8月 2nd, 2015 Posted 3:22 AM
「ひかり」がLED光源となり、WiFi環境とスマホのアプリで、
確実に調光制御が可能になりました。
しかし、私は光制御では大きな限界があるということは確実です。
つまり、ひかりとあかりという文化体系を日本美学の
それも中核にしてきたことを私たちは受け継いでいく義務があります。
その一つの象徴が「陰影礼賛」で私たちに伝えられています。
私は、ショールーム設計、ショールームデザインで、
最も重要なことは、影と陰をつかいわけるセンスだと考えています。
まず、ひかりというのは、あくまでも照射速度があり、
「見詰めることが不可能な照射」であり、
センス無き、デザイナーや建築家になるとこの分別ができません。
かつて、極めて有名な照明器具メーカーで先端的なショールームで、
私は吐き気を覚えるほどの気分になりました。
それはただ現代的ショールームと言いながらも、最悪のデザインでした。
そのショールームには、まず、影が出来ないのです。
陰にまで知的センスは及んでいませんでした。
そこで、あかりというのは、「見詰めることが出来るひかり」です。
それは蝋燭のひかりを思い出せばイメージは明らかになると思います。
蝋燭の光は灯りです。また、日差しが室内に障子から注ぎ込むとき、
それこそまさに「陰影礼賛」の世界観になるのです。
LED光源は日本が発明した素晴らしい文明であったのですが、
文化になるためにはひかりをあかりにしなければなりません。
それを制御するのはたった一つの手段しかありえないと思っています。
それは鏡を使うという技法に集約されます。
なるほど、神道において、あるいは三種の神器においても鏡の存在は、
まさに鏡面での太陽光通信から始まり、鏡面での光通信技術にまで、
現代は至っています。
従って、鏡への照射と反射によって、光はあかりを陰影として制御可能。
しかし、このためにはデザインと技術、デザインと通信においての
新たな鏡面反射が求められていることに、
どれだけのデザイナーが注視し、LEDも電球も同じとする、
その実際を確認しているだろうか、と疑問です。
Tags: LED光源, WiFi環境, あかり, アプリ, ショールームデザイン, ショールーム設計, スマホ, ひかり, 三種の神器, 不可能, 光通信技術, 影, 日本美学, 灯り, 照射, 照射速度, 照明器具メーカー, 神道, 蝋燭, 見詰める, 調光制御, 鏡, 鏡面, 鏡面反射, 陰, 陰影, 陰影礼賛
Posted in ConsilienceDesign, 企望を「までい」具現へ, 危機解決をめざすデザイン実務
目次を見る
4月 24th, 2012 Posted 12:00 AM
フリーになっても、オーディオデザインで生きていく、
その気持ち、志は変わっていませんでした。
東芝Aurexでは、音響機器の工業デザインに留まらず、
イベント企画=Aurexコンサートやオーディオフェアなど、
ショールーム設計、レコード編集、量販企画まで
なんでもかんでも興味いっぱいに首をつっこんでいました。
意匠部長(現デザインセンター長)にはしばしばしかられつつも、
チーフがいつも私の自由行動を許してくれていました。
実際は意匠部長もかわいがってくれていたのです。
上司には本当に恵まれた東芝は、私を鍛えあげてくれていたのです。
音響機器デザインをより拡大したい、
この想い、デザイン領域の拡大という志は今も変わっていませんが、
オーディオにビデオアート・作曲録音・多チャンネルHi-Fi再生を
作品化しようとしていました。
30-Channelというのは、
30個のフルレンジスピーカー=ロクハンを曲に合わせて
一個一個制御しようと考え実現しました。
リレー回路でSPチェンジするプログラマブルコントローラーでした。
今ならパソコンで簡単に可能です。
しかし、この投資は発表はできませんでしたが、
現在、「アンビエントアライアンス」に繋がっています。
「興味を持ったら、徹底的に納得するまで実行する」。
これこそ「行学」の基本だと私は思い、行動を起こしてきました。
どれほど当時は無駄遣い=浪費したかしれませんが、
人生において重要なことだと考えます。
