6月 7th, 2013 Posted 12:00 AM
徹底的に「鏡」をテーマにしていた頃があります。
ルイス・キャロル、そして、宮川淳に最も学んだと思います。
私は次世代のデザイナーにも、「鏡」の存在と、
「鏡」の不思議さを知ってもらいたいと願っています。
もちろん、私は「プラトンのオルゴール」に、
この二人を選んでいます。
オルゴールには、I SAW HER STANDING THEREです。
この曲も、私がビートルズで最初に聴いた曲です。
このオルゴールは、ルイス・キャロルであり、
彼の著作「鏡の国のアリス」にその種明かしが一杯あります。
しかも、日本人にとって神道ではご神体でもあるのです。
「鏡の背後には冥府がつながっている」。
これほど明確なコンセプトはありません。
まして、階段そのものが鏡という素材なら、
その場に立っている自分すら分からなくなると思います。
もっと単純に考えると、「鏡面対称」はもっと複雑です。
私は、金沢21世紀現代美術館では、
展示のインスタレーションで鏡を多用しました。
それはとても怖い事も待っていました。
ところが、私のこのインスタレーションを真似る人がいました。
ところが、「鏡」を知らずに単純に映ることしか気づかず、
かえって貧しくて自分の能力までをさらけ出しているのです。
日本人にとって、「鏡面対象」の裏側には、
「天照大神」が居ます。
このことが重要です。
だから、日本の三種の神器でもあるのです。
私の個展で鏡を使ったからかもしれませんが、
私は、展覧会後に、冥府にいかされるほどの体験をしました。
刃物を鏡だけの部屋に配置しました。
その部屋には、リアルとバーチャルで、刃物が見え、
しかもバーチャルな自分も見えました。
その部屋の大きさは虚像空間となって、
物理的な大きさ感覚すら、惑わしたのです。
私は、
次世代デザイナーには、じっくりと「鏡」を知ってほしいのです。
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6月 5th, 2013 Posted 12:00 AM
「革新」=イノベーションはすでに同義語になっています。
それは、それなりに私もいたしかないことと思ってきました。
しかし、講義では常に、原意=この言葉創出者に触れます。
ある企業やある地方の策定にこの言葉が氾濫しています。
このブログでも、検証してもらえば、
「イノベーション」については、要所要所で記載してきました。
もう一度、この言葉の原意発生から、
今日まででは相当に変貌しています。
創出者は、あのシュンペンターであり、
「コンバイネーション・独」の英訳が氾濫して、
日本の「革新」と結びついただけです。
端的には革新とはコンテクスト=歴史性の上澄みに結合しただけ。
資本主義は当初から混乱は予想されながらも、
やがて人類の知恵は、この段階に留めて保守性の確立だけに、と、
こんな想いに集中していたはずです。
案の上、シュンペンターの予測は2年前、
1929年には「世界大恐慌」で資本主義は錯乱状況になります。
当然ながら、わが国もすっかり巻き込まれて、
小さなわが国は、黄色人種の独立・人種差別に立ち向かいます。
結果は敗戦して以後、この悲しい歴史に振り回されているのです。
私たちは、「革新」の原義と「新結合」を二つ証左しながら、
これからの「イノベーション」を創り出すことが肝要です。
すでに、資本主義が、あの中国ですらむりやり市場経済主義。
この基本に、専制的に支配しているにすぎません。
それが彼ら、一部の「革新」だと言っていいでしょう。
資本主義での生産要素の新結合、その論理的解釈には、
シュンペンター自身ですら、「やがて崩壊」とまで達しています。
ところが、日本の「革新」は、
「皮革」をピーンと張り伸ばしておいて、刃物を入れるのです。
それは「新」文字同様に、樹木に刃物で切り分けたもの相応です。
私は、日本流の「イノベーション=革新」こそ、
すでに、大恐慌を予知した時代から切り離して、
日本流を国際化するべきだと考えています。
「イノベーション」キーワードで、
このブログから解釈様々を読み直してください。
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5月 17th, 2013 Posted 12:21 PM
5月17日 癸未(大安)
言葉の「言」という字は、
