1月 12th, 2012 Posted 12:00 AM
28歳交通被災で車椅子生活。
交通被災時に心臓も直撃されたために心臓障害。
これが私の宿命でした。
絶望だけはせずに、自分を諦観の中で生きてきました。
ところが、幸運だったのは大学人になってさらに、
名古屋市立大、大阪大でもそろぞれの附属病院で、
詳細に体調管理されていることです。
入退院、手術は幾たびも、しかも敗血症まで、
こんな重篤も乗りこえることができました。
これは幸運なことだと思っています。
だから、「幸不幸」はコインの裏表みたいなものです。
「幸不幸」から幸運や幸福をつかみとらなければなりません。
毎月病院で診察を受けます。
これは体調が良いときです。
体調が悪いと診察にも行けないのです。
敗血症から生還してきたとき、
病院の待合室で大勢の患者さんを見ていてこう思いました。
「病苦で自死を選ぶ」というきもちがつくづくわかりました。
毎月毎月、死ぬまで病院通いなんていうのは耐えられないし、
常時食前食後就寝前に服用しなければならない薬を見ると、
きもちはすこぶる落ち込みます。
ICDを入れる前に比べると、格段に薬の種別も激減しましたが、
それでも常に万一を考えると、薬づけの生活です。
だからこそ、「薬」の形態や色彩のデザインが不可欠です。
そして薬の形式をもデザインで変えてしまうべきと考えています。
なんとしても「ドライパウダー化」して経肺吸引が目標です。
現在は、ワクチンをミスト吸引するシステム開発が進行しています。
機能食品という名の「健康維持のサプリメント」ブームです。
しかし、サプリメントととの最適性などは、
もっと確実にしていく必要があると考えています。
いづれ、私の常備薬がドライパウダーになってくれたらと思っています。
自分のための造形された、デザインされた薬が必要です。
デザイナーとして、
こんなことに気づかせてくれたのは「幸運」だったと思ってきました。
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1月 8th, 2012 Posted 12:00 AM
電子出版と書店、この構造の進展は加速度的になっています。
とうとう米国でトップの大型書店経営が怪しくなってきました。
amazonの革新的なeコマースは、書籍だけでなく、
本当にもはや、デパートの存在も危うくさせています。
バーンズ・アンド・ノーブルには、
私は1週間通った経験があります。
学位審査での医学英語合格をなんとかしようと、
最適な参考書を選びにともかく渡米し通い方法を考えました。
手に入れたのは「Clinical Interview」系の医学書でした。
200ページから400ページの書籍3冊の中で、
ともかく一番薄い本を受験用にしたことがあります。
確かニューヨーク市内には4店舗あり専門分野毎の店舗でした。
医学書だけでなく、聴診器や医学臓器モデルも売っていました。
おしゃれな店舗もあって、いくらでも立ち読みもできれば、
店舗内にコーヒーショップもあり読書ができる空間でした。
電子出版というのは、なんともいまだに語感が慣れませんが、
私自身も「自炊」が当然になっていますし、
ほとんどamazonで書籍は手に入れています。
書店には大変に申し訳ないことですが、やっぱり便利です。
年末に京都寺町通りの大書店が無くなっていました。
これはとても大きなショックでした。
ああ、自分にも責任があるけれど・・・ごめんなさいです。
京都は学生が日本でも最大に多い街にも関わらず、
書店が無くなってしまったのです。
学生も書店・本屋通いはしないのでしょうか。
書店が街に残る手法は一つだけあるのではと思っています。
それはショップ構成と書籍のショーアップ戦略が必要でしょう。
デザイナーとしてプランは持っています。
バーンズ・アンド・ノーブルが電子ブックnookを商品展開始めた時、
私はこれでこの書店企業の終末が見えました。
まず、電子Book「nook」は全くデザイン的に何の魅力もありません。
単なるビューアーというプロダクトデザインというモノ、
その程度の経営意思決定力では競合勝負不可能です。
しかも、ダウンロード方式にも革新性はありませんでした。
つまり、21世紀に入って世界の構造が変革し始めています。
そして書籍という形式・形態、しかも
情報というコンテンツとコンテクストが変貌。
要は、今世紀、「情報」を核とした変貌や変革は、
世界構造をも変化させているのです。
「書店」は前世紀の街要素・知識情報の象徴になってしまったのです。
思い切った「書店形式」がデザイン的に必要です。
そして、電子Bookという安易なプロダクトデザインでは、
世界変革は困難どころか終焉に加速度を持たせてしまうということです。
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12月 28th, 2011 Posted 12:00 AM
大津波は海から襲いかかってきました。
その高さは想像を絶していました。
それよりも注目すべきは、押し寄せて来た時よりも、
「引き浪の力」がどれほど強かったかは
以前も書きました。
あらためて陸と海岸線での痕跡を見ると、
防潮堤の高さも当然ながら必要ですが、
バリア形態設計が誤りだったことを確認できます。
海からの大津波を受け止める力より、
引き浪でコンクリートは海側に歪んでいます。
この防潮堤に叩き付けられていた遺体が多かったと聞きます。
