4月 24th, 2016 Posted 12:00 AM
デザインは表現営為です。
したがってデザインされた表現の形態は言語だと言えます。
そこで、デザイン形態=「デザイン言語」と呼びます。
そのデザイン言語は、意味する意図(intention)を
造形言語=designing language、
意味されている内容(contents)を
形態言語=designed languageと、その二つで成立しています。
そして最近、この言語の背景にある知識や知恵という根幹こそsilience、
いわゆる日常ではほとんど無意識である「知性の核心」だと理解しました。
この無意識である知性こそデザイナーの知的背景だと決定できます。
コンシリエンスデザインこそ、知性の統合されたデザイナー能力であり、
言語表現に込められた意図と内容は、
すでに目論まれていたプライミング効果、
すなわちデザインの効用と効果を成し遂げるものになると断言します。
自分としては、コンシリエンスデザインという位置づけは、
明確にデザイン手法、その論理を言語化して、
その意味論は記号論へと向かわせることが出来たと自負しています。
これまでのデザインはすぐに機能で語られ、
装飾ある形態論に終始していましたが、
ここから明らかに小論的な論理を持って、
記号学に向かってきていると明言します。
さらに、デザイン知性は必ずスケッチでその言語展開が必要です。
それは「手」で描かれた発想表現が
プライミング効果になるということです。
*『記号論でのコンシリエンスデザイン』
*『かたちの意味・造形言語と形態言語』
*『記号論は脱構築に向かっていった「かたち論」』
*『アナログスケッチからデジタルスケッチへ・・』
*『Padスケッチにすっかり馴れ親しんだ!』
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1月 19th, 2016 Posted 12:00 AM
昨年は「ロラン・バルトの生誕100年」でした。
ロラン・バルトは構造主義者として、ディスクール=言語表現、
つまり、書かれたことや言われたことの概念提唱者でした。
生誕100周年記念として、まさに、ディスクールのパターンを
スカーフにした表現はディスクールのデザインでした。
そのパターンの原書が「恋愛のディスクール・断章」そのままのモノ。
僕は読み直しましたが、生誕100年にして、
ディスクールでの抱擁は見事に破壊されていました。
それは、アンドロイドロボットの出現でした。
アンドロイドロボットは、「なぜ、人間は人間であるか」という
この難問解決のデザインだったからです。
単純なアンドロイドロボットとして「ハグビー」があります。
日本人は抱擁し合うことは照れ(若者には無くなりつつある)が残りますが、
フランス人からは、メールの最後にWarmest hugsと書いてきます。
結局、恋愛はすべての小説の最大テーマであったと言えます。
それこそ、日本最古の小説・源氏物語さえそうであったのです。
しかし、無論、恋愛には言葉・言語が本当は要らないように、
恋愛の言語化構造は
ハグすることで一遍に改めての意味が溶解し消滅します。
つまり人間にとって恋愛は一瞬の熱病=これは僕の私見ですが、
その熱病は感染して起こるのか、感染しているから熱病=恋愛でしょうか、
まさに生誕100年目に断章された結果は「ハグビー」というロボット、
つまり言語(ことば)では無くて形態(かたち)によって、
結論が明らかになってしまったことです。
これは言語の脆弱性を形態=ロボットが消滅させたことになります。
なぜか人間は抱擁されることで
コミュニケーションの新鮮度が増加されます。
人工物アンドロイド・ハグビーを抱き合うことが、
あの熱病=恋愛のごとくコミュニケーションを強めてしまうのです。
喋りまくる子供たちはハグビーを抱きしめれば、集中力を持ち、
アルツハイマーの老人の孤独感を消化してしまい、
断絶した者同士が、見知らぬ者同士が饒舌に会話しあうということです。
しかし、恋愛のディスクール・断章はロラン・バルトの生涯のテーマ、
その一部分に過ぎませんでした。
それはアンドロイドロボット・ハグビーに
「作者の死」をつきつけています。
ディスクールの作者が、彼の死に言説化を求めたように、
アンドロイドの創作者は、
どのようにその死と立ち向かうのでしょうか、ということ、
その指定出が起こってしまったということです。
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