口に刃物を含ん形象からも分かるように、
とげとげしくて
人を傷つけるものである。
『デザインは言語道断』品格
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8月 11th, 2012 Posted 12:00 AM
私は左右利きです。が、基本的には左利きが進化しました。
世の中には「左利き用」ツールが最近では増えてきましたが、
私の子ども時代はほとんどありませんでした。
だから、ハサミも左利き用ハサミはかえって私には使いづらいのです。
ところで、ワインオープナーは様々に改善されてきました。
最近では空気圧を使って簡単に開けることが出来るようになりました。
私は越前打刃物あってこそ、
デザイナーとして再起できたと思っていますから、
あらゆるナイフを一応は使い、さらに使いこなすことを目標としています。
そこで、ソムリエナイフには
レフトハンドと呼ばれる「左利き用」(右写真下)があります。
ソムリエナイフはその代表的なブランドメーカーのモノが最高です。
そしてこのブランドによって、
ワインオープナーとしてのマルチ的使用のナイフが創作され、
その歴史的な工夫には、
詳細な使い勝手を自分なりにトレーニングが必要とされています。
つまり、「使い勝手」は自分で培うべきものです。
もっとも、ナイフは14歳から使い方を習得させるという国もあるほどです。
日本では、危険物ツールですから、ナイフそのものを使いこなせません。
鉛筆削り、リンゴの皮むき、木材加工、
魚の解体などへのナイフ使いが大事です。
ソムリエナイフのトレーニングは、
栓開けのナイフ使いからこのナイフ先端使いもマスターすべきです。
そして、スクリューナイフでコルクを抜くための回転が重要です。
ここで、私のような左利きには、
左利き専用ソムリエナイフの存在価値があります。
スクリュー形体からも明確なように
回転方向が左利きにとってはとても使いやすいのです。
このソムリエナイフブランドメーカーの刃づくりや切れ味は、
ペティナイフなステーキナイフ、
チーズナイフなどにおいても抜群の切れ味を持っています。
他の有名ブランドへのOEMにもなっています。
ブランドとともにあるソムリエナイフ形態は普遍性を確立しています。
だからこそ、マルチツールナイフは、
この歴史的な進化を取り入れてないことが惜しいのです。
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7月 31st, 2012 Posted 12:00 AM
1981年頃から、
すでに存在していた「武生打刃物工業研究会」に、
私が参画し、「伝統工芸にデザイン導入」を始めました。
すでに研究会は、「伝統的刃物のレプリカを150点ほど」、
自分たちで鍛造製造をし、その技の習得をしていました。
もう越前市の越前打刃物産地「タケフナイフビレッジ」には、
後継者の若者がグループ、次世代に引き継いでいます。
そこで、私も、彼らへの課題を伝えています。
「ミニナイフの開発」に入りたいという一つのアイディアがあります。
世界には沢山のミニナイフが存在。
ミニ・ミニマムにしていく技術・技は
相当に錬磨しなければならないでしょう。
ミニナイフへ、
「ハマグリ刃火づくり鍛造」の越前打刃物の伝統技をベースに、
「先端的なデザイン」を実現してもらいたいと望んでいます。
私なりに、ミニナイフも収集してきました。
その収集品の中でも、特徴と新たな革新をねらったり、
ミニマムにするには相当の工夫や製造技術には
創造性が求められていることが明白です。
たとえば、日本の「肥後守」でもミニはあります。
切れ味はありますが、伝統とはそのままの温存ではありません。
ファッションメーカーだからこそ、皮革張りをミニで実現したモノ、
銃器メーカならではの繊細なガンのような仕上げや構造、
ナイフギルドだからこそ可能ならしめたミニマム設計の実現、
アウトドアだから、ここまで詳細設計の具現化など、
早く産地にこれらを持ち込んで、参考にしてもらいたいと思っています。
ただし、これらを乗りこえるべきデザインを
私自身やり遂げなければなりません。
だから、ここに参考資料とした形態は全く考えていません。
素材も選び抜き、構造も、ミニマム化の様式も
すべて変革しなければ私の存在価値はありません。
これは私自身へのプレッシャーです。