陸上では、道路路側帯のポールが地面に叩き付けられています。
それほど巨大で暴力的な力だと考えるべきです。
今回、土木工事の杜撰さも明らかになりました。
まさに土建事業と行政既得権の横暴さは罰せられるべきものです。
それは東京浦安地域の埋め立て地でも明らかでした。
液状化も手抜き工事そのものであり、
徹底した地盤工事の東京ディズニーランドはOK。
むしろ江戸時代の埋め立て地は大丈夫でした。
港湾工事が土木工学に頼ってきた制度設計そのものを再検証すべきです。
むしろ、港湾工事が土木工学よりも
海事工学・船舶工学が担うべきなのです。
港湾工学は海事システム工学をわが国は制度として受け入れていません。
仙台メディアテークという建築があります。
エレベーター・階段は、船舶工学の溶接技術で建造されています。
あの発想が一つのヒントになると考えます。
行方不明者は海に連れ去られたのです。
大津波で山に追いやられ犠牲となった方は、
高い樹木に留まって亡くなられました。
多くの行方不明者の真実、
生き延びた方々の証言からも海への引き浪の力でした。
したがって、
コンクリートの防潮堤設計は根本で見直すべきと私は考えます。
引き浪力への流体設計は海事工学であり土木工学ではありえないのです。
防潮堤は、大津波を受け止める形態と引き波力をも拡散させるべきです。
そこには新たな防潮堤と引き潮拡散の造形デザイン、
それが波動とのインターラクションデザインになります。
ともかく土木工学よりも、
海事港湾工学が制度設計の中心だと私は思っています。
これは、私自身が関西海洋教育アライアンスで
「
海洋デザイン戦略論」を担当してきた知識です。
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11月 8th, 2011 Posted 12:00 AM
メガネフレームのデザイン、
懸命に取り組んでもう25年以上になります。
インダストリアルデザインでの設計が、
産地に受け入れられてもらえたのは、
メガネフレームメーカー・増永眼鏡の指導と支援、
これがあったからだと思っています。
増永眼鏡は、フレームメーカーとして100年以上の歴史、
日本での眼鏡枠製造老舗、海外にはKOKIブランドとして、
最も信頼のある企業であり、技術力ではトップメーカーです。
メガネフレームは、ファッションであり流行に左右されます。
しかし、ファッション=自分演出のおしゃれ道具ですが、
根本的には視力支援器具、
いわば医療器具であることは免れません。
したがって、3プライスと言われるビジネスモデルでの
低価格商品は常にファッションというより、
「流行」だけをテコにした市場でありますが、
これは日本独特の市場展開なのです。
なぜなら、海外では度数の無いサングラスは、
どこでも買い求めることができますが、
医療器具としては、眼科医の処方箋が必要です。
眼科医というよりは、
「オプトメトリスト」=6年の大学専門教育と国家資格と、
「オプティシャン」というフレームとレンズの加工技師資格、
この二つの資格がなければ眼鏡ショップは経営できません。
日本だけがこうした資格無しでメガネが販売されているのです。
単なる広告宣伝でファッション性だけで語られる眼鏡は未完成です。
メガネフレームそのものがレンズが無ければ、
それはキーホルダーのようなモノにすぎません。
最近は、素材・重量(レンズ無し10g)・形態、
この形態がデザインだと受け取られていますが、
顔の形、耳、鼻などとのフィッティング=かけごこちは、
「性能デザイン」になっていなければなりません。
安易なデザイナーブランドや建築家が片手間デザインは、
「遊びのデザイン」として楽しめますが、
これをファッションとしてのメガネフレームだというのは、
生理的、倫理的、美学的には、私は認められません。
私は、いわゆるブランドフレームでも、いい加減なモノは、
それを着用しているユーザーの社会的存在性を自らが貶めています。
フレームの形態は、造形性能と造形機能が、
ある意味での「形態言語」になっていなければなりません。
私の提示した「アンチテンションスタイル」=レンズに応力無しは、
すでに「不易流行」のフレームデザインの一つの様式になりました。
メガネを着用している人、コンタクトレンズの人、
レーシックをしてしまった人、その手術を考えている人、
あらためて「視力」と「メガネ」、
この「造形言語」を読み直してください。
メガネフレームは「自助具としての性能・機能」が、
「効能」として、視力を支援し目を保護するモノです。
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9月 1st, 2011 Posted 11:39 PM
9月1日 大安(己未)
デザインは形態言語、あるいは
造形言語を保持していなければならない。
形態を取り囲んできるボキャブラリーが、
そのかたちをきわめて「存在の効能性」を
物語るはずだと確信しているからだ。
『デザインの極道論』あとがき
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7月 19th, 2011 Posted 3:23 PM
7月19日 乙亥(赤口)
私は、自分のデザイン、
自分がデザインという手法で
社会に存在させる形態を、
まず自分自身が、
自分を削り取り、
私の肉体の一部から生み出したかたち、
自分のことばでそのかたちを
守ってやりたい!
