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Posts Tagged ‘Made in Japan’


「『危機管理デザイン賞』創設のねらい」


   


     8月 1st, 2012  Posted 12:00 AM

建築家が最も忌まわしき存在としているモノ、
その一つが「消火器」です。
しかし、これは公共的な場・建築には
必ず「見える場所」に配置されていなければなりません。
壁をくり抜いてオシャレな収納をやり過ぎると、
消防署から注意が入りやり直しとなります。
「消火器」は絶対必需品ですが、
徹底したデザインでの優れたモノはほとんど見かけません。
また、見慣れない消火器だったら、
いざ、という時に使えないかもしれません。
また「消火器販売を装った詐欺商法」もあります。
すぐれたデザイン開発が必要なモノであり日本が創るモノです。
この消火器を事例としても、
「いざ」という危機に対する万全体制づくりは現代問題になっています。
危機というのは、「いざ」とか、「まさか」の事態です。
私たち日本人は、
3.11で自然災害と原発事故で「想定外」を思い知らされました。
私自身、1000年に一度を、
わが人生でここまで思い知ることは「想定外」でした。
つくづく思うのです。
父は20世紀最後に逝きました。21世紀を見ていません。
もし、父が生きていたら、
彼なりに必死で「行学を祖国に尽くした」と思います。
1000年に一度をこれだけ経験したならば、
とことん、「危機管理」にデザインで対峙します。
大学人になってから「公共ネットワーク機構理事」職でもあり、
デザインの専門家として、
「危機管理対策」を提言する立場にありました。
「危機管理学」という学術的領域もありますが、
まだまだこの学域の存在も知られていません。
「危機とは、大変なことになるかもしれない危うい場合を、
危険な状態」というシンプルな定義があります。
ところが現代は、自然災害、人的災害という大区分がさらに複雑化し、
しかも情報での危機意識は
情報操作という危険認識をも作動させています。
デザインは、危機問題の問題解決・難問解決を図る有効な手法であり、
理念形成での形式・形態・制度設計にもつながっています。
本日、「危機管理デザイン賞」
Risk Management Design Award=RiMDA賞創設を発表し、
危機管理産業分野、対テロ対策特殊装備、学校病院危機対策装備から、
警察消防特殊装備をmade in japan化して国際化する趣旨です。


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「DESIGN TOKYO 三年目の成果が見えてきた」


   


     7月 8th, 2012  Posted 12:00 AM

日本が「ホスト国」であり続けること。
これは私が、日本の貿易立国・見本市コンベンションの最大目標です。
「製品デザイン」の中心国であることを意図して、
「DESIGN TOKYO」展を創って三年目になります。
この展示会は、二つの領域で構成しています。
まず、この展示会に出品できるかどうかは、
「審査会」を設けています。
今年はMoMAのアシスタント・キュレーターも入っています。
同時に様々な領域展も開催しているので、
日常生活のあらゆる商品・モノが見れることと商談が可能です。
アジアはもちろんアフリカ・欧米からバイヤーも増えてきました。
特に、「DESIGN TOKYO」はデザイン中心主義を高めると同時に、
次世代デザイナーの発表の場があります。
これは、私の強い狙いがあります。
海外で発表すると大変な出費になります。
そして発表成果はほとんど無いと言ってもいいでしょう。
しかし、この場なら、バイヤーと直接デザイナーから売り込みが可能です。
欧州の有名な次世代デザイナーや企業がショーアップしている展示会は、
高額な出品料を取られて、投資効果はゼロです。
韓国の次世代デザイナーはほとんど出品しなくなりました。
「DESIGN TOKYO」であれば、MADE IN JAPANが明らかです。
今年は台湾政府から
台湾デザインセンターが選別したモノが持ち込まれました。(写真右上)
ふるさと福井からは毎年、
Hacoaが審査通過して発表しています。(写真中央下)
ワイフが座って確認しているのは、
デザイナー提案の「椅子」であり、
毎年発表の場にしていただいてます。(写真右下)
来年は、出品意図を明解にしてもらうためにどうすべきか、
次世代デザイナーには、新たな産業を紹介し、
このような領域という「テーマ」そのものを提案します。


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「2012『日本文具大賞グランプリ』は書くことの再確認」


   