早く、産地に帰りたいと思っています。
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2月 12th, 2012 Posted 12:00 AM
ふるさとで越前打刃物に出逢ったことは幸運でした。
武生(現・越前市)では小学5年から中学1年、
少年時代を過ごしました。
その頃は街中に槌音がしていましたし、
その鍛冶場を学校の帰り道、
寄り道をして職人さんの仕事ぶりを見ていました。
まさか私が刃物デザインをするなんて思ってもいなかったことです。
真っ赤になった鋼、
水に浸ければその音と匂いはしっかりと記憶に残っていました。
さて、「刃物は道具の基本」と言われています。
なぜなら、刃物=ナイフがあれば、
次の道具を創り出すことが出来るからです。
「肥後の守」というナイフは少年時代に、
鉛筆削りから様々な工作で一番の道具でした。
タケフナイフビレッジを設立してから、
相当に職人さんたちにも工学的知識と技術を習得してもらいました。
その結果、
私が欲しくてたまらずにデザインして造りあげたナイフです。
基本の基本を押さえて、最先端の加工をしました。
ナイフとグリップに軸がありますが、まったく軸無しであり、
回転機構を仕組むためには、
ブレードの回転センターはレーザーカットをしています。
したがって、ブレードには伝統の火作り鍛造技があり、
グリップとの回転部位はレーザー加工。
現在も、この加工を追い抜いているナイフは皆無です。
刃物=ナイフの基本を
さらに徹底させた伝統と現代性を実現させたモノと自負しています。
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11月 29th, 2011 Posted 12:00 AM
「革新」とは原意、刃物で切り裂くことです。
「革」は獣の皮をピーンと張った象形であり、
「新」とは斧があるように、樹木を切った切り口。
いづれも、緊張感と切り口から新芽が出るさまを
見事に表しています。
大阪都構想を掲げた大阪府と大阪市の闘争は、
民主主義にて選挙戦になりました。
大阪都を形成しようとする元知事と現市長の闘争でした。
私は大阪府・大阪市いづれも府民も市民も公務員も、
本当に関西弁の重要な言い回しを失っていると、
在住しながらその思いに悶々としてきました。
「好きでっか」・「儲かりまっか」・「ホンマでっか」、
この言葉だけが価値観になってしまった風俗は、
偽装し、悪事に平然とする風土になってしまったのです。
つまり、「好き嫌い」・「損得勘定」・「嘘・本当」だけの価値観。
かつての関西独自の高度な人情味あふれた「正義感」、
その言葉「よろしゅうおましたな」という
判断を喪失してしまったのです。
生活保護の不正受け取り、ひき逃げや軽犯罪の多発、
こんな生活環境の中では、損得勘定だけの街でした。
私は18歳の時、一年間大阪で浪人生活を、
人情味あふれる天王寺阿倍野界隈で過ごしたことがありますが、
その時の人情味は消え失せ、損得勘定では、
「ぼったくり取引を平然とする」ことに呆れました。
したがって、根本的な解決イコール「革新」を期待せざるをえません。
正直、市長に革新の意気込みは感じること適わず、
されど若き府知事の言動には、
憤り任せだけではとの心配もあります。
しかし、今、この大阪に憤りからの革新があれば、
何かが変わるかもしれません。
ところが、元府知事の出自を激しく罵る風潮が、
選挙戦での嫌らしさこそ、大阪の汚濁の象徴になりました。
これは教育委員会はじめ行政の奢りが明確であり、彼らが独裁でした。
大阪の行政組織の大きな抵抗が現在の日本を示しているでしょう。
結果、府知事が市長となりました。
投票所の入り口には元府知事を支援する若者が静かに立ち並んでいました。
「若さ」は無茶を選びがちですが、それはまさに、
「革」をピーンと張り、樹木に斧を振るうがごとき情景です。
これこそ「革新」の具体的景観であってほしいと願っています。
40年ぶりのダブル選挙であり投票率は60%以上に到達しました。
大阪市民府民の革新への期待の大きさが表れています。
新知事と新市長に大阪の「革新」、
それは日本を革新することにつながってほしいと願うばかりです。
今回の選挙結果は、日本の将来への不安を希望にしたい結果でした。
