3月 14th, 2012 Posted 12:00 AM
デンマークの有名陶磁器ブランド・ロイヤルコペンハーゲン。
このメーカーの商品には、
伝統的でありかつ世界的な標準品になっています。
中でも著名なモノは「ブルーフルーテッド」シリーズでしょう。
加飾されているのは草花のディフォルメであり、
陶磁器としては最も簡潔なブルー色を基調色としています。
ボーンチャイナへの釉薬としての青は
とても率直な釉薬として酸化性の標準的な管理が容易です。
果たしてこのシリーズがなぜ、
国際的な標準品なのかを確認しておく必要があります。
ポイントは、コーヒーカップ、ティーカップは、
口径や高さ、そしてソーサーとカップの関係は伝統的です。
この伝統性に、安心感があります。
加飾された草花のディフォルメ模様は
すでに一般的な認識性は獲得済みです。
ディフォルメされている描写性には
正確性が無いことも標準化容易いのだと思います。
そして、この商品は贈答品としての品格があります。
日常的に陶磁器は割れますが、
その補充性は世界中どこでも可能という流通性を持っています。
しかし私の予想では、
この商品はすでに「問題児商品」への傾向が生まれています。
したがって、加飾ディフォルメはそのままに、
色を青から黒などへと展開を始めています。
つまり、この製品はデンマークという
モダンデザインが一般に最も普及している社会性に支援されていますが、
このブランドの将来性は
いかに革新されていくかを注視していくべきでしょう。
私は、そろそろこうした陶磁器のデコレーション=加飾性や、
陶磁器材料が革新される時期が来たと判断しています。
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3月 4th, 2012 Posted 12:12 AM
アーティスト・角永和夫氏の作品「SILK」は、
自然と反自然を提示しています。
ここから私たちが学び取ることは、自然と人工の問題です。
文明=飢えと寒さへの人間営為は、
自然への人工的な制御技術の獲得でした。
人間が自然、その総体である地球環境で
生き延びるためには「自然」から科学を
そしてその具現化としての技術を進化させてきました。
結果、この作品が見事に提示してみせた人工とは「反自然」であり、
蚕が遺伝子操作によって平面繭を「美しく」吐き出して死を迎えます。
しかし、その労働を終えた蚕は産業廃棄物になり、
地球環境には戻せないという現実問題と直面したのです。
「反自然」=人工とするなら、
人工の成果は廃棄物になっていくことが決定しています。
それは地球に在ってはならない存在を生み出してしまうことでした。
自然と人工に循環という理想型を人間は未だに準備できていません。
これが現代の文明を呪縛し包含し解決不可能=アポリアとして
人間界を閉じ込めています。
この作品は、蚕と繭です。
この作品が自然保護団体から「反自然」と誹謗されている構造は、
「反原発」に重なります。
「反」を唱えることはアポリアを全面肯定している正義性に見えます。
が、人間が生きることを全面肯定するには、
「反」を掲げた問題設定では解決はありえないと私は考えます。
人類にとって、原子力・放射能に対しては、
「反原発・脱原発」・対・「原発推進」の構造ほど
アポリア全てを、実は、同一次元で全肯定しているのです。
原子力・放射能への「反原発」だけでは、
自然との調和などは智恵不足に他なりません。
自然との調和などありえないからこそ、
もう祈りにも通じる智恵が絶対に必要不可欠です。
人間は、生から死までを真剣に受け入れて
「生きがい」をもって自然なる死に至らねばなりません。
「反原発」というシュプレヒコールでは問題解決不可能なのです。
私は原発推進派と誹謗されていますが、
そんな立ち位置にいるわけではありません。
人工物・自動車による交通被災で歩けなくなり、
人工物・ICD=除細動器で心臓を護り抜いています。
私は、「反原発」ではなくて「範原発」です。
この根本は、「範自然」観を
デザインで創出することだと考えているからです。
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