     7月 5th, 2012  Posted 12:25 AM

第23回国際文具・紙製品展=ISOTは盛大でした。
今年度の文具大賞は、ひとつのエポックだったと思います。
私は審査委員長として、次のことを総評として表彰式で述べました。
アナログとデジタルの融合がスマートホンで開始しました。
文具メーカー(作り手)より、ユーザー(使い手)は、
明確に、自分の日常での文房具のアナログ生活と、
スマホやPC、デジタル生活を身体的に、
能力認識として使い分け始めたことです。
それはグランプリが機能部門もデザイン部門も「ノート」。
つまり、結局は「書く」という行為に、
文房=記述・記録・筆記を決定していることでした。
私は、紙と文具において日本はトップだと確信しています。
それだけに、Made in Japanを体現している業界です。
ただ、欧州のブランドメーカーに比べれば、
低価格商品が多すぎると私は常に思ってきました。
しかし、機能部門グランプリ=Premium C.D. NOTEBOOKは高価格で、
シルクのような紙質面と書き味は世界でトップでしょう。
日本だから、日本の紙質だから、という技術言語になっています。
さらに、デザイン部門のデイリー・プランナー“エディット”は、
日常的なメモがスマホゆえに、
あらためて、一日1頁への記述を大切にという製品企画が見事に、
現代的なアナログ性とデジタル性との使い分け、
「書く」という行為ゆえに、
一日をどう生きたかということまでを商品言語にしています。
ともかく、取材マスコミも格段に増加し、
国際展の風格が育ってきました。
まさに「文具は日本がトップ」ということを
会場いっぱいに活気がみなぎっていました。


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9月8日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     9月 8th, 2011  Posted 9:06 PM

9月8日 丙寅(赤口)

海外に対して、
日本の製品のデザイン価値を、
国家として是認し、
かつ褒章することで、
Made in Japanで、
グットデザインである証拠立てが、
日本の産業を防衛していることである。

『デザインの極道論』したわしい


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「ショックドクトリンを日本が一新」


   


     5月 11th, 2011  Posted 12:00 AM

私デザインの商品化は今年です。
昨年、製品開発をしてきたモノの商品化。
まず、スポーツ用サングラス。
これには大きな目論見がありました。
3プライスビジネスモデルでの
メガネフレーム販売ショップに向けてある狙いがありました。
メガネフレームデザインはすでに25年以上関わってきました。
この領域マーケットとはまったく異なったユーザー相手でした。
私にとって、競合というより競争相手は、
世界的に勝負してきたのは海外4社しかありません。
それ以外の商品はメガネフレームとは認めること不可能です。
改めて3プライスビジネスモデルマーケットのフレームは、
商品デザインだけであり、フィット性能は無残なモノばかりです。
顔面や耳殻周辺とのフィット感が皆無だと判断してきました。
だから、メガネフレームの二極化している市場をさらに分離し、
なおかつ性能と機能の統合感を創り出したいと思ってきました。
しかし、まるでメガネ業界と言っても市場特性は別物でした。
それは想像していたことでしたが、
これはBOP-Businessへ展開していくことを目指しています。
すでにこれを目指したレンズやフレーム製品が登場してますが、
私も開発に関わってきましたがまったく納得出来ないモノです。
さらに新たなメガネ性能を、素材やレンズから解放し大革新です。
メガネフレーム機能のDesign by Japanを目指しています。
Made in Japanを変革する新たな産業姿勢だと確信しています。
すでに、「日本のモノづくり」=Made in Japanを
私は Business Design Modelにしていきたいと考えてきました。
その代表として、素材開発・実装開発してきたキーボード、
このアイテム分野でも今年は試すことができそうです。
製品開発からやっと商品発売されますが、世界市場相手です。
そして決定的になってきたことは、「ショックドクトリン」は、
まさしく「災害資本主義」に向かっているようですが、
私の意図、目標、目的は、ポスト資本主義市場へのデザインです。
日本の復興政策には、日本デザインドクトリンがあります。

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「資本主義からの逃走」
 「企業イメージはブランド戦略かC.I.戦略か」


   


