2月 6th, 2014 Posted 12:00 AM
この数年、陶磁器に深く関わってきました。
子供の頃から陶磁器については最良品が私の生活にありました。
そして、大きく気づいていることには、
これまでお皿・器の絵付けと磁器素材と料理盛りつけに対して、
陶磁器づくりと料理人の間には、
全く工夫どころか革新も無く既成概念がそのまま商売の無慈悲。
西洋料理をベースにすれば、現代料理は、
真っ白=ボーンチャイナだけに料理を配膳してきたことです。
それは、磁器への絵付けパターンに最も技術集約をしてきたモノ、
九谷焼は日本料理界でも料理の盛りつけを際立たせないことで、
九谷焼そのものが残念にも市場性を失ってきたのです。
産地もそのことを知って、九谷焼然を如何に表現するべきか、
現代料理との整合性を図ってきたようですが無駄です。
私はこのお皿と料理の関係性で、見失っていることを指摘します。
まず、料理人がボーンチャイナ=真っ白器に頼り過ぎだったこと。
これは料理人能力が備わっていないことを明示しています。
私の見捨てがたいコトには、現代料理と称する和洋折衷様式です。
西洋料理・日本料理・中華料理の「器選び能力」の有無を見ます。
したがって日本料理で九谷焼を最適合させれる能力を評価します。
無論、高価でもいい加減な九谷焼も増えていますから、
これらは論外ですが、ボーンチャイナの白背景での日本料理、
これは最悪のお皿と料理の関係です。
ミシュラン評価もこれが出来ていませんから無視すべきでしょう。
陶磁器づくりと料理づくりの関係は至極大事です。
しかし、陶磁器産業と料理の関係を、活性化策ということで、
行政や能無きプロデューサーの提案実施は随分みてきましたが、
これまで全て失敗していることは明らかです。
その最大の理由は、磁器づくりと料理づくり、
それぞれのあるかと思わせているが能力無しが増えています。
確かに料理道具は進化しましたが、進化せず。
比して、磁器づくりは全く進化していないと私は判断しています。
【ブログの関連記事】
『陶磁器産業地を視察して・伝統産地は県行政を決定する』
「六古窯・越前焼ー若い才能が復元から再興を始めだした」
「陶磁器は進化も革新もしていなかった、私の判断」
「自然から学んだはずだった・・・のだが?」
「陶磁器メーカーの相次ぐ倒産はやむなしかもしれない」
Tags: プロデューサー, ボーンチャイナ, 中華料理, 九谷焼, 和洋折衷様式, 商売, 子供, 市場性, 技術, 整合性, 料理づくり, 料理人, 料理手法, 日本料理界, 最良品, 現代料理, 産地, 皿, 真っ白, 真っ白器, 磁器, 磁器づくり, 絵付け, 能力, 行政, 西洋料理, 進化, 陶磁器, 陶磁器づくり, 革新, 高価
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1月 19th, 2014 Posted 12:00 AM
陶磁器に実際、自分のデザイン作品を商品化して以来、
佐賀県の古川知事と懇意になり今回産地の視察と会食をしました。
有田・伊万里焼に関わらず、佐賀県全体へのデザイン企画提示。
そして、何よりも産地の技術センターや窯元を視察しました。
佐賀県庁では陶板のあの柿右衛門様式を見ました。
有田焼は2016年に有田焼創業400年を迎えます。
この創業400周年記念事業を中核とした佐賀県全体プランにこそ、
「デザイン=問題解決実務の導入」企画を5点提案してきました。
陶磁器産業は中国・景徳鎮発祥から技術革新が少ないのです。
柿右衛門が発見した「赤色」ですら、
有田から景徳鎮、さらにはマイセンにもこの技術が行きました。
私は2年がかりで「プラチナ釉薬と製陶技術デザイン」を開発。
そして、産地で特に釉薬や新たな技術開発(まだ発表できず)を
デザイン導入・県行政への企画デザイン戦略を作成しました。
実際は、有田・柿右衛門様式にはグループ開発説もありますが、
これは越前打刃物でも二人説があることと似ています。
私には、その発明者の伝説よりも、
たとえば「この赤色発見」をした時の感激度を温存することです。
「赤色を探り当てた」のはどれほどの喜びだったでしょう。
日本の陶磁器技術には「無鉛釉薬」が決定されています。