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5月 31st, 2011 Posted 12:00 AM
火は自然を燃え尽くします。
刃物は動植物を切り尽くします。
人類が、火と刃物を使いこなすこと、
それはまさに制御です。
「制御」とは、使いこなす対象が人類にとって、
価値=望ましいことと好ましいことになることです。
そして人類にとって、制御対象は二つしかありません。
人類にとって、「人間自体」と「自然全般」です。
人間自体の制御が、社会システム=政治であり、
自然全般は、自然の変動が予測不可能であればあるほど、
その制御は困難であり、不可能になっていきます。
その手段である利器として、
「火」と「刃物」を使いこなす技こそ人類の進化でしょう。
しかし、人類の進化は「戦争」が歴史を率いてきました。
「火」も「刃物」も戦争の武器であり、
その進化は武器としての「火」は爆弾となり、
「刃物」は武器機能は代替されていきます。
さて、おそらく読者諸兄にとっては、
この記述の方向が「原子力」に向けられている
私の導入であることに想像がついているでしょう。
まさしく、「火」と「刃物」に対する人類の進化が、
「原子力」に向かっていきました。
それは「武器」という範疇でした。
しかも、「火」も「刃物」も、制御ということでは、
それが「光」=電磁波にまで到達することが
文明の進化だったと前述しておきます。
私は「文明」の基本に立ち戻って、
「原子力」に向かわなければ、
これまでの「推進派」は「批判派」になり、
「反原発」が正論となって「脱原発」になります。
しかし、世界全体が原発停止に向かったとしても、
私は、原発ではなくて「原子力」と「自然」とを、
明快に制御対象化していくことが重要だと考えています。
私は推進派でも批判派でもなく、
「脱原発」にこそ、
「原子力へのまなざし転向」が重要だと思っています。
Tags: 「原子力」と「自然」, 「原子力」へのまなざし転向, 「文明」の基本, 人間自体, 人類の進化, 刃物, 制御, 原子力, 反原発, 批判派, 推進派, 火, 脱原発, 自然全般
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5月 30th, 2011 Posted 12:00 AM
文明の基本。
それは火と刃物。
私はこの二つが「自然」との
対抗手段になってきたと思います。
火は自然に備わっていました。
火山の爆発や溶岩が流れたり、
自然現象の山火事などから学び取り、
人類自らが発火させる方法を発見したと思います。
そして火が解決してくれることが生まれてきます。
一方、人類にとって、石器時代から文明が芽生えます。
石器は利器として、「刃物」につながっていきます。
私は、フリーデザイナーになって、
ふるさと福井県越前市(元・武生市)にある、
750年の伝統工芸・越前打刃物に出逢います。
武生市は小学校高学年から中学時代をすごした街でした。
だから、鍛冶屋さんの仕事はよく見ていましたから、
越前打刃物の現場で、「刃物」から学んだことが、
現在私のデザイン思想=デザイン文明観になっています。
まず、「刃物」は、
漢字には「刀」・「刃」・「刂」・「弋」・「戈」などが
含まれることで、文明利器そのものから文明観が指示。
初・武・創・解などおおよそ60数程度文字があります。
その「刃物」も「火」が無ければ、
創り出すことが出来ませんでした。
私は越前打刃物の伝統技を間近で見ながら、
「火」と「刃物」とがどのように反応しあうのかという
大きな感慨と思考をすることができたと思っています。
結論的に言ってしまうと、
「火」・「刃物」は、人間の生命に関わっています。
それも重大に、尊大に、食物と寒暖に関わり、
人間の生死を制御しているわけです。
Tags: 「刀」・「刃」・「刂」・「弋」・「戈」, デザイン思想, デザイン文明観, 人間の生死を制御, 伝統工芸, 刃物, 初・武・創・解, 文明の基本, 武生市, 火, 発火, 福井県越前市, 自然, 自然現象の山火事, 鍛冶屋, 食物と寒暖
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3月 17th, 2011 Posted 9:50 PM
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