kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘nD情報化’


「資本主義からの逃走」
 「空間配置となるアンビエントアライアンス・コンテンツ」


   


     1月 28th, 2011  Posted 12:00 AM

「所有観」定義の変化
新コンテンツ産業案を提示しました。
仏語のvoir・avoir・savoirという経過。
見る・知る・所有するというコンテンツです。
そして、これらは「新情報産業化」への進歩を促します。
そして課題となっていくのは、
こうした産業の消費構造がどのように形成されていくかということになります。
この消費構造は明らかに、資本主義を革新する一つになるものと私は判断しています。
つまり、「所有観」という資本論での定義が変化するということです。
私の説明よりも、現在出版されている二つの著作と映画で確認できるでしょう。
是非とも確かめてください。

  ■ 著作は「The facebook Effect」・「フェイスブック」
  ■ 映画は「ソーシャルネットワーク」です。
二つの変革が提示されています。

まず、
  ● 物販流通ネットワークはこれまでのe-コマースが覆ること
  ● マスコミニケーションが分化し、広告手法が一新すること
アンビエントアライアンスの日常空間化
私は、こうした現象へと変貌していくには情報が「アンビエント・アライアンス」になり、
しかもこうした情報変質と情報ネットワークが日常化していくことになるだろうという予測です。
情報変質とは、3D情報からnD情報化がPCで可能となり、
このPCこそ、あらゆる機器に実装されることで、「コンピューターが消える」ということです。
さらに、情報ネットワークが日常化するというのは、
日常空間、すなわち、住宅・集合アパート・オフィス・生産現場、
「建築という概念と具体的な建築空間」そのモノが変わってしまうことになるでしょう。
日常空間の変貌は、デジタルによる「所有観」が変わるということになり、
これはマルクスの指摘予想を超越するということです。


目次を見る

「資本主義からの逃走」
     「3D情報の錯視化によるメタメディアの起動」


   


     1月 25th, 2011  Posted 1:10 AM

3D情報の錯視
透視図法による現実描写。
この描写は、2次元平面に立体が存在。
そして、この描写は視覚的な錯覚を起こします。
代表的な図・絵画としてはエッシャー作品があります。
あたかも、立体ながら実際には有りようの無い世界観です。
もう一つは鏡像現象が立体的である時にも錯視が発生します。
私は、2006年・金沢21世紀現代美術館の個展で、
この鏡像現象を展示手法にしました。
床・天井・壁を鏡面とした空間にモノを展示すれば、
錯視によって、あたかも三階建ての吹き抜け空間が生まれます。
これは、設計段階では、単なる鏡像現象を狙っていましたが、
現実空間では、想像以上の錯視空間が生まれて、
鑑賞者に大きな驚愕をあたえることができました。
したがって、3D情報にはある意味では情報処理での、
錯視的な印象が起因するのではないだろうかという予感があります。
このやや危惧的な予感の反極には、
情報が3D化からnD化すれば、その情報質と高密度な感覚受容も期待できることも予想できます。
私は、錯視の運用によって、情報確認の直視=情報理解の深度化を最も期待するわけです。
そして、この期待感の中で、
情報の媒介となるこれまでのメディアそのものが変質するということです。
メタメディア・ホログラメディア
このメディアを、メタメディア、あるいはホログラメディアという名辞を考えています。
たとえば、6D-CADというのは、
3Dでの立体映像が、物質次元・時間次元・人員次元の設計変位によって変化します。
つまり、nD情報化のデザインは、
メタメディアもしくはホログラメディアそのものを発見し発明することだと考えます。
新たなメタメディア・デザイナーという職能が要請される時代、
そんな時代が眼前になってきているとさえ思っています。
電子出版という現状の流れのメディア変化というのは、
実は、メタメディアへ変貌しかかっているのでしょう。


目次を見る