伝統工芸でのこうした法律的なことが産地を駄目にしていますが、
時代ゆえに仕方がありません。
まして、かつてはOKだった「酸化ウラン」ゆえのグレーは不可能。
だとするなら、この法的事情を打ち破ることが日本の使命です。
古伊万里と古九谷の関係もしっかりと見届けました。
そして、まったく新たな陶磁器産業構造が見えています。
県庁ロビーの柿右衛門様式陶板はなるほどデッサンは正当でした。
Tags: グレー, デザイン企画, デザイン作品, デッサン, プラチナ釉薬, マイセン, 中国, 伊万里焼, 会食, 伝統工芸, 伝統産地, 佐賀県, 古九谷, 古川知事, 商品化, 問題解決実務の導入, 感激度, 技術センター, 技術革新, 提示, 日本古伊万里, 景徳鎮, 有田, 有田焼創業400年, 柿右衛門様式, 温存, 無鉛釉薬, 産地, 発明者, 発祥, 県行政, 窯元, 製陶技術デザイン, 視察, 赤色, 越前打刃物, 酸化ウラン, 陶板, 陶磁器, 陶磁器産業
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10月 4th, 2013 Posted 12:00 AM
私は何度か、3D-Printerと3D-Printingの使い分けや、
FabLab、RepRap、そしてMAKERSのブームなどに惑わされること、
このことの危険性について記載してきましたが、
日本のブームは、安っぽい商業主義と、
知性と情報欠落した連中によって、日本の独自性などに、
ここまで無頓着になっていることに呆れます。
すでに、米国は日本の技術力を畏れています。
私が、このブログで3D-Printingに触れたら、
それも、在米の日本人から文句がきました。
米国のMAKERSが大間違いをやっているのですから指摘しただけ。
はっきりとそろそろ明言したほうが良さそうです。
光造形もインクジェット技術も、日本のオリジナルです。
だから、陶磁器・刃物・織物から、遺伝子・医療までを
デザイナーがまず、3D-Printer開発するべきです。
ところが、インクジェット機器メーカー企業そのものが、
MAKERS程度に戸惑わされいるのです。
デザイナーは「3D-Printingはパンドラの箱!」とか・・・?。
言わせていただきます。こういう発言や講演者は大バカです。
デスクトップで立体が創れる時代は確実に来るでしょう。
しかし、米国が特許解禁での3D-Printer機器では無理です。
日本独自の機器開発は工業デザイナーが主導するべきです。
そんなことで、大阪大学で3人の教授(私も)が講演しました。
3人ともに、MAKERSではないことを力説しました。
まして、これで「金型」とか言い出している大企業や、
宣伝で3D-Printing使用しているなんて大嘘です。
本当に、「日本の正解」でこの世界を革新するのですが、
呆れかえるほどブームに沈殿している輩がいることを断言します。
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9月 30th, 2013 Posted 12:00 AM
六古窯というのは、縄文・弥生時代の土器から陶器文明、
日本にかつて存在した代表産地です。越前焼がその一つでした。
秀吉が朝鮮征伐で陶工を九州に連れ帰ってから、
日本の陶磁器は進化したと言われてきましたが、
私は最近、強い疑いをもってきました。
それは、欧州も日本も中国も、陶磁器は何も進歩していません。
若い頃、越前焼を故・加藤唐九郎の膨大な陶磁器辞典で知り、
越前焼でそのことを訴求し過ぎて、出入り禁止になりました。
ところが、最近、地元新聞社記者の方とその話をしました。
そうしたら、「司辻 健司」氏という若手陶芸家の作品を
記者の方からいただきました。
長年に渡る「青粘土」による平安時代の技法復興の作品です。
六古窯は消滅したと言われる方もおられますが、
私は、ほとんど陶磁器は進化してこなかったと断言できるのは、
この六古窯にこそ、日本人のオリジナルな技法があるのです。
若い作家が追い求め、それを支える研究会が出てきました。
私は、ここに21世紀からの新たな陶磁器文明を、
デザインが主導出来ると考えています。
これまで、土産物的な陶磁器は全く不要です。
