kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘第二次大戦’


08月25日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     8月 25th, 2017  Posted 12:00 AM

08月25日 仏滅(甲申)

人間工学は機械工学の一分野であった。
安全と効率によって
人間を守る意味があった。
が、第二次大戦後、
エルゴノミックスは見直され、
ヒューマン・ファクターエンジニアリングに
なった。

川崎和男の発想表現手法


目次を見る

『落下傘としても羽二重は最高品質だった』


   


     10月 19th, 2015  Posted 12:00 AM

2012年からふるさと福井の繊維産業の一新化に関わっています。
ともかく、歴史から福井の繊維を語り直そうと考えています。
それは「羽二重」が絹織物の名品となって
日本からの貿易輸出品だったこと。
ゆえに羽二重から人絹取引所まで生まれ、
今はポリエステル繊維が中心になっていますが、
羽二重が最高に優れていたのは、
これが落下傘=パラシュート素材でした。
富岡製糸場は由利公正が西洋の絹糸を学ばせた最初の工場でしたが、
生糸では欧州とは競合が出来ないことから、
縦糸2本に横糸1本で羽二重こそ、最高の絹織物でした。
そして、日本には落下傘部隊が誕生し、
それは左上がその部隊のマークだったらしいのです。
羽二重でのパラシュートは、最高のモノであったらしく、
そのパラシュート生産の産地が第二次大戦時には、
米国から大変な空襲を受けて、福井は焼け野原でした。
当時、米国兵たちもパラシュートは持ち帰って、
ウェディングドレスにしたものらしく、
羽二重織物を超えるために、ナイロンが出来たとさえ言われています。
由利公正と言えば
五箇条の御誓文・東京府知事ですが、
それは橋下左内と横井小楠の殖産興業の興し方から学んだことでした。
絹織物は羽二重が世界を制し
日本の輸出品筆頭は九谷焼磁器を凌ぐばかりか
落下傘部隊創設も、
パラシュートとしても最高であったことは知られていません。
生糸産業、羽二重産業、それは人絹織物とまでなり、
人絹取引所は、
その文化までが福井にはあったようでした。
私自身が子どもの頃は親戚の織物工場は学校より大きいものでした。
ところが、最近では羽二重は、お土産物の羽二重餅が知られていて
羽二重が最高の絹織物ゆえに落下傘までが進歩していましたが、
このようなことはすっかり忘れられています。
かつて、福井大学では繊維工学が隆盛していましたが、
繊維工学科はもはや信州大学にしかありません。
私は、生糸→羽二重→人絹→ポリエステルを
さらに進化させた高機能ポリエステルでの新たな商品アイテムづくりが
私にとって、パラシュートを陵駕する、
トランスポテーションや防災、医療、全く新たな産業を
生み出してくれるものと思って
デザイン戦略=問題解決戦略を織物産地に、
その象徴が、羽二重での落下傘=パラシュートだと
私は考えています。


目次を見る

『「羽二重」ブランドの発表を決定する!』


   


     7月 30th, 2014  Posted 12:00 AM

私は福井県織物組合の青年部会と新ブランドを考えてきました。
28年前にも取り組みましたが、上部からは公認されずに、
私自身は悔しい思いをしてきました。
ところが、当時の提案をある企業は実現して話題になっています。
デザイナーとしてこの天職にありながら、
どれほど悔しいことを何度もしてきたでしょうか。
だからそうしたことが、私にとっての対人関係の決定要素です。
「自分の職能・能力に素直に実践実働をすること」。
そして「その実現出来たことに感謝すること」が最も大事です。
今回、福井県が繊維産地として、私自身が幼少の頃からの想いと、
プロのデザイナーとして、「絹」からポリエステル繊維、
さらには新素材までをターゲットに新ブランドは「羽二重」に決定。
これは幕末の殖産興業に関わった先達へのオマージュです。
今や「羽二重」=HUBTAEと呼ぶことさえ忘れられているでしょう。
かって、福井は第二次大戦で爆撃を受け街は消滅しました。
理由はパラシュート・当時は絹製の産地であったからです。
このパラシュートを再現して見てみたいと真剣に思っています。
この青年部会でも「絹織物」企業は僅かであり、ほとんどが、
ポリエステルが中心になっていますが、私には新素材イメージがあり
新ブランド発表後は新素材開発を促していきたいと狙っています。
絹は蚕から布を織機で紡いで織り出していく人類の智恵であり、
その結果としての絹には「しなやかさ」が最上の自然産物です。
そして、人工化して人絹はポリエステルという布として最高のモノ、
問題点は、肌の呼吸とはまだ不一致なことです。
私がデザイナーとして取り組み、繊維の若手プロたちがその実現を、
この背景には、織物の歴史を追いかけ、布にある感性評価は、
未だに決定されていないがゆえに、学術的な決定を試みました。
感性評価は提案であり、これこそ日本だから出来ることを見せます。
その結果としての目的に、新製品開発の事例を発表するつもりです。
「織ることから創る」産地に繊維・布=羽二重があること、
この証明と世界への発信を試みるつもりです。
私たちは確約たる織物づくりで世界でトップの布を情報化します。

「『はぶたえ=羽二重』の目立たなかった布の美しさ」


目次を見る