     2月 9th, 2011  Posted 12:00 AM

存在イメージ戦略
世界的な不況感の中に囚われている企業。
その企業の存在性のイメージが浮動しています。
この浮動原因を見極めておくべきでしょう。その一つをメモします。
バブル時代には、C.I.ブームがありました。
企業が、存在イメージをC.I.デザインに求めました。
どれだけ多くの企業が、マークやロゴのデザイン変更をしたことでしょうか。
C.I.デザインというのは「コーポレートアイデンティフィケーション」ということで、
特にビジュアルデザインの統一性が競われました。不成功企業がいっぱいありました。
それは社長交代でマークやロゴが変更するということも一因でした。
JALなどもどれだけデザイン投資したのでしょうか。
どれも「失敗要因・拒否記号」というのが私の評価です。
最近は、かっての「鶴マーク」にもどされました。これもさらにブラシュアップが必要でしょう。
私はこれがC.I.なのかブランド戦略なのかが不明であることをプロとして観察しています。
最近、地方行政では「デザイン戦略というよりブランド戦略」という話を聞いて、
「なぜ?」って問い返すと、「ブランドというキーワードだと補助金がもらえるんです」とのこと。
大間違いです。
要は、C.I.戦略なのかブランド戦略なのかが不理解なまま、
そのような曖昧なデザイン高度化事業になっていることです。
書店では、「ブランド戦略本」ばかり見かけます。
立ち読みすると、デザインまったくわからずの著者が声高な文章で煽っています。
ブランド戦略
「ブランド戦略を」という依頼を受けることがあります。
私は、その前にビジュアルC.I.があまりに不整備なところには、
C.I.の解説から始めますが、理解できない担当者・経営者に唖然とするのです。
「ブランドって何ですか」と尋ね返します。
ほとんど正解は返ってきません。無論、すでに企業C.I.デザインなどは忘れられています。
企業というのは「社会的な存在性」が認知されてこそ経営ができるわけです。
だから、まず、アイデンティティを完備しなければ、ブランド構築などはありえないのです。
ブランドの原意
「ブランド」と飼育牛に「焼き印」を押すことが原意です。
この牛は、私が管理し育成しているという目印です。
だから、企業あるいは商品に「焼き印」目印がブランドのことであり、
それはC.I.というアイデンティフィケーションが不可欠です。
まず、ビジュアルデザインで整っていなければ「ブランド」構築には入れないわけです。
今、わが国のアイデンティが不明になっています。
したがって、「日本ブランド」の構築は不能だということを知るべきでしょう。
「日本ブランド」は「Made in Japan」で語り直せます。
ただし、「Made in Japan」のアイデンフィケーションをリスタラクチャリングが必要です。


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『資本主義からの逃走』
 「一般解と特殊解、どちらを選ぶか・デザイナー能力」


   


     3月 12th, 2010  Posted 12:42 AM

三つの答

答には三つあるということを述べてきました。
デザインした成果あるいは効果をデザイン解とするなら、
この三つの解は、分類ができます。
話題をデザインすれば、それはデザイン応答という解です。
課題をデザインすれば、それはデザイン回答という解です。
今、ほとんどのデザインは、この応答解か回答解だと
言い切ってもいいほど、
デザイン本来の「問題解決」を、
「解答」としたデザイン解答にはなっていません。
それを成し遂げるというデザイン力の低迷があります。
具体的には、「商品デザイン」がほぼ近似した造形デザイン、
その形態をデザイン解とするなら、
応答的な商品デザインになります。
そしてこれはほとんどが一般解です。
応答解としてのデザイン
回答解としてのデザイン

誰もが受け入れられるアイコン性のある造形形態が成立。
やや、一般解からちょっと説明、あるいはセールストークを
加えることになると、
それはQ&Aが必要となる回答的な商品デザインです。
現在ほとんどの商品は、この領域内から出られないのです。
したがって、「商品化」というのは、
一般解を特殊解にできるか、という問題意識が必要です。
しかし、この特殊解は一般的な理解が困難であれば、
どんな問題意識を持っていても、応答解か回答解からは
抜け出ることはまったく不可能です。
今、日本のデザインはこの応答解・回答解で低迷している、
というのが私の経験的な解釈です。
問題意識から問題を設定して、その解答をめざすには、
その問題解決をめざすデザインには、
大きな支援環境が必要です。
三つの支援環境
これも、三つあります。
●まず、経営的なサポートです。
「売れる・売れない」ということではなくて、これが「解答」、
特殊解ゆえに、
購買者=ユーザーへの訴求性を経営戦略のサポートです。

