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『「茶美会」は茶道であり、私の「茶杓」です』


   


     1月 4th, 2019  Posted 12:00 AM

これは私がデザインした茶杓です。
この茶杓は裏千家「茶美会(さびえ)」のために制作したもので、
故・田中一光先生が企画構成された活動でした。
空間構成、音楽、衣装、演出と著名なデザイナーが参画し、
工業デザインは、もうすべて知り合いで
伝統文化と対峙、融合しデザイン提案しました。
茶杓は茶道では大変な役目を背負います。
一定の制作費が決まっていたのですが、当然持ち出しで
背一杯の茶杓を制作し、一式を裏千家に納めました。
私のデザイン資料にもう一式つくりました。
茶美会にて、私の道具でお点前のインスタレーションがなされ
その時間、空間は圧巻でした。
茶道は、母が裏千家でしたが、義母は小堀遠州流でしたから
お作法やお点前の違いを見ることができたと思います。
「茶美会」では、香合や棗など会を重ねて開催されていましたが
田中先生が逝ってしまわれてから、それをやろうという人がいません。
まだ、とても私がやるという主体性は持っていませんでした。
茶道での伝統を現代に活かすという主題でした。
そんなこともあり、茶道をワイフがやるたびに、
茶美会での茶道具を思い起こすというわけです。
正月は、まずは一服こういったひと時を過ごしました。


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『場踊りと言語舞台・「影向」によって』


   


     11月 5th, 2015  Posted 12:00 AM

松岡正剛氏を介して田中泯氏と石原淋女史に出逢いました。
田中泯氏は故・土方巽の現代舞踊を引き継いだ人だと知ったのは
田中泯氏と知り合いになってからのことでした。
土方巽の暗黒舞踊とまで言われていたダンスというより、
あのパフォーマンスこそが演劇を進化させるものだと思ったのは
美大時代に現代芸術に興味を持っていた頃でした。
が、ダンスあるいはパフォーマンスが最重要だと知ったのは、
ミシガン州にあるクランブルックアカデミー校に講義に行った時、
ダンスというよりパフィーマンス学科が、
2Dデザイン学科、3Dデザイン学科と同列にあり、
演劇や舞台芸術をまさにデザイン革新するというのを
教えられて、その授業を観たときでした。
田中泯氏は一般的には、俳優として著名な人ですが、
石原淋女史との「場踊り」であり、
すでに舞踊家とも自称せず、松岡正剛氏と義兄弟的な存在でした。
そして、フラクターダンスとことば、身体と言語での
パフィーマンス舞台、その企画・戯曲を松岡正剛が記述し出演、
石原淋、宮沢りえの出演、田中泯の演出と出演、
そして山本耀司の衣装での舞台を観ることに招待されたのです。
スケジュールとしては、大阪から京都に入り、
ワイフがデザイン系私立大での非常勤講師の講義後に
上京、パルコ劇場に直行しました。
石原淋女史の完璧な車イスの私への劇場対応を受けて、
彼らの計算された舞台の革新性に圧倒されました。
何と言っても、「影向:ようごう」という言葉と身体、
その関係性でのパフォーマス舞台は、
私がすぐに取り組みを始めようとしていた「KK塾」と、
照明学会で特別講演をした「デジタルアッサンブラージュ」での
悩みとストレスに一条のそれこそ光線に陰影を与えてくれました。
「影向」というほぼ死語化されていることばは、
松岡正剛の膨大な知力と、そろそろ1600冊の書評知識と
田中泯の場踊り演出を、宮沢りえと石原淋によって演じられて、
現代性に蘇らせてしまっていたのです。
なぜ「影向」という言語であったのだろうかは、
私の「KK塾」で松岡正剛自身に語ってもらうつもりです。
私にとっては、日本の映像+照明+空調を
「影向」でもってデジタル表現化する立場なのだろうと
私自身への役割義務をいい聞かせることができました。
照明学会の講演準備で再々度精読していた「陰翳礼讃」への憧憬不足を
「影向」という蘇ってきた言葉と身体表現の革新的舞台で
私は強化されました。


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