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『資本主義からの逃走』
 「学理が見定めた次元をデザインに」


   


     10月 12th, 2010  Posted 12:00 AM

「次元」に興味
デザインは意匠図という製図作成をします。
製図は、画法幾何学という領域から図法幾何学とか立体図学として、
もう300年の歴史的な蓄積があります。
しかし、その製図作成はデザイン技法として、
デザイナーにとっては、ほとんど無意識になるほど身体化してしまいます。
ところが、この無意識さを一度消却させてくれたのが、
私はCAD=Computer Aided Design (Drafting) だったと思っています。
つまり、三次元、いわゆる立体を二次元に描き出す技能法です。
ここで、私は「次元」に興味を持ちました。
とりあえず、基本的な次元をまとめておきます。
数学的な次元
■ 数学的な次元
点を0次元・線を1次元・面を2次元・立体を3次元。
さらに、ここから点集合をどのように考察していくかが、
帰納法的に積み重ねられてきた空間系が、実数論的な解釈や、
現象空間との対比が生まれてきました。
こうした数学的な次元を、製図技法やスケッチでは行き着けないということが、
私のデザインから次元を見つめる一つの視点になっています。
物理的な次元
■ 物理的な次元
ある量を決定するときに、数量性を表すのに適当な単位の設定から次元を決めていき、
その解析にまで至るということです。
たとえば、速さは長さに対して1次元、時間について-1次元、質量については0次元の量であり、
二つの量の積や加減で、関係=構造をみるもう一つの視点です。
しかし、デザインにとっては、物理的な次元考察は、エンジニア任せにしています。
これは、素材開発をしていく時には、密度とか粘性とかをデザインアイディアで提案するときには、アイディアにデザイン価値を付加することができると、私は考えています。
現在、すでに日本のプラスティック成型が産業的に立ち後れているのは、
デザイナーが物理的な次元への提案ができていないことに起因していると判断しています。
多次元性への造形思考
そして、多次元性へのデザイン思考、造形思考は、
かってパウルクレーやカンデンスキーが予測していたことに重なっていると私は考えています。


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