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『私デザインの最終商品がオークションで入手する』


   


     3月 26th, 2019  Posted 12:00 AM

今までは手に入らなかった自分デザインを手に入れています。
当時は、SZ-1000は市場価格10万円だったモノ、
まだ私は月給5万円の頃ゆえ、デザイン担当だけれど、
その頃には高級過ぎて、手にすることが出来ませんでした。
それをオークションで入手できますし、
また、店舗用ディスプレイモデルまで出ていました。
今ではSZ-1000も5台まで持っています。
なにしろ、東芝時代の最後の作品であり、これがプリアンプです。
それもエレクトレットコンデンサーで、
それには最高のエレクトレットコンデンサーのカートリッジだけです。
この開発には、エレクトレットコンデンサーのチームと
私だけで進めました。コンデンサーや回路基板までデザインしました。
デザイン部長からも、何度も「何かやってるだろう」と
質問を受けましたが、その返答は「何もやっていません」、でした。
3年かかり、出来上がったときには
部長にこっぴどく凄く叱られましたが、それも許容される良き時代でした。
しかし、これはオーストラリアからTV取材がきたことや、
オーディオマニアにとっては、大ヒットしました。
これに力を貸してもらったのは、
オーディオ評論家の故・菅野沖彦先生でした。


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『センスの有無が判断できる椅子と曲の選択』


   


     8月 27th, 2017  Posted 12:00 AM

もはや興味がつきなくて、絶対収集して、実物を生活の傍らに。
最近、この癖を止めようと自分に言い聞かせている私です。
が、Z-Chairは、本当は6脚並べたいと思っているぐらいともかく好きです。
Z-Chairはあのリートフェルトが果たしたZIGZAG Chairです。
時折TV番組で観る土曜朝に「サワコの朝」というインタビュー番組。
この番組に田中泯氏が登場しました。
この番組には登場者が椅子を選びます。
そして、田中泯氏はこの椅子を選びました。
正直、あの番組ではこの椅子の選定で私は「センス」を推し量るのです。
プロのデザイナーとして、私は絶対的に「センスを決定」するのです。
若い頃、新人の東芝マンであった頃、Aurexの自分デザインを
秋葉原のオーディオショップを持ち回っていたら、
激しい批判いや非難をしばしば受けていました。
そのショップオーナーが、自分のカフスボタンを見せながら、
「デザイナーなら、この程度の仕上げをしろ」とか言われて、
「貴方のセンスがその程度なら結構です」と反論して、怒らせました。
営業からは、「相手を怒らせるな」と忠告されましたが、
「あんなセンス無しの店には置かない」と言い放し、
川崎は営業で随行させるべきではないと言うことにもなりましたが、
私は平気でデザイン部長からの説教も聞き流していました。
さて、田中泯氏がこの椅子を即決で選んだと
パートナーの石原淋さんとのメール交換で分かりました。
そして、彼の曲の選定でもびっくりしたのです。
それは阪大同僚の石黒教授と全く一致していたのです。
石黒教授はアンドロイドロボット学者です。
彼とは「こんなん見つかったぜ」とかで、
彼からは「こんなんどう?」とかやりとりする仲です。
要は「センス」の問題には、実は、機能も性能も効能も超えて、
「センスゆえの美学」があるのです。
こうしたことを超えて、Z-Chair=zigzag chairが存在しているのです。
ですから、なんとかレプリカでも本物はやっぱり私生活に必要です。
それは、この椅子の造形を超えているだろうか?
この椅子の側で自分デザインが存在するか?なのです。

* 『場踊りと言語舞台・「影向」によって』
* 『この男に惹かれる・舞踊と舞踏がテーマになってきた』
* 『男に嫉妬あり、田中泯と松岡正剛の間に割り込む』
* 『Red & Blue 生誕が来年で100年になる』
* 「誤謬へのシンボライゼーションプロトタイプ」


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「最近の実装設計に問題あり」


   


     1月 19th, 2013  Posted 12:00 AM

ここ数年、回路設計と機構設計に関与しながら、
私は日本の工学設計での大きな失望感を禁じ得ません。
回路と機構を私は「実装」と呼んでいると同時に、
日本の工学技術から生まれた素晴らしい表現だと
日本人として誇ってきました。
かつてApple本社で仕事をしていたときも、
ConfigurationチームとLayoutチーム毎のミーティングを
同時にする提案をして、
それをConfiguration Layoutと名付けました。
ところが、
最近ではこの「実装設計力」が相当に低下していると判断しています。
理由は三つあります。
まず、

・本社設計機能を下請けに発注すること。
・パソコン設計に委ねていて、3Dソフトに頼っているために、
    その大きさや重量配分などの実体験が欠落していること。
・自分でハンダ付けやメカ製作を「手」でやる経験を
    教育システム自体徹底させていない風潮が蔓延していること。

これは、
わが国の「モノづくり」力を具体的に失ってきているということで、
私は大変に危険な傾向だと指摘しておきます。
図面で、29.351なんて寸法表示を見ると、
それこそ、気分まで悪くなります。
30.0かもしくは、29.0なら、
なんとしても25.0にすべき設計でなければなりません。
そして、
企業の設計部隊の中間管理職=課長や部長も見逃していることです。
これでは、
デザインによる外観=スタイリングは甚だ最適なデザインは不可能です。
私はオーディオからスタートしているので、
実装がそのまま音質にも多大な影響がある、
そのことを熟知しています。
だからこそ、今、わが国の工学設計においては、
実物部品、回路設計を手づくりすることを
教育カリキュラムに入れることを再検討すべきでしょう。
私は、常に回路図や機構図にも手を入れます。
そして、そのテクニックを若いスタッフや学生にも、
しつこく語り継ぐことに徹しています。
回路図には必ずセンターラインがあり、
電子部品の配置では重量バランスなどを、
徹底的に身体で覚え込むテクニックが必要です。
若いエンジニアには、engineeringの意味は、
「合理性で無駄を排除すること」これが定義であることを、
しつこく語っています。


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