。
伝統的な形態の容積ルールを乗りこえるためには、
中心的な機能に注目します。
それは、手に持ったときと熱さの問題、
唇とカップとの接触面を改善して機能的な完成度を求めます。
すでにこの作品(INOX)は20年程前に製造中止になってしまいました。
このメーカーはケットルが今もモダンデザインを追求しています。
このデミタスカップとベースはステンレス製ながら、
カップ構造は二重になっています。
そして、飲み口部分の精微な仕上げは手仕事です。
したがって、とても製造コストは市販価格を支えきらないでしょう。
だからもうこのような製品は商品にはならないのです。
しかし、デザイナーは今一度、こうしたモダンデザインの極み、
すなわち、素材・形態・仕上げを学び直すべきと考えます。
カップとソーサーの伝統的なルールをモダンデザインは解放していますが、
主機能としての飲みやすい温度、保温性能、素材など、
その最終仕上げによる製品完成度の質が見事です。
今や経済動向は世界的にもデフレ傾向です。
完成度をミニマムなシンプルな形態に追求するモダンデザイン的な手法、
そうした手法や理念は市場価値を失っているかもしれません。
あらためて、ユーザーの所有価値観と使用価値観によって、
製品価値のあり方の見直しが必要だと思います。
私は、このステンレス製のモダンデザイン、その製品完成度こそ、
デザインの本質があると思っています。
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12月 14th, 2010 Posted 12:00 AM
情報時代のプライバシー
英国で人権ということが生まれました。
そして人権は数世紀そして現代に連続。
しかも、今では人権と情報が連結しています。
特に、米国ではプライバシー=「right to be let alone」という考え方が、
情報に人権が包含されるようになりました。
「一人でいて、誰にも観察されない状況」というプライバシーは、
すっかり「人格性や個人存在」を情報化することが密接で社会権と同一的な関係になってきました。
しかし、情報化時代→情報時代での個人性=プライバシーは、
一方では、堅固に保護されるべきでありながら、
もう一方では、そのプライバシーそのものを商品化=情報化するという商業主義が
資本主義の重大な市場価値になっています。
商品価値となるプライバシー
特に、「顔が知られる」=タレントさんや俳優さんという職業においては、
プライバシーそのものを商品価値にすることが重大という局面を持っています。
デザイナーという職能にも、その一面は極端にあります。
私も「designed by Kazuo Kawasaki」という名前、(Kazuo Kawasaki®=商標権)で、
自分のデザイン、創作権を明示する場合の人権は、三つの側面を持っています。
一つは、「私という存在・デザイン能力の表現物であること」、
ゆえに「創作者としての責務」を表していること。
これは「表現の自由」に委ねながらもその自由性において、
専門職能家としての常識・倫理・美学を世の中に問いただすことになります。
それは、表現物への義務感を背負っていることの証左です。
プライバシー情報への誹謗中傷
ところが、一方ではその明示ゆえに、
嫌悪されたり、あるいは非難中傷をうけることも受け入れなければなりません。
その覚悟はあっても、誹謗中傷されることの理由が、嫉妬であったり、
言われ無き荒唐無稽さもしばしばあるわけです。
ところが、この批判にも「表現の自由」とかを持ち出されるとき、
この人格否定の情報を制御できる法的整備はまだまだ整え終わっていないという状況に直面します。
さらに、そうした言われ無き誹謗が風評である場合には、
プライバシー侵害を阻止する手立ては、現代、まったく不在と言っても過言ではありません。
となれば、「right to be let alone」というプライバシーなどは
本来ありえなかったという極論も実際は公知されていたのかもしれません。
人間社会観の未発達性を確認しておかなければなりません。
つまり、「情報と人権」の問題は、このこともアポリアだと私は思っています。
「人権」に対する「情報」の暴力性をみるわけです。
Tags: ®=商標権, アポリア, プライバシー, ライバシー侵害, 人権, 人権セミナー, 創作権, 市場価値, 未発達性, 義務感, 荒唐無稽, 表現の自由, 非難中傷
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