7月 8th, 2013 Posted 12:00 AM
阪大でのMAKERS SUMMITで「3D-PRINTING」をいただきました。
「3D-PRINTING」の現在は、このイベントのセッションにおいて、
国内では要の人たちが参加していただきました。
光造形がわが国に入ってくる前から、
最近の過ちを是正する肝心要の人たちが集まりました。
彼らが阪大・吹田キャンパスに集まってもらえたことは、
これで欧米に正しい方向を日本が先導可能だと私は決心しました。
この日に間に合うように、私はiPhoneケースでをいただきました。
しかもケータイには、「印鑑と呼び笛」を危機対策には不可欠と、
言い続けてきたこともあり、背面が鎖状で、
側面にも工夫され名前入りのケースです。
このケースはTOKYO MAKERSの人によって、
それも、この「技術」が無ければ造れないケースです。
同時に、登壇者の石黒教授も、ブレスレットをもらって、
日本ならではの「3D-PRINTING」方法を知ってもらいました。
石黒教授は、「アンドロイドロボット」では、
私と同じようにNewsweek誌が選ぶ「尊敬される日本人」の一人です。
また、昨年は二人で忘年会をし、新年会もしました。
私はラピッドプロトタイピング初期からこの実務を見てきました。
それだけに、米国ブームでの出版された元の書籍から、
大きな間違いを発見しています。
その僅かをこのイベントでは紹介しましたが、
すでに、いくつかのプロジェクトを開始しています。
もちろん、このイベントではその他のキーマンとも話ができました。
私が気づいていることは、確実に欧米は知りません。
「3D-PRINTING」以前に私はトポロジー思考を「空間論」として、
その実例を追いかけてきましたからこそ考えついています。
それは、素材と機器そのものをデザイン設計するつもりです。
たかだか、ブレスレットとケースかも知れませんが、
米国流とは全く異なる手法を日本が、阪大が提示じていきます。
各セッションでは会場からも質問をいただきました。
ある質問に対して、石黒教授の応答は見事でした。
「哲学です。」という答でした。
私自身、プラトンが迷いに迷って正解を決定するのは、
「どう考えてみても、この答が美しい」と言い残したことです。
私はデザイナーという職能の根本は「美しい」ということ。
これだけを確信して生きてきました。
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5月 30th, 2013 Posted 12:00 AM
ロケットは、その形態において、
「グッドデザインであるかどうか?」、という質問がありました。
理由は、ロケットの形態は、素晴らしく「機能的」だからです。
しかし、ロケットは宇宙探査や宇宙衛星飛行支援だけでなく、
ミサイルとなって兵器にもなる怖い存在です。
そうなると、ミサイルも「グッドデザインになる」という論理は、
本質的なデザインの効能=社会的な存在へのデザイン貢献が、
とても不安定で人命剥奪モノになってしまいます。
この問題を70年代から国際的なデザイン界で問われながら、
未だに最適解を見つけずに曖昧だと思ってきました。
私は最適解として、兵器のデザインは「人命脅迫」という問題、
つまり、倫理性抹消=殺人兵器であるモノは、
絶対にグッドデザインではないと考えてきています。
だから、わが国の技術的な結集からは、
H2Aロケットは、あくまでもミサイルではありませんから、
グッドデザインだと認定しています。
その証拠に、宇宙探査衛星・はやぶさと、
砕氷船・しらせも、無論、わが国の最高技術の象徴的な存在です。
しらせは、私がShip of the yearでプレゼンを見て、
とても感動して授賞しました。
さて、この三つのモノは、すべてが兵器になりうるモノです。
ロケットは、ミサイルとなって人命破壊が可能であり、
探査衛星は、諜報兵器となって軍事には不可欠のモノになります。
それは、砕氷船も軍艦製造に直結しているということです。
しかし、わが国は決して軍事国家を目指しているわけではなくて、
衛星探査のロケットも、衛星も宇宙探査目的のモノです。
砕氷船は、あくまでも南極や北極の探査船にすぎません。
そして、私にとっては個人的にも、
H2Aロケットや宇宙開発は、私のいとこが関与しています。
宇宙開発事業団(NASDA)から、
