「異化としてのデザイン」
を
再検討してみる
必要がある。

なぜなら、
異化作用がもっている
分解して
感得させるエネルギーは、
外界の時代的な代謝を
自己の心的構造に
適合させていくための
古典的な手法として、
デザインが
時代や社会に
同化することで
失ったことを
取り戻せるかも
しれない。

しかし、
より複雑化し
高密度化する現代では、
より簡素化できる
異化的な作用を
見直す必要が
あるのではないかと考える。

むしろ異様であったり
異物的なことは
社会的に廃絶される。

この歴史的な表現手法は
すっかり
忘れてしまっている。

見慣れたモノに対して、
よそよそしく共感を拒否し、
さらには表現内容が
拒絶されるまで
異物的な存在に
みせることで、
かえって
表現の形式と内容を
いっぺんに
感得させるという
ことである。

表現形式に、
この異化作用的な手法を
V.B.シクロフスキーは
試みた。

物質代謝が、
体内の複雑な化合物を
より簡単な物質に
化学的に
分解する作用を
異化作用とよぶ。