2月 22nd, 2014 Posted 12:00 AM
大学時代には『レンダリング(完成予想図)」は、
描くべきではない、という先生=レンダがデザインを決めるからと、
絶対に巧く描くべきだという先生が私たちを混乱させていました。
私は当然ながらレンダリング技能を磨きたいほうでした。
理由はデザイン表現の技法は最重要だと認識していました。
東芝に入社すると、学生時代の技能では不完全。そこで、
清水吉治の書籍や講習に頼ることになりました。
東芝からも海外向けのレンダを彼に発注することも知りました。
幸い清水氏は大学の先輩であり、留学と海外経験がありました。
CG台頭の最初に私はトロントでその基礎を学びました。
それは手描きのレンダリングをなんとしてもCG化させたいという、
その目的が最大でしたから、マーカーレンダの再現でした。
だから今なお、手描き=スピードライマーカーを使えないとすると
CG表現はとても薄っぺらいレンダリングであり、それはそのまま、
デザイン効用効果につながっていません。
したがって、まず、レンダ・スケッチの描けないデザイナーは、
私はデザイナーだとは絶対に認めていません。
どんなにPCが進化しようが「手」で考える土台がレンダです。
今では私のスタッフ達もMacでレンダを描きますが、
基本はマーカーレンダが描けなければ、CG表現の質は程度悪です。
清水氏は国内に限らずアジアのデザイナー教育を成し遂げました。
彼のレンダリングテクニックは、
技能だけを教えているものではありません。
レンダリングという実務手法の肝心要なこと、
それはデザイン表現での革新=デザイン発想を定着させる技術です。
先輩はデザイン、その技法技術をレンダに集約させてくれたのです。
この春、彼の集大成の展覧会があります。
それは日本からアジアのレンダリング技術の全容です。
デザインと「手」の最重要な関係の先駆者が先輩でした。
「最小限スケッチツールが最小限の存在理由」
「専門家の表現は手で美しく表現するべき」
「PCレンダリングの3D表現誤謬」
Tags: CG, スケッチ, スピードライマーカー, デザイナー教育, デザインと「手」, デザイン表現, レンダ, レンダリング(完成予想図), レンダリングテクニック, レンダリング技能, 手描き, 清水吉治
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10月 10th, 2013 Posted 12:00 AM
iPadの登場以来、私がまた趣味にしてしまったことがあります。
まず、スケッチが描けるだろうか。
書、特に草書体がスムーズだろうか、ということになります。
そうなると、スタイラスペンは自作することから始めました。
そのスタイラスペンが単なる導電ゴムだけのものは、
ほとんど信用はしていませんが、ペン軸や装飾がブルーだと、
どうしてもコレクションに加えてしまいます。
SU-penはこれで3度目の進化を遂げましたが、書き味は進化。
だから、これだけは手放すことができません。
最近、クリスタル製品ブランドが一つの進化を遂げていました。
というよりも、ペン軸のブルーがとても綺麗だったので、
買い求めてしまいました、
最初の頃は、USBでも512KBだったのはまるで嘘のようです。
今では、4Gもありますから、これがペン軸に仕込まれているのは、
随分と買わずにきましたが、この美しい存在感と使用勝手は評価。
iPad miniも持ち歩きます。
都合によっては、様々なスタイラスペンに拘っています。
もしこのスタイラスペンについての講義なら15回は可能でしょう。
このペンが筆記具の一つになってからの商品アイテムは無限です。
しかしながら、人間はそれぞれが保持している静電容量があり、
最近では、電圧をかけて一定にするスタイラスペンも登場です。
でも、私はあくまでもペン軸がブルー系を探しています。
デザイナーは「好きな色を持ってはいけない」という心情ですが、
私はこうした筆記具はじめ、身の回りの用品では、
ブルー系に対しては拘りぬいています。
素材的には、最近では染色無しでの可視光線操作だけでの青が、
見事に登場し始めました。
なぜ、ブルー系なのかということは、
それはプロのデザイナーとして、かなえたいことがあるからです。
青といえば、ラピスラズリがありますが、
海の色・空の色・岩石色ということで可視光線では特異なのです。
