8月 8th, 2016 Posted 12:00 AM
「紙」は日本の文化の産物です。
それは和紙にその根幹があります。
ところがユネスコ遺産に、越前和紙が選ばれなかったということは、
本来1500年の和紙文化という継承性に対し、
日本の国家の勝手な制限制度によって、
和紙産地はまるで破壊されたようなものだったと思っています。
和紙づくりは越前の山奥で始まったと言われています。
川上御前という女性が突然現れて和紙づくりを教えたという
このような逸話が残っていますが、これは想像です、
多分、飢餓で苦しんでいる山奥の里に朝鮮からの誰かがおしえたのでしょう。
30代の自分は、福井県越前市の山里に「森羅万象悉く紙なり」という
このコピーでオータキペーパーランドという産地ブランドづくりに必死でした。
無念ながら、この産地活性化は成功せずに終わりましたが、
和紙そして紙への知識と見識をデザイナーとして一杯得ることができました。
越前和紙をレンブラントが使っていたということも最近は分かりました。
折角、日本の紙の原点である越前和紙をなんとしても駆使しようという
その動きが出てきました。
そこで、「大学ノート」と言われるいわゆる学習帳面に、
その最高級品で1000年は大丈夫という大学ノートに仕立てた
大学ノート様式の非売品をいただきました。
帳面ゆえ相当に廉価である必要があります。
確かにとても高額なノートもあるだけに、大学ノート仕様では
とても市場性はありませんが、自分自身がアドバイスを考えて、
なんとしても世界に誇れる紙を越前和紙からと思っています。
なにしろ、100円ショップで事足りてしまう大学ノートのままでは
とても商品、その価値創出はほとんど困難であり、最近では石灰からの紙も
そして古紙から10回もリサイクルし、しかも水無しでの紙が創られる時代です。
紙づくりには、水をどれだけ必要とするのかとか、
リサイクル性が要請されています。
それ以上に「書き心地」の大問題があります。
鉛筆、サインペン、ボールペン、筆、万年筆での書き心地です。
そうゆう意味では越前和紙はまだまだこのように一応大学ノートで、
という開発が見えてきたようです。
デザイナーとして最高のアドバイスを与えたいと考えています。
* 『和紙は越前和紙ぬきになぜ語れるのだろう!?』
* 「越前和紙から名塩和紙への悲しい物語り」
* 『納得出来ない日本の伝統技=和紙の切り売りと分断化』
* 『越前和紙に私専用を特注、なぜなら伝統の技能だから』
* 『やわらかい美しさのあるノート』
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12月 17th, 2014 Posted 12:00 AM
「和食」はユネスコ認定されましたから、
ともかく日本の食文化全体が伝統文化としてグローバルな認定でした。
しかし、「和紙」でユネスコ認定されたわけではありません。
ひたすら和紙産地が、国内の中でも「自分たち」だけを
官僚経由でユネスコ認定を勝ち取って自分らが本物と主張しただけです。
厳密に言えば、1300年の歴史は1500年の越前和紙との、
私が絶対に許せない「差別化」謀略を完成させただけのことです。
したがって、「和食」は農林水産省の仕事であり、
「三つの和紙産地」認定は文部科学省の仕事だったことです。
日本人だって、ユネスコ認定での日本国内の取り決めなどは全く、
私たちは知るわけがありません。
私も、福井県選出の国会議員と一緒に文科省のお役人から、
詳細を聞かされて知ったというわけです。
認定された和紙も楮に限定されています。これが文科省の仕事?
雁皮の困難さ、土佐楮は選ばれず、溜漉き、黒漉き無視なんて
本当の和紙技能は選外ですから。
冗談じゃない!、申し上げたい、お役人に何が分かっておられるのか、
しかも、マスコミのバカどもは、和紙でドレスが出来る?って、
それは和風紙(純楮ではない紙パルプの草紙)です。
知性無き文科省の官権を、絶対に認めない人間がいます。私です。
それは私だけでなく、極めて悟性ある多大な仲間がいます。
ユネスコ認定自体を、私は実物と歴史性そして伝統的制度論で、
海外アピールする覚悟でいます。
なんと言っても、越前和紙から和紙が全国各地に伝承されたことを
私自身が熟知と経験から、文科省のこの認定を海外から壊します。
海外のデザイナー仲間は絶対に私を全信頼しますから。
なぜ、私がこの覚悟と決意をしているかは、
文科省の認定に関わり、私に説明した担当者の偉いさん達、
じっくりと再考を真摯に、そして激烈に私は求めます。
メールも平然と無視できるそのような人たちです。
もちろん、この認定を取り付けた産地は和紙づくりに真剣でした。
この認定を知った後で、あわてふためいた産地は猛省を、そして、
首長の知事や市長は、全く伝統には無知だったと指摘しておきます。
『和紙は越前和紙ぬきになぜ語れるのだろう!?』
『越前和紙に私専用を特注、なぜなら伝統の技能だから』
『享保の手帖から私が学び直したこと』
「伝統は熟知必然・実例としての和紙か和風紙か」
「越前和紙から名塩和紙への悲しい物語り」
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1月 29th, 2012 Posted 12:00 AM
明らかにこの和紙は越前和紙ではなかったのかもしれません。
泥土を漉き込んだ雁皮紙は、兵庫県西宮市名塩の溜漉きです。
これが越前にもあったのかもしれません。
名塩和紙は越前和紙を進化させた溜漉きの雁皮紙です。
この名塩和紙には、伝説がありました。
東山弥右衛門という名塩に越前和紙技術を持ち帰った人物の話です。
名塩には雁皮が山野に群生していました。
彼はこの雁皮が和紙になることを知り、
それを越前に出向いて修行をします。
しかし、和紙づくりは門外不出、言わば産地秘密です。
したがって、彼は養子になり結婚もし妻子を持ちます。
けれども、彼のふるさとである名塩に妻子を置いて帰ってしまいます。
心が引き裂けるゆえさらに紙漉きに没頭し
新たな技術を発見したのかもしれません。
名塩の雁皮紙が越前にも伝わったとき、
妻子は彼を名塩に訪ねていきますが、村人は会わせません。
だから、妻子ともども身を投じたという説、
妻子は癩病=ハンセン病だったゆえ殺されたという説、
四国の遍路さんになって行方不明になる説など、
悲しい話があります。
しかし、名塩千軒と呼ばれるほど、名塩村は発展し、
そのことで顕彰碑が今も残っているほどです。
でも確実に、越前の宮大工図面として
雁皮紙に泥土を漉き込んだ和紙はありました。
そして、復元を申し出たとき、
このような和紙を漉く技法は絶えてしまったこと聞きました。
同様に、漆器でも灰皿は不可能です。
これはタバコ盆に漆を塗り込む技法も絶えました。
伝統工芸の様々な素材に加工技を込めて
進化させてきた技法は随分と消滅しています。
ところが、消滅どころか元々の産地から村八分となったから、
さらに進化を遂げた技法もかなりあります。
また海外にて日本の伝統技が現代、さらに進化を遂げつつある技術、
すなわちイノベーションも多くあります。
こうした消滅した技法・技術、
まだまだ進化している技術を
なんとか確認して語り継ぎたいと思っています。
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