11月 13th, 2009 Posted 8:33 PM
11月13日 大安(壬戌)
私は、デザインの背景をモノで語る
「モノがたり」という言い方をしているが、
ここで言う「モノがたり」は、
いわば、科学や技術で語りきれない
もっと人間の心の底、心底への
呼びかけのことである。
『プラトンのオルゴール』イストワールのプロローグ
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11月 12th, 2009 Posted 10:07 AM
11月12日
金沢美術工芸大学在学中、
ハサミの課題のBOSS(川崎和男)の作品です。
「園児用のハサミ」として、当時から
「安全・安心」性を意図したモノで、
モデルは手づくりでホウの木を削って
作ってあります。

学生時代に、たくさんの課題に向かい、
徹底的な手の訓練を受けます。
そして、
問題への解答
をだすことができるデザイナーへ!

金沢美術工芸大学 産業デザイン学科
このハサミはすでに、「園児用」ゆえ
開閉切断で、開閉が制御され、
刃先はカバーされています。
やがて、プロとしてのハサミは
いくつかの海外美術館に
永久収蔵作品となります。
川崎和男・学生時代作品
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11月 11th, 2009 Posted 12:00 PM
11月11日 先負(庚申)
経済活動のための
欲望の刺激装置としてのデザインの
時代は終わった。
そのことを、
プロであるデザイナーがまず
誘導し主導しなければならない。
もし、
経済や産業に
デザインが与するとするなら、
それは、わが国が
貿易立国として存続していく
戦略や戦術としての
デザインである。
『デザインの極道論』むなしい
Tags: デザイナー, デザイン, プロ, 刺激装置, 川崎和男のデザイン金言, 戦略, 戦術, 欲望, 産業, 経済, 経済活動, 貿易立国
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11月 10th, 2009 Posted 8:37 PM
11月10日 友引(己未)
デザイナーという
プロの視線がなければ、
ユーザーに見えているのは、
既成概念に囚われた「流行」
あるいは「現象」としての
デザインだけである。
生活に密着したデザインという、
マスコミ的視点の批評は
嘘っぱちだ。
『デザインの極道論』むなしい
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11月 10th, 2009 Posted 10:09 AM
現実、デザイン、そしてアートが社会化される社会は、
民主主義が構築されている日常です。
しかし、デザイナーにしても、アーティストにしても、
その「個人性」には、主義としての民主性は皆無です。
民主主義的な決定はありえないと、私は思っています。
これは、民主主義と個人性の距離=近さへの思考です。
数理的には、「近さ」というトポロジー的観念と、
私は断言することができます。


つまり、民主主義を位相空間的にとらえるという、
きわめて私流というか、私の特異性に起因しています。
私は、前述しました。
民主主義をずーっと疑ってきたことを告白しました。
「多数決」という基盤的な型論理でした。
民主主義には、もう一つの型論理があります。
「合意形成」です。
私はこの「合意形成」にも、自分は賛同できません。
それは、
デザインを「多数決」でとか、「合意形成」での、
決定論に持ち込むことなどは、不可能だからです。
むしろ、デザインもアートも、「独断的決定」です。
この「独断的決定」が、「民主主義」の日常との接点、
これがなぜ有効となっていくのかというのは、
「トポロジー」=位相空間的な思考解釈が必要です。
この意志決定論に異議申し立てをしたのが、
カタスロフィー理論であり、
「トポロジーを全否定」した人物の思考に遡及する、
ということになります。
民主主義が構築された社会の日常に、
独断的なデザイン・アートが、なぜ不可欠なのかを、
その理論を創出する時期が今世紀だとさえ思っています。
Tags: アーティスト, アート, カタスロフィー理論, デザイナー, デザイン, トポロジー, メビウスリング, 位相空間, 個人性, 合意形成, 多数決, 思考解釈, 民主主義, 特異性, 独断的決定, 社会, 資本主義からの逃走
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11月 9th, 2009 Posted 9:57 AM
「新渡戸国際塾シンポジウム」に参画しました。
国際文化会館で開催されました。

最近はなんといっても、
この会館は、私の東京の仕事場です。
ここは恩師の推薦で会員になりました。
もうすっかり、会館の方々とは仲良しです。
シェフは、私の「好き嫌い」も見抜かれていて、
深夜にたどり着けば、夜食をいただいたり、
風邪っぽいと、特製の飲み物をいただいたりという
とても心地よい場になっています。
東京の中心でありながら、すばらしい緑に囲まれ、
美しい庭園をながめてひたすらスケッチできる場です。
デザインの会議やプレゼンテーション、研究会議まで
お世話になっています。
この会館の生い立ちは、ともかく国際交流や海外からの
学者・芸術家のホテルにもなっている場所です。
「新渡戸国際塾」に入塾するには高度なテーマで、
その論文審査があります。さらに面接です。
そしてバイリンガルでなければ塾生にはなれません。
今回は、その第一期生企画のシンポジウムで、
テーマは「日本の突破口を探る」という難解な課題に、
まずパネリストとして、15分間議論への私論を
プレゼンテーションしなければなりませんでした。
いつもの私流のために、親友である撮影監督の柏原氏に
人工心臓3rd-Modelを撮影してもらいました。
もうたまらなく美しい映像を
撮影そして編集してもらいました。
ともかく、私は、PKDとBOPへのデザイン実務への「志」を語りました。
塾生は、これからのリーダーになっていくことを、
自らも自覚し、周囲からも期待されている世代です。