と思い続けてきた。
『デザインの極道論』あとがき
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7月 18th, 2011 Posted 9:30 AM
7月18日 甲戌(大安)
形態を取り囲んでいる
ボキャブラリーが、そのかたちをきわめて
「存在の効能性」を物語るはずだと
確信しているからだ。
『デザインの極道論』あとがき
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12月 31st, 2010 Posted 9:20 AM
12月31日 赤口(乙卯)
デザイナーにとってモノとは、
物の形態を示す表現であり、
形態のある物を指す場合に用いる。
では「物」とは何かと問われると、
これはデザイナーにも
答えを出すのは難しい。
「品」ということばも奥が深い。
『デザインの極道論』物品
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12月 3rd, 2010 Posted 12:00 AM
ガラケー原因
ケータイは「世界標準から確実に離脱する」。
この予知は的中しました。
FOMAという通信方式とi-mode内容、
これをコンテンツと呼ぶようになりましたが、
それは「情報形式」と「情報内容」というより「情報目次」に過ぎなかったわけです。
情報通信を「包み込む」発想は全く無く、「詰め込む」だけの情報意味の勘違いでした。
以来、わが国では「コンテンツ産業こそ日本のオリジン」と思い込んでいます。大きな間違いです。
日本のケータイが「ガラケー」となってしまった鎖国的な情報認識でしたが、
それ以上の問題はケータイ回路設計実装と形態は、分断されました。
電話通信企業の展望の無さ
つまり、ケータイ流通は、通信会社(電話回線ネットワーク)に独占され、
ケータイ本機生産はハード企業への「形態・かたち」の決定は、
「造形デザイン素人にすぎない」キャリアと呼ばれる担当者に委ねられてしまっていたことです。
当時、私はグッドデザイン賞審査委員長でもあったので、この批判を相当にしました。
ハード企業のケータイ担当デザイナーの現場の声をいっぱい聞きました。
各社の担当デザイナーが集まって彼らたちと議論、懇談会も企画し実行しました。
現場の声は、「造形デザインにまで口出しする」キャリアへの不平不満でした。
「ガラケー」としてしまったのは、企業のデザイナーたちではありません。
デザイナーケータイ名作も国内棲息
デザインケータイと呼ばれる著名デザイナーの本来「作品」となるべき製品も、
通信会社キャリアというより、経営者の展望無き「好き・嫌い」でしかありませんでした。
彼らのデザイン評価の中でしか棲息を許されなかったのです。
それでも力量あるわずかのデザイナーは世界的な名作も数点ありましたが、
今度は通信方式を「日本の独自性」つまり鎖国的方式に固持仕切ることで輸出は見送られました。
ガラケー批判からの革新提案
私は、このようにすべからくケータイ批判をしてきました。
結果、私に「デザイン依頼は皆無でした」。
しかし、あるハード企業の会長直々から「このままでは日本のケータイは孤立し、
輸出もできなくなる」ということで、「アドバンスデザイン依頼」と、
「通信形式の進化デザインプラン依頼」がありました。
そのデザインはiPhone内容とは全く異なる機能性で超えているモノと自負しています。
私の提案は、日本列島すべてをとりあえずWiFi化し、
さらにWiFiを超える通信ネットワーク技術を、日本が提示することです。
と同時に、私は、Smart-Phoneを日本が進化させられるものと確信しています。
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Posted in 900「かたちと造形思考」, 未分類, 資本主義から逃走せよ!
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11月 12th, 2010 Posted 10:59 AM
11月12日 仏滅(丙寅)
饒舌な語り口で形態を、
あるいはデザインを著すことは、
日本では特に嫌われるものである。
それでも私は、少なからず、
膨大な語彙を発するほどの
言語性が無いかたちは、
デザインとは言えないとすら
断言し続けてきた。
なぜなら、
デザインは形態言語、
あるいは造形言語を
保持していなければならない。
『デザインは言語道断』あとがき
Tags: KazuoKawasaki, かたち, デザイン, 川崎和男のデザイン金言, 形態, 形態言語, 言語性, 語り口, 語彙, 造形言語, 饒舌
Posted in APHORISM
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