デザインには、新素材開発、たとえば、私は有田焼で、
「プラチナ釉薬」を開発しました。
だからこそ、欧米に対して陶磁器の再文明創出をねらいます。
今、この越前焼を手にすると、とめどない幸運さを感じます。
誰も思いついていない、日本だから出来る陶磁器文明開始です。
私は、この技法を文明と呼んでいます。
なぜなら、織り=織物=寒さを防止、焼=器=飢えを防止、
これが文明だからです。
デザイナーは、それこそ、縄文・弥生、そして平安にも、
文明の原点があり、それを文化相発する職能だと確信するのです。
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8月 14th, 2013 Posted 12:00 AM
陶磁器は「器」を呼ぶ一つの素材器です。
陶磁器はデザイナーに成って以来、ずーっと見つめてきました。
私はやっとプラチナ釉薬で、有田焼産地で作品商品化をしました。
すでに、陶磁器産業に関与しましたが、
おそらく自分でもそれなりに収集もし、使いこなし、さらには、
展示会から陶磁器産業の流通から、
価値付けの独特の日本流も批判を込めて見つめてきました。
今、確信をもって結論を断言できます。
それは、中国の景徳鎮を源流とするこの産業は、
まったく、進化も革新もしてこなかったことです。
ふるさと福井には六大古窯と言われる越前焼があります。
若い時に二回、その産地に呼ばれて講演をしました。
当時すでにある確信があり、若さに乗じた批判をしました。
結果「あいつは呼ぶな」と言われて以来、
その産地は本質を知る事になったので行ったことがありません。
六大古窯なら、もっと発展してよかったはずです。
その歴然とした理由も知っています。
最近は欧州の有名ブランド磁器メーカーはほとんど倒産です。
当然であり、本来は服飾ブランドの磁器に、
我が国の陶磁器産業はまったく商売価値を失っています。
今、私は、本来は「素材器産業」という包括的、統合的、
その本質的なデザイン開発をすべきだと考えています。
ずばり言えば、日本の工芸教育での陶磁器教育は、
まったく見つめていないことを私は指摘しなければなりません。
ここに3点の作品を再度並べます。
日本最初の輸出品である九谷焼と、
イデオロギーがデザインとして二分化された作品です。
ロシア・アヴァンギャルドが、抽象パターンと写実デフォルメで、
何を日常生活にデザインとして、
一つの表現体としてもたらそうとしたのだろうということです。
私は、この「素材器産業」を根本から革新することをねらいます。
ようやく、基本企画書ができました。
「器」とは文明の基本です。
つまり、私が「素材器産業の革新」は、
文明の変革でもあるのです。
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6月 24th, 2013 Posted 12:00 AM
以前から気になって仕方がないことがありました。
美大に入って、どれほど自分がデッサン出来なかったかを知り、
プロになるために相当のトレーニングをしました。
しかし、交通被災でまた振り出しになり、
車倚子でのデッサンを再度やり直しました。
だから、気になるのは、特に伝統工芸品のデッサンです。
陶磁器、扇、染め物に描かれた自然描写です。
金沢や京都で、そのデッサンが狂いだしているのを発見すると、
ついつい言い出してしまいます。
実例にあげると、「鶯」なのか「雀」なのかがまったく不明。
「葉脈のデッサン」が狂っていても、それが伝統工芸品、
これは大きな間違いです。
そうです。たかが写実主義風の(日本に写実主義は無かった)、
自然描写の正確さこそ、本来、日本人の眼差しと表現能力です。
この能力をもってこそ、日本美の根底が担保されるべきです。
ある産地で、
「これは雀ですか?」
「いえ、鶯です!」
「えぇ・・・・!?」、ということです。
雀の嘴、鳥類の足、尾翼の特徴、この三つで形態は判断可能です。
まして、「雲雀」とか言われると嘘でしょうと嘴ってしまいます。
私はデザインのためのトレーニングでは、
特訓・特訓を受けてきました。
だから、デザイン独学には必ず限界があると思っています。
私はあくまでも「手」での表現力が基準だと確信しています。
