12月 26th, 2015 Posted 12:00 AM
わが最も敬愛する橋本左内は16歳で「啓発録」を書きました。
それは16歳において、人はすでに一人前であったことを宣言したのです。
しかし、時代は、政権は、彼を26歳で斬首の刑に処しました。
今や人は、知識獲得を16歳ごろから問い詰められます。
端的には、あなたは「文系か、理系か」と。
まだしも「学術系か、芸術系か」の方が、ましかもしれません。
幸運にも私は学術よりも芸術を選びました。
学術が嫌いだったわけでもなく、芸術のそれこそ当時ははずれという
デザインという領域に私の知識欲は吸い込まれていきました。
その最大のおかげが、学術も芸術も、ましてや、
文系も理系も乗り越えるほどの膨大な知識体系に居る自分に出会いました。
少なからず、芸術系だと自称しても「美しく無い物事」には
激しく嫌悪感を覚えました。
それは思想上の問題に、経済上の問題に、生命の問題に、
見事に的中する中で、「デザインありき」に至ったのです。
真善美を語るとするなら、とても私の知識の中では、
たった一つを選ばざるをえませんでした。
それは美であり「美しい」ことを具体的にしている「美しいモノ」でした。
40余年、私は工業デザインを主に、糧と成し、
デザイン全般への表現意欲を決して失わないことと、
誰よりも自分が表現するデザイン・設計・計画に最も自分の正当性を、
それこそ、容姿端麗であること、端正的な生き方を貫くことでした。
時に、思想が真っ向から反対であるなら、
命がけでこれを最大に攻撃することで、人からはその存在を怖れられ、
私を排撃しようとする輩には、
徹頭徹尾、彼らの存在をも抹消したいと念じています。
そこには自分の野性と野生を常に息づかせておかなければいけません。
ロランバルトの生誕100年、
彼のディスクールはその本の装丁すらスカーフになるのです。
そのことの美しさを知ることができたのも、芸術の範疇でのデザイン、
デザイナーという職能にあるからかも知れません。
プラトンは、「もし迷ったなら、美しい方を選べ」と。
私にとっては文系も理系も、まして学術も無いのです。
デザインが芸術から派生していたとしても、
デザインによる統合=文系+理系・学術+芸術は
すべてが要因要素なのです。
したがって、統合的なデザインを私は
「コンシリエンスデザイン」と呼びます。
学術+芸術、文系+理系の中心に球体を置いて、
私はこの球体に働く力の概念を確認しています。
それは次世代デザイン、次世代デザイナーへの遺言なのです。
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5月 25th, 2014 Posted 12:00 AM
モノが出来る=商品化されると嬉しくてたまりません。
だからやはり書き残しておきます。
製品開発としての出版をじっくりと自分領域で考えてきました。
今では、中国でとても安易な出版が氾濫してきています。
いわゆる作家として、美術家・建築家・デザイナーなどの、
作品集、その装丁を見ると、作品と同等な仕上がりは必然です。
しかし、作品が出版されるなら、出版製品としては、
日本の出版市場のこともあってか、もの凄く貧相になっています。
このような製本でよく満足できるものだと私は信じられません。
私はなんとしてもそれだけはプロとしてデザイナーとして、
絶対に新たな手法やそのための新治具、新器具までが必要でした。
発泡インキ印刷は、その膨らみの経年性はまだまだです。
乾燥をさせて多重のインク重ねでの輝きが必要です。
書籍函はその組み立てからも正確な仕上がりが失われています。
書籍専門家ならスピンといわれる栞ひもも二本必要でした。
さらに、3D写真は最近はとても進化してきましたが、
その3D写真についても、幾たびもテストをしました。
ところがこれを表紙それも布貼りに落とし込み圧着が問題でした。
表紙裏に大きな影響が出てしまうこと、
写真圧着の温度と接着剤に経年変化が起こらないこと、
書籍函との密接性も最近はいい加減ですが、私には無理でした。
しかも、書籍のカラー印刷インキと紙質指定も、
すべてが生産原価にひっかかりました。
私のモノづくりは、当然、儲けていただきたいのですが、
モノの本当の良さを表現するにはコストはかかりますし、
かかり過ぎてしまうことは否めません。
どうしても手造りでの精度を求めてしまって、
配本が遅れていることをお詫びします。
でも、書籍づくりの「手本」を目指したことは自負しています。
『やっと4冊目の作品集が出来上がった!』
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1月 23rd, 2012 Posted 12:00 AM
Aurex時代、これはほとんど私の東芝時代です。
東芝本社で企画を通すことは本当に大変でした。
しかし、上司に恵まれていて、
「これ、やりたい」と言えばディテールまで忠告を受けたり、
「絶対に実現したい!」というわがままを包んでもらいました。
ただし、やるべき業務以上の義務は果たすこと、でした。
第一家庭電器のDAMはそういう意味では、
東芝より自由に私のアイディアを実現してもらいました。
「45回転LP 」を実現したい、
そのためには、レコーディングプロセスを詳細にLP化すること、
このようなアイディアも実現できました。
午前中は磯子の音響工場のデザインルームでスケッチを描き、
昼からはほとんど東芝EMIのミキサールームに入り浸り、
そうしてミキシング技術を教わりました。
そしてジャケットデザインを赤・緑で構成。
これはやがて村上春樹著「ノルウェイの森」の装丁と同様でした。
私の具体化が先んじていたと今頃になっても言っておきたいことです。
このトラックダウンは、回転数は45回転、厚盤仕様、
そして詳細にそれぞれのトラック毎のミキシングを乗せていくことで、
レコード再現のHi-Fi性能のチェックがきめ細かく出来ました。
DAMは顧客サービスとして
おそらく2000枚近くをメンバーに配布していました。
「マニアを追い越せ!大作戦」というタイトルが必ずつけられていました。
45回転で超厚盤は、
カラヤンやアリスからも
訴えられる寸前までいくほどLPプレスが完璧でした。
だからDAMのレコードシリーズだけは、今も持っています。
その45回転LPこそマニアにはたまらない音質チェック、
そんな思いが東芝より第一家庭電器で実現していました。
こうしたシリーズは実際、10000枚以上も配布されていました。
だから、やがてこのアイディアは、東芝もやらざるをえなくなるのです。
ともかく、「思いついたことの実現」に無我夢中でした。
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