●次に、技術的なサポートです。
エンジニアリングの改善性から革新性、発明性での支援です。
もし、この革新性が造形に生きれば、それは特殊解であっても、
購買者=ユーザーの理解は素早く受け入れられるでしょう。

●最後は、ユーザーが、ともかく特殊解を求めている、
ユーザーの問題意識や問題解決に率直かつ簡素に「解答」、
というデザイン解答であれば、特殊解は成立します。
デザインは、一般解も当然必要ですが、
デザインという問題解決手法そのものを進化させるには、
「デザイン解答=特殊解」を導き出す能力が要求されるのです。
デザイナーの能力=デザイン才能
そして、その手法開発をmade in Japan化することが、
現況・不況への「デザイン解答」=特殊解の発見にほかなりません。


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2月15日Staff Blog


   


     2月 15th, 2010  Posted 11:18 PM

2月15日

倉庫整理継続中。
まだまだテープレコーダ類、
SONY製品、Made in JAPAN。
テープも入りっぱなしです、
移り気な
BOSS(川崎和男KazuoKAWASAKI)

倉庫整理継続中。
秀作、
YAMAHAとポルシェデザインのヘッドホン。
YAMAHAとマリオ・ベリー二の作品は、
今でも手に入れたいモノがあるとか。


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『資本主義からの逃走』
 「iPadがまた拡大させる!?・批判or批評or非難、
               iMacの私の経験から」


   


     2月 5th, 2010  Posted 2:37 AM

iPadだ!
未来 見えているか?

iPadのNewsは様々な批評や期待で一杯です。
Apple社、ジョッブス氏の活発さに惹かれます。
そこには、いつも私たちは未来を見るわけです。
現代、こうしたNewsが、
多大な問題いっぱいの世界をやや救ってくれています。
それは閉塞感満ちあふれる日常での救いでしょう。
かつて、私はiMacを100人評価する雑誌で、
唯一、「ゴミだ!」って発言して、
ほとんど日本中から袋だたきに遭いました。
さらに、Gマークでも金賞候補からはずす主役でした。
問題点は、三つありました。
一つは、すでにあのモックアップは見ていましたから、
がっくりしたのです。
環境ホルモンと流行
ところが、
理由はそれが、ポリカーボネート製でした。
これが二つ目の理由でした。
ビスフェノールAという環境ホルモンの問題です。
今では、ポリカのリサイクルシステムもできましたが、
当時はビスフェノールAだ!って叫んだのは私だけ。
さらに、これがカラーで透明だったので、
おそらく日本の様々な文具から何にでも、
流行現象」が蔓延してビスフェノールAに無頓着、
というのを、一人でも食い止めたいと思ったからです。
まあ、脅迫メールは届くは、
ポリカ業界からも散々な目に遭いました。
この時にも、私は自分を「職能家・デザイナー」を、
絶対に押し通そうと言い聞かせて、耐えました。
結局、「流行」は去り、ポリカのビスフェノールAは、
WHOから、「懸念ある素材」となり、
産業界はリサイクルシステム無しには、
素材使用は自粛されました。
「川崎は理詰め」と言われますが、
理性と感性には、順位があります。
「理をつめなければ、けっして感性優位は排撃すべき」
というのが、私のデザイナーとしての信念です。

私は、iPadには、二つが無かったと思っています。

「新素材・made in Japanを知らなかったこと」
「清潔感をコンセプトにする」

ということです。これは「批評」です。
それでも、iPadが、「iPod」がデカイだけ、
というのは、非難であり、未来が見えていません。
これは駄目でしょう。
私は、私の批評ポイントをはずせば、
やはり、「やられた!」といわざるをえません。
そして、必ず、私の二つの批評が合体するモノを
最も希望しています。


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1月31日Staff Blog


   


     2月 1st, 2010  Posted 9:30 AM

1月31日

PCやTV、Mobile Phoneから
医療機器、ロボット、宇宙関連など、
先端的な要素技術がMade in JAPANで
あって欲しいけれど、
i Phoneのアクセサリーグッズが
Made in JAPAN。ちょっと悲しい。
BOSS(川崎和男KazuoKAWASAKI)
もBLOGに書いておられますが。
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でも、4色買いです。
Made in JAPANを支えられるように
デザインがディレクションしていかないと、
製造元が消えていってます。
Made in JAPANの道標は、
デザイナーがつけていく役割です。
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