現在は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の執行役員を務めました。
彼は、安全信頼工学の日本の代表者です。
わが国の最高技術は、
すべてが、人類の平和思想に包まれた「夢の実現」そのものが、
最高技術の象徴だということです。
それは最高技術とデザインが、
倫理的な最適解を目指してるという証明だと考えています。
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5月 28th, 2013 Posted 12:00 AM
現在、出版界は相当に難しい時代になったようです。
自分のインタビューが掲載されています。
だからというわけでは無いのです。
が、この著作「リアル・アノニマスデザイン」は労作です。
私もこの本の企画の人たちから、ホテルで質問を受けました。
企画者は、次世代のデザイン評論では定評があった人物。
そして、幾度か、校正もさせていただきました。
無論、私の独断は、「発言すれば問題発言、という風潮」には、
きわめて正直にプロとしての受け答えをしています。
私なら、そこまで言うかもしれないということも重々承知です。
そしてあれからの編集時間を思うと、
これだけの専門家、それも次世代、次・次世代ですから、
デザイン・都市・建築・メディアの担い手に、
恩師であった柳宗理氏の「アノニマス」をキーワードにして、
専門家、それぞれの解釈が述べられています。
私などは、インタビューされた最長老の中に入るでしょう。
編集ではきっと気を遣われたのではと思います。
「アノニマス」無名性、あるいは匿名性です。
「ヴァナキュラー」土着的な全く無名性との関わりを同世代、
ある建築家の意見も真っ当でした。
デザイナーや建築家にとって、それぞれの活動、
その成果としての製品・商品、作品にとってはその存在性では、
作り手の社会的な位置を確認するには、
誰もが悩む大きな問題だと私は思っています。
私は、金沢美術工芸大学入学直後に、
柳宗理先生にはこのキーワードは強調された体験があります。
それ以後も数回、「アノニマス」については、
自分でも記述したり、インタビューを受けたり、
「自分が考えるアノニマスデザインのモノ」を提示しました。
だから、私には明確に自分とアノニマスの関係では、
すっかり整理がついています。
それどころか、アノニマスを強調する脆弱さとその反発力も、
理解し終わっている課題にすぎません。
ところが、次世代の専門家の様々な解釈を読めば、
もう一度、「アノニマス」とデザインの関係について、
私の再洞察を要求されました。
再考を教示されるということが、私は「労作」ゆえに、
新たな課題、問題を与えられたと判断したことになります。
この著作の冒頭には、
まだ歩いていた頃の自分の写真が掲載されていました。
それを眺めると、私はもはや、
この世界に二度やってきているという印象があります。
「アノニマスデザイン」はこれからもおそらく、
職能家の社会的な存在性に深く関与していくと思います。
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5月 21st, 2013 Posted 12:00 AM
私がこのところ連続してここで記載してきたこと、
それは3Dプリンターの未来への真偽でした。
昨日、3Dプリンターでクラインボトル、
それも鎖状につながったモノが、ある「技」で送付。
FBに記載したら、目的は?とか、
出来たからそれがどうした?、という質問がありました。
私は面倒だから、
それが分からないなら、デザイナーなど辞めれば、
教えることも辞めればと、ほとんど呆れました。
そのような質問は、デザイナーでも教員でも時代遅れ。
私が、このところ米国ブームの3Dプリンターを、
日本の「技」こそ、必ず乗り越えることを主張していました。
だから、モノづくりに関わっていれば、
「型」と「版」で19世紀から生産が縛られていたこれまでから、
本当の「革新」ができると考えてきました。
現に、光造形も日本の発明でありその技術進化が、
「ナノテクノロジーと生体医工学の進歩」になったこと、
こうしたことがこれからの日本の技術だと思っています。
したがって、ブームの真偽性を確かめるならば、
● 光造形のデメリットが3Dプリンターのメリット?