デッサンは基準だからこそ、基本として身体化されるべきです。
最近は、パソコンがあり、しかも3D-Printingの真偽が曖昧ゆえ、
私はこのことにには、教育者としても拘ります。
「モノづくり」の基本と基準は、
たとえ人工的であっても、
日本人は「自然から学ぶ」という姿勢は遵守すべきことです。
それがなければ「美」に到達することはアポリアになります。
Tags: 3D Printing, アポリア, デザイン, デザイン独学, デッサン, トレーニング, パソコン, プロ, モノづくり, 交通被災, 京都, 人工的, 伝統工芸品, 写実主義, 基準, 姿勢, 尾翼の特徴, 形態, 扇, 手, 教育者, 日本人の眼差し, 日本美の根底, 染め物, 特訓, 産地, 美, 美大, 能力, 自然から学ぶ, 自然描写, 葉脈, 表現能力, 身体化, 車倚子, 金沢, 陶磁器, 雀, 雀の嘴, 雲雀, 鳥類の足, 鶯
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11月 17th, 2012 Posted 12:00 AM
十二支というのは、
本来は実にいい加減な12 進法だと考えておくべきことでしょう。
しかし、毎年、十二支の巡り合わせを「縁起物」にして、
一年間の日常を室内のしつらえにすることは、
楽しく喜ばしい知恵の一つだと私は思っています。
すでに、京都の老舗の和紙屋さん、
その店頭には「巳年の縁起物」が並んでいました。
巳年をヘビ年としたのは、ある種のたとえ話に過ぎませんから、
ズバリ、ヘビのオブジェ化はもっと十二支の根本に戻って、
巳は「包む」ことや「胎児」を示していることからも
オブジェ表現に深度を図るべきだと考えています。
「止む」とか「胎児」や「包む」など、
もっともっと深い意味作用があることを再確認しておくべきです。
自然の息吹や自然の成長や生命が育まれてくることなど、
その原意を思い起こすことです。
それでも、庶民的な理解の「ヘビ年」ゆえに、
ヘビのオブジェは大切な象徴と考えても一向に構わないと思っています。
毎年、自宅には十二支のシンボルを飾りますから、
玄関には今年は龍の描かれた大きな壺を配置しましたから、
巳年を表す陶磁器の壺を探しています。
ブレスレットも龍からヘビに変えようかとも思っています。
3.11という国難の中、
ようやく選挙もあって、もう一度確実な政権選択がかないそうです。
つまり、極限に達したところからの新たな生長や、
新しい生命が日本にあってほしいと願っています。
来春、
私は大阪大学を定年64歳退官しますから「止む」ことからの再出発です。
絶対に、ヘビのブレスレットなど、
来年のシンボルオブジェを見つけだしたいと考えています。
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5月 2nd, 2012 Posted 12:00 AM
以前、ファンの方から私の著作を絵柄にした扇子をいただきました。
それも京都の老舗、「宮脇賣扇庵」の物でした。
この「宮脇賣扇庵」で様々の扇子を見ていて、また発見しました。
自然描写で特にまた葉っぱの写実性が崩れているものが多少ありました。
私はこの「扇絵」という日本の伝統的なキャンバスには憧れがあります。
そこで、展示してある「正確」なものと駄目なものを見分けていました。
大声で「あれ、間違っている」と言ってワイフに叱られました。
「また大きな声で、駄目でしょ」って。
「間違いは指摘しておくべきだ」と。
お店の方と話をしたら、その通りです、との回答をいただきました。
時折、プロの日本画家、日本画画材でないと扇制作は不可能、
膠が扇制作では大きく影響しますが、
日本画家の先生でも間違いが多くなってきている、とのことでした。
このところ陶磁器での自然写実とデフォルメも間違いが余りにも当然です。
いづれ、私も「扇子」を特注して作品化したいと考えていますから、
「宮脇賣扇庵」さんには
徹底して「絵の制作での注意点」を講義していただきました。
「扇子」はまさに日本の発明品です。
本来ウチワ的な風をしかける調度品は
エジプトから中国と世界的にありますが、
「折りたたみ」=foldingの形態にしたのは、
まさに「日本らしさ」であり、