につきると思います。
撮影監督の柏原氏は、
大事件でのスクープ撮影では、伝説をなし、
世界遺産を撮り、今、最も美しいCFは彼です。
その彼と私には共通することがあります。
http://frameof28mm.blogspot.com/2009/10/blog-post.html
撮影監督の映像制作ブログ Frame of 28mm
「図書館の人々」を読んでください。
彼は、独立して、どれだけ芸能関連やワイドショーに
関われば、プロダクションとして自立できるかを
知りながらも、一切、関わらなかったプロです。
私もこの仕事をやれば、金になるのだが・・・
ということを拒絶してきました。
私は、幾たびも、デザインが実現しなければ、
デザイン料をクライアントに突き返してきました。
今も、その信条はくずしたくありません。
「志」が狂えば、「美」は遠のいていくのです。
自分の役割と責務を放棄するデザイナーなどは、
殴り倒したいとすら思っています。
そんな勝手な輩がデザイン界にいることは無念です。
「新渡戸国際塾」のみなさん、「志」です!
自分には、嫌いで、嘘っぽくて、損をしても、
「正しい」ということに、
命をかけられるか、でしょう。
人道と人情の話、民主主義の正しい解釈と有り様を、
国際的に発言し、実行しているパネリストの方々から、
新たな勇気とかつてからの「志」に目覚めました。

Tags: 「資本主義からの逃走」, PKDとBOP, デザイン, リーダー, 人工心臓3rd-Model, 仕事場, 卑怯者, 国際交流, 国際文化会館, 役割, 志, 撮影監督柏原氏, 新渡戸国際塾, 日本の突破口を探る, 民主主義, 美, 美しい庭園, 自覚, 責任
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11月 6th, 2009 Posted 1:24 PM
11月6日
高知にてBOSS(川崎和男)講演、
間もなくスタート!
高校生対象です。
講演タイトルは、
「デザインが世界を変える!」

未来のデザイナーへの進路に
興味を持っていただけるよう
たくさんの画像を用意しました。
またBOSS(川崎和男)の全ての著書を
寄贈させていただきました。
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11月 5th, 2009 Posted 11:36 PM
革命の指導者達がカリスマ性をもち、
英雄性をたたえられると、
歴史的には、必ずと言っていいほど、
指導者達の中に、さらに、
スターが求められるようになります。
結局、革命の「理想主義」は、
権力闘争となり、
純粋な理想主義の芸術家は、革命家には目障りな存在です。

ウラジミール・レーニン
10月革命時の演説には、カリスマ性があった。
ロシア革命も同じ展開を見せるのです。
しかし、ロシア・アバンギャルドの芸術家は
あくまでも「理想主義」を追い求めました。
なぜなら、
芸術=デザインの表現は、
理想主義を離れれば、
即、それは表現の美は、伝わることは無いと
彼らは確信していたからでした。
私はそうだったと信じています。
だから、
「我々に、新しい形態を!
号泣が聞こえてくる」と、
マヤコフスキーは自死して逝ったのです。
私は、デザインという職能が、
資本主義という、あたかも理想主義に
よりそった「造形形態の表現」であったかも知れないが、
私も、デザイナーという職能家として、
いつも、
「新しい形態を!」と
叫び続けてきた気がしてならないのです。
たとえば、秀吉に対して、
千利休が自死を求められたとき、
利休も、次のように叫びました。
「力囲希咄」と!
これこそ、
芸術表現者、あるいはデザイナーの
「理想主義」の破綻に対する、
憤りであり、美学の叫びだと
私は思い続けているのです。

「茶美会」裏千家への茶杓
「力囲希咄」
Kazuo Kawasaki Design
Tags: 『資本主義からの逃走』, 10月革命, ウラジミール・レーニン, カリスマ, スター, デザイナー, デザイン, マヤコフスキー, ロシア・アバンギャルド, ロシア革命, 力囲希咄, 千利休, 形態, 指導者, 権力闘争, 理想主義, 秀吉, 美学, 職能家, 芸術, 芸術家, 英雄性, 表現, 造形, 革命
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11月 5th, 2009 Posted 2:27 PM
11月5日
BOSS(川崎和男)傑作
フラクタス(FLUCTUS)、
ラテン語で「波」です。
タケフナイフビレッジの製品の中でも、
最も鮮烈で崇高な造形美を持っています。
サイドビューは面で波を表し、
トップビューは、一本の線、
ラインでグリップの立体感と、
波を表しています!

BOSS(川崎和男)も、
描き出した時、身震いしたという
トップビューの一本のライン!

フラクタス(FLUCTUS)は、
四角錐におさめられます。
これは、機織りのシャトルと
同様の技法でつくられました。
今は、生産が難しいので
終了してしまいました。
BOSS(川崎和男)は、
海外ではジーニアス!と、言われてますが、
まさしくジーニアス?と思う1品です。

Tags: 25年保証, BOSSの発明, takefu, かたち, スケッチ, タケフナイフビレッジ, デザイン, フラクタス, ライン, 伝統工芸, 作り方, 作品, 傑作, 包丁, 川崎和男Staff Blog, 波, 素材, 美術館, 造り方, 造形美
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11月 4th, 2009 Posted 3:41 PM
11月4日
BOSS(川崎和男)宅で
実際に使用中の包丁は、
越前打刃物 タケフナイフビレッジ
とつくりあげた製品の試作品です。
何度も試作を繰り返されたそうです。
当時、柄まで金属一体で仕上げた刃物は、
ありませんでした。
これは、クレウスシリーズ。
試作のため、刃部分の切込みが異なり
試行錯誤がうかがえます。
25年前の試作品!!!

Tags: BOSSの発明, イノベーション, かたち, サンプル, タケフナイフビレッジ, デザイン, 作品, 刃物, 川崎和男Staff Blog, 試作品, 越前
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