● 3Dプリンターのデメリットが光造形のメリット?
こうしたことがありうるのだろうかと、
わが国で3Dプリンターの「技」ある人物たちにお願いしたのです。
相当にデータのバグやら、どのように造形していくかは、
トポロジーの空間内の形態化でなければなりません。
もし、これが可能になれば、
私たちの工場は、自宅のテーブルの上になるでしょう。
それは、現代文明の革命になります。
革命=イノベーションを提案した人物は誰だったでしょうか?
彼は、イノベーションの効果後まで予測していました。
まさに、現代はその緊縛性の中に世界と日常性があるのです。
しかし、廉価な3Dプリンターに「技」が加われば、
ここまで完成させることができます。
あとは、精度や素材の問題であり、データの需要供給だけです。
そして「何を創るのかでしょう」。
「誰ができるのでしょう」、
「さらに進化は?」ということです。
今や、3Dプリンターで銃器がつくれるという問題などは、
銃器の概念とその構造や効能性という社会観に問題です。
私は、この実験によって、
日本でこそ、この「技」で革新のリードができると思っています。
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4月 24th, 2013 Posted 12:00 AM
銀座といえばその象徴的な高級店があります。
時折、銀座でそのお店に立ち寄り主に展覧会を観ますが、
いつでも思い出すことがあります。
もうそのお店の方はいないでしょう。
もっと早くお礼をすべきだったと反省します。
私はオーディオのデザイナーから社会人になりました。
オーディオデザインが出来たことはとても幸運なことでした。
今なお上司とは付き合っていますが、
デザインを叩きこまれながら、彼にこんなことを言われました。
「工業デザインで最も欠落しているのは、
高級ブランドのモノ、
その素材や仕上げだから勉強しておきなさい」と。
そこで、私はよく銀座のその店の時計とライターを見に行きました。
ところが何度目かで、
私は支配人らしい人に声をかけられて別室に入れられました。
私は、名前や所属企業でデザイナーであることを話しました。
彼は私のことを、いつも見つめているだけの人物ゆえ
とても怪しんでいたらしいのです。
私の事情を知った彼は、すべての店員さんに、
私が質問し見たいモノはすべて見せるように指示してもらったのです。
だから当時から、
超高額な時計・ライターの素材や仕上げを識ることができました。
とても買えない高額高級品を若い時に触って見たことも幸運です。
私は若いときにこうした人に恵まれたと思います。
工業デザインは、あくまでも普遍的でシンプル性を追求しますが、
私も時に批判・非難する「デコレーション」の真贋は識るべきです。
とりわけ、ブランドモノのデザインとデコレーションの調和と技法、
その統一性と融合性こそとても大事なコトです。
モダンデザインが敬遠し近接しなかったコトかも知れません。
私が最初に、手で持って、素材と仕上げを学んだのは銀座でした。
私にそのような機会を与えていただいた方に、
今ならお礼ができそうです。
工業デザインからデザインの本質を幅広く受け止めた銀座は、
今も私にはデザインのふるさとかもしれません。
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2月 1st, 2012 Posted 12:00 AM
私のデザインは、簡潔な「造形」をめざします。
多分40年間でデザインしてきたモノのデザインは、
徹底的な造形、その簡潔さ=Lessにつきると思っています。
オーディオから始まり、伝統工芸から制度設計まで、
デザイン対象領域の拡大を図ることで、
デザインの本質的な目標と目的、
その社会的意義に倫理性と美学性を求めてきました。
その代表作が、タケフナイフビレッジを設立し、
伝統工芸にデザイン導入を図り、
その作品としての「商品化展開」をしてきました。
それは素材開発から造形にモノは集約しますが、
全体的な産地存在性を明確にするコトのデザインにつないできました。
今あらためて、その中のモノ=作品としてこの
「fluctus」には
簡潔な象徴性があると私自身が納得をしています。
時折、私は何にこだわって、
あるいは何をめざしてデザインをしていますか?という質問を受けます。
その回答は、「自分が一番欲しいモノ」に他なりません。
そして、デザインの目標=ゴールと目的=オブジェクトが