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8月 27th, 2013 Posted 12:00 AM
デザイン=designare→design。
ラテン語からアングロ・サクソン語になりましたが、
この本質を伝えるには、漢字一語がその本質を表しています。
「解」文字、この一字です。
牛には角があり、それを刀で・・・ということは、
解体し解剖し、あるいは溶解します。これが第一段階です。
次に、解体して分解したものを、解釈し解説することで理解です。
これが第二段階になりますから、解説されて理解に及べば、
第三段階は、解放されることになります。
つまり、目の前にある問題・課題・話題となっていることに対して
応答し回答し、そして解決することで、人はホッとするのです。
人は、常に問題を抱え込みますが、なんとか解決してこそ、
やっと解放されることになります。
そのために、人は、問題意識となっていることを
より明解にするべく、問題点に目印=signを付けるわけです。
この目印を付ける行為=do+sign=designareと断言できます。
問題解決された応答・回答・解答はいづれも「答」です。
「答」という漢字も優れて良く完成された文字になっています。
竹冠が「合っている」ことは「箱」という文字と対照できます。
それは箱には竹で編まれた蓋が付いていることと同義なのです。
「答」は最適解でなければなりません。
デザインは、問題点を明確にしていく思考過程に目印をつけて、
その分解・解体・解剖・溶解をすることで、
なんとか解釈をつけ、解説をすることで、理解を促します。
充分に理解できれば、人は解放されて人心地をつけられるのです。
私が、designが問題解決のための思考をめぐらしていくには、
具体的にはスケッチを描く=do+signを思考工程にしています。
たまたま、その目印が装飾的に見えるからこそ、
一般的には安易にデザインは装飾だと思い込んでいるのでしょう。
しかし、「解」・「答」という漢字とdesignareまでを
問題解決の思考に配置していけば、本当に「明確」な、
designの本質にたどり着けるものと確信しています。
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8月 17th, 2013 Posted 12:00 AM
先般、ある出版ジャーナリストの人のメモを見ていました。
あー、デジタルペンをよく使っている、という印象でした。
かつて私も使っていましたから、聞いてみました。
そうしたら、彼は3本目を使用中で私は最初のモノでした。
彼はこのディバイスの進化に併せて使いこなしていました。
じっくりと使い勝手を聴きました。聴くものです。
なるほど、そんなに進化しているとは思いもしませんでした。
最初の1本目でも、ピアノ鍵盤を書けば演奏ができました。
三本目になると、Wi-FiでそのままEvernoteに入ってしまいます。
びっくりしました。明らかな進化があったわけです。
実際、デジタルペンはこれまでほとんどを試してきましたが、
正直長続きはしていませんし、その機能限界を知るからです。
それなら、改めて、デジタルペンすべてを見直し始めました。
結局は、一番気に入っているノートに仕込んで、
1ヶ月になりますが、かなり技術進化し、
ノート取りそのままの通信環境と一致し始めています。
メモ帳もシリーズ製品としてのまとまりがあります。
ほとんどがiPhoneとEvernoteやMail環境と一致してきました。
つまり、「手書きと手描き」それぞれのデジタルペン、
その通信環境が整いつつあるということです。
私にとって重要なことは、手書きのメモ取りがあり、
さらに、手描きのスケッチが重大です。
しかし、無念なことはすべからく海外製になってきましたが、
手描きについては、国産製で十分なモノが進化しています。
いづれ紹介するつもりでいますが、
デジタルディバイスは新たな文具としての狙いは変化しています。
デジタル系であることは、ネットワークに繫がっている事。
これが最も重大なことであり、
そのネットワークアイテムの発想を最も信頼出来る経営者が大事。
しかし、国内でそこまでのことが出来る経営者はほとんど不在、
これが私の大きな懸念になっているということです。
「手書き」と「手描き」のネットワーク化文具こそ、
これから、わが国の先端的輸出品にする企業がほしいのです。
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