「携帯性」と「凝縮性」は、日本のモノづくりを端的に表しています。
要は(この漢字も扇子の部品名にあり)
いわゆるfolding ・mobileは
デザインの一つの造形のあり方だと思っています。
しかし、こうしたモノが文房具には大変に多くて感心しますが、
家電やその他の機器にはまったく欠落してきている風潮が
増加しているように思えてなりません。
文房具のダウンサイジング(凝縮性)・ミニチュア化・折りたたみ性は、
多分日本は最高に進化を遂げています。
にもかかわらず、機器設計において、
このモノづくり精神性は壊れてしまったのかもしれません。
その象徴が、自然写実でのデフォルメであっても基本を崩していることは、
日本の伝統文化を壊しているものと指摘しておきたいと思います。
デザインの世界から、さらに新たな表現領域への興味は強まっています。
もちろん、デザイン本来での、「補助人工心臓」や「透析医療器」などの
ダウンサイジングは、今、一番追いかけているテーマです。
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4月 6th, 2012 Posted 12:00 AM
陶磁器と言っても、最近はその意味が不明です。
陶器とは、土を粘土とし焼成したモノであり、
磁器とは、石を粘土としたモノですが、
現代ではまとめて陶磁器と言っています。
よって、いわゆる作家モノというのが、
いかにも芸術的な価値観で評価されていますが、
私はもっと明確に、生活容器としての価値性を
ユーザー自身が知識として持つべきことと思っています。
まして、「手づくり感」についても、曖昧で手芸的な感覚になっていて、
それがあたかも大きな価値観になっていることを
正して行きたいと思っています。
轆轤での手業が下手になり、
陶磁器としてのバランスも下手になり、
日常的な容器機能が無いにもかかわらず、
そのような陶磁器が氾濫し始めています。
デパートの陶磁器売り場そのものが、
陶磁器流通を破壊し始めている現実を批判していく必要がありそうです。
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3月 28th, 2012 Posted 12:00 AM
ローカル=地方、あるいは鄙にこそ、
日本の伝統は息づき、そしていまなお継承されています。
唐津では、その伝統的祭りの「唐津くんち」・曳山の展示館を見ました。
「唐津くんち」もまさしくこの地方の陶磁器産業興隆と同時期、
1600年代中期からの祭事でした。
もっとも、日本各地にはこうした曳山という山車が
祭りの中心になる所が数々ありますが、
祭り時でなければ見られませんが、
展示館があればいつでも見ることができます。
しかもその展示館前に唐津神社がありました。
この山車にも、
しっかりと3.11からの国難に立ち向かう願いの山車がありました。
こうした各地にある山車、特に、九州には三大くんちがあると聞きました。
「くんち」=おくんちは、旧暦の9月9日の九にちが語源のようです。
したがって、「唐津くんち」は11月2,3,4日、地元は燃えに燃えるそうです。
佐賀県知事も唐津出身ゆえにこの祭りが
子供の頃から最大の関心事だったと前夜聞かされました。
漆の一閑張りで造りあげられた山車=曳山の大胆な造形に心惹かれました。
ローカルはまさに
トポフィリア=場所愛の「まち」です。
この祭りも本来は火消し役であった装束がそのまま残り、
決まって、地元の消防団組織と連関を持っているようです。
日本各地の伝統行事である「祭り」は、
都市化=
クロノフィリア=時間愛によって衰退する現象がありますが、
やはり、トポフィリアである=地元愛を具現化する消防団組織、
そのボランティア組織で守られていくことが最良と考えます。
明日から、私は、被災地に「までい-Project」のプレゼンに入ります。
壮大なデザイン計画を持ち込みたいと考えています。
唐津で撮影してきた写真を整理し、特にこの「唐津くんち」曳山にも、
日本復活の願いがありました。
40年のデザイナー経験を生かすべき、
今夜もプレゼン資料づくりをしています。
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