合致しているのは「簡潔さ」です。
それは、シンプルさを超えた意義までという意味です。
だから、「Simple is best」では済まされないことです。
「Less is more」にまで至っているかどうかということになるでしょう。
それを実現するには、多分、「最大公約数的な一人称」と言っておきます。
つまり、自分の言葉=造形言語の言語道断さまで
自分を追い詰めることだと考えています。
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11月 30th, 2011 Posted 12:00 AM
先日の市長選、そのTVドキュメントを見て、
最もビックリしたのは、元府知事がトイレ使用を
ある場所で拒絶されていたシーンでした。
「独裁者に!、トイレなど貸せるか!!!」、
この横暴な選挙民になり果てた一部の大阪人は情けない存在です。
今回の選挙戦での幼稚な闘争を見ると、
本当に潔い日本人が居なくなったようです。
同様なことを最近、講演会や講習会で感じます。
特に「サラリーマン」しかも大企業の社員たちです。
比べて地方や中小企業、
さらに海外の中国や韓国には礼節と熱心さがあります。
遠慮無く質問は多様にわたり、時には講演時間以上になります。
大企業の社員に限って、
日常的な学習と自己修練が欠落し始めているのか「質問無し」。
最も大企業の経営者能力が日本人らしさを失っているから、
社員に日本人の無礼節さが伝染しているのでしょう。
地方や中小企業では、講演が終われば「質問攻め」です。
大企業の社員は、仲間内の手前もあってか照れ故か「質問無し」です。
もっともそれは私の講演内容に問題があったものと自己反省します。
が、少なからず2画面で16:9、PinPスタイルなど、万全を期しますから、
「質問無し」はショックです。
けれども最近は、
大企業の社員のレベルが低いのだと判断することにしました。
そして正社員しかそうした講演に出席出来ない、
この企業組織問題に連関しているのかもしれません。
企業で、当然ながら専門知識があるはずなのに、
ある質問では、私は本当に驚いてしまいました。
その程度の知識を知らずになぜ「商品化」しているのだろうか、
こんな思いにかられました。
経営者の利益独占に感染しているのでしょう。
これまで、大企業での講演やコンサルを経験してきました。
大学人から解放されたら地方行政から、商店街、
中小企業、宗教界、そして大企業、大学まで、
私が生きた証として、能力性・倫理性・美学性、
さらに礼節性を書き残したいと思っています。
そういえば、大阪市主催の講演会は本当にわずかです。
大阪市活性化を懸命に訴求してきましたが、
「具現化プラン」に向かったことは、
この6年、一度もありませんでした。
大阪市役所も大企業なので、
サラリーマン的症状に冒されていたことは明白です。
福井時代も市や県に向けて批判すれば、
必ず「仕打ち」にあってきましたが、今はまったくなくなり、
よく私の提案やアイディアを受け入れてもらえます。
さて、このブログでの大企業サラリーマン向け発言も、
「トイレは貸さない」というようなしっぺ返しにあうかも?です。
構いません、それは大企業のサラリーマンとして、
「生きていない」ことを自己証明しているのです。
まったく、東北の市町村にはリーダーがいっぱいおられます。
ところが、東京の政治集団はもちろんのこと、
政府・官僚・経財界にリーダーは皆無です。
これが日本の現状です。
地方、中小企業が、日本を再生することは間違いないでしょう。
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Posted in 祈望から企望へ
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7月 3rd, 2011 Posted 6:22 PM
7月3日
中国北京にて講演を行った、
BOSS(川崎和男, Kazuo KAWASAKI)。
2日目の中央美術学院美術館での
講演の様子です。
日本と比べてお客様の反応はどうか?
とにかく質問が多く、
一人で4つもされる方がいらしたとのこと。
おかげさまで2回の講演ともに大盛況でした。
中国からこのブログを読まれている方も
いらっしゃるということで、
参加いただいた皆様、
関係者の皆様、ありがとうございました。
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