だから、このことは教育者としても、
自分で作為的に重ねてきた経験ですから、
学生、次世代デザイナーには強調主張しておきたいと思います。
そして、そのようなことを試みているデザイナーということで、
フォーライフ・レコードや
「流行通信」、PLAYBOY 誌や平凡パンチ誌にも伝わり、
フォーライフ・レコードからデジタルガレージ設立や
「流行通信」に連載を持ちました。
けれども、徹夜仕事やメチャクチャな生活習慣で、
すっかり体調を著しく悪くしてしまいました。
父や金沢美大の恩師からも「帰ってきなさい」、
常に診てもらっていたドクターから
「ふるさと」へ帰れと命じられてしまいました。
丁度、ジョン・レノンが暗殺されたこともあり、
(私の青春は終わった)との気持ちいっぱいになり、
大きな挫折感を持ちながら、56豪雪になろうとする福井に戻ったのです。
Tags: 30-Channel, 56豪雪, Aurex, Aurexコンサート, Hi-Fi, PLAYBOY, SPチェンジ, アンビエントアライアンス, イベント企画, オーディオ, オーディオデザイン, オーディオフェア, ショールーム設計, ジョンレノン, チーフ, ディスクガレージ, デザイナー, デザイン, デザインセンター長, デザイン領域の拡大, ドクター, パソコン, ビデオアート, フォーライフレコード, フリー, ふるさと, フルレンジスピーカー, プログラマブルコントローラー, リレー回路, レコード編集, ロクハン, 上司, 主張, 人生, 仕事, 体調, 作品化, 作曲, 作為的, 再生, 制御, 基本, 多チャンネル, 学生, 実現, 工業デザイン, 平凡パンチ, 強調, 徹夜, 志, 恩師, 想い, 意匠部長, 投資, 拡大, 挫折感, 教育者, 暗殺, 曲, 東芝, 次世代デザイナー, 気持ち, 流行通信, 浪費, 無駄遣い, 父, 生活習慣, 発表, 福井, 経験, 自由行動, 興味, 行動, 行学, 連載, 重要, 量販企画, 金沢美大, 録音, 青春, 音響機器
Posted in 企望を「までい」具現へ, 祈望から企望へ
目次を見る
2月 5th, 2011 Posted 12:00 AM
音響と映像へ・見えないシステム
デザイン情報と情報デザインは使い分けます。
デザイナーをめざして、美大時代に決めたこと。
それは、「見えない物事」をデザインしたい。
選んだのが「音」でした。
モノとしては音響機器をインハウスデザイナー時代に携わりました。
コトは、音響、音楽を聴くという状況のデザインでした。
東芝でAurexブランドの立ち上げから、
Aurexブランド製品開発から商品展開・国内のメイン都市にはショールーム設計まで経験できました。
さらには、東芝EMIでは録音技術・ミキシングも学ぶことができました。
バイノーラルレコードや、45回転LPのディレクターもできました。
ちょっと自慢すると、バイノーラルレコードを日本で最初にLPレコードにしたのは私であり、
日本のレコーディング記録に残っています。
ともかく、オーディオをプロとして学び、設計し、商品という作品を残せたことは幸運でした。
オーディオに関しては最も詳しくなり、今では第一の趣味は音響システムです。
自宅もオーディオ中心で、すべての部屋をリンクしています。
そして今や、もうCD試聴の時代が終わろうとしていることです。
さらに、ホームシアターとしてのN.n-channelを求めています。
こうしたモノとコトを音響と映像に向けて考えることは私の人生では大きなことです。
日常、自宅で音響さらに映像を試していることは「デザイン情報」だと考えています。
「デザイン情報」として、音響と映像のモノ・コトを見つめると、
国内外メーカーの商品やそのシステムにはまったく満足できません。
Tags: 45回転LP, Aurex, CD試聴の時代が終わる, N.n-channel, ショールーム設計, デザイン情報, バイノーラルレコード, ホームシアター, ミキシング, 商品展開, 情報デザイン, 東芝EMI, 製品開発, 見えない物事, 音, 音響システム, 音響機器
Posted in 068 「音響と映像」, 資本主義から逃走せよ!
目次を見る