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『工業デザイン教育での「手」のトレーニング』


   


     9月 6th, 2015  Posted 1:00 AM

美大時代、レタリングの実習は本当に厳しかったのです。
デザインストロークは、当時は丸ペンで合格が出るまでであり、
私は9枚描いてやっと合格。一枚が18時間かかりました。
その後には、カーペンターペンシルで、
手描きでアルファベットを描きながら文字の構造=書き方を習い、
それを決して定規を使わずに
セリフ体・ノンセリフ体をCaslonからFutura
そしてScriptまでを合格が出るまで、
一年間徹底的にやることで、
水平・垂直、そしてヘアーライン調整感覚が身体化するまでやりました。
私は当時、それをもっと論理的に知り尽くそうと、
この本は高額でしたが、
読みあさって自分になんとしてもレタリング論理を知ろうとの想いでした。
従って、社会人大学(鯖江市でSSID・市長二人で17年間が3人目市長潰す)
大学人になってからもデザインストロークや、
文字構成やレタリング・ロゴタイプは実習で徹夜は当然にやらせました。
この授業が厳しいというので、親御さんからは苦情の電話までありました。
それには直接に私が応えました。
「承知しました。学生さんに私の部屋に来るように」と。
「どうする気なんだ」
「わが校は公立大学(名古屋市立大学芸術工学部)ですから、
即刻,退学届けをご本人に」、
すぐに電話が切れて、学生達にこのようなやりとりが合った旨を伝えると、
翌年からはこの授業には親御さんからの苦情はゼロになりました。
大阪大学大学院では、時間が限られているために、
この教育はもっと厳しく行いました。
大阪大学大学院では、全てをデザイナーにするつもりはなく、
JAXAや警察官僚まで様々に「デザイン」のそれこそ、
ロゴタイプやレタリングは「手」の訓練を最重要視しました。
最近、デザイン業界はひとくくりにされています。
決して、トレースなどといういい加減さはありません。
トレースとはレタリング手法で言えば
まずカーペンターペンシルでトレーシングペーパーに下書きをして、
その裏面を鉛筆粉で塗ってから、準備原稿に手で移す作業です。
トレースとは、PCを使ったコピー&ペースト作業ではありません。
レタリング・ロゴタイプをあくまでも「手作業」で訓練しない限り、
PC上でのレタリング=書体構成でも
カーニング=文字間隔の調整はできません。
少なからず、グラフィックデザインの最近のデザイン教育内容では、
工業デザインの「構造」は語れるわけがありません。

「手を頭脳化するトレーニング=デザインストローク」
「デザイン基礎力の一つから現代社名ロゴをみると」


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「皮革・クロコダイルに地球危機が明確」


   


     1月 30th, 2012  Posted 12:00 AM

皮革というのは、皮と革という漢字です。
皮は皮膚その物であり、皮と膚が文字通り、
皮=革、膚=布、この関係が成立しているモノとなります。
皮革と言えばいわゆる皮革製品では、
カーフ・クロコダイル・オストリッチ・リザードなど。
こうした皮革製品は大変に高額商品です。
それは狩猟から始まり加工工程での大変な時間と手作業、
その技法や流通での付加価値です。
私が心惹かれる皮革素材は、カーフ・クロコダイル・リザードがあります。
20代の頃、こうした製品の高額さに驚きました。
当時はこうした皮革製品がブランドモノであり、
まったく興味がありませんでした。
しかしオーディオに関わり、
「高級品」を学ぶためにブランドショップに何度も行きました。
その頃は、若過ぎてある店舗では、支配人から質問されたことがあります。
とても購買する客には見えなかったのでしょう。
ところが、その支配人にデザイナーであることを伝えると、
全て「手にとって見なさい」とまで指導をしていただいたことがあります。
感謝している一人です。
この方に「高級品の技術価値」を学びました。
車椅子になって退院後、
あるホテルでしばらくトレーニングも兼ねて滞在しました。
その時に高級ブランドショップで、
やはり、ブランド品に触って教わることが出来ました。
そのときクロコダイルの
いわゆる皮革模様の左右対照性が崩れ始めていることを教わりました。
確かに、年毎にクロコダイルの左右対照性が完全な物は激減しています。
つまり、自然素材として生物であるワニの
皮革模様が変化してきているのは、
地球環境でこうした生物の身体異常が格段に増加しているのです。
「もう、これほどの皮革は手に入らない」という物に
出会うこともあります。
徹底的にこうした自然素材=皮革を人工化する
フェイクレザーも大好きです。
それは工業デザインの立場から、
工業技術としての技術成果を認めるからです。
私が尊敬していたある故・経営者の別荘に招かれたことがあります。
そこで、私はリザードで覆われたその方のデスクに驚愕しました。
つまり、リザード模様の見事さとデスク仕様加工の完璧さです。
その経営者の美学観が経営手法に表れていました。
皮革製品に地球環境の現実が象徴化されています。
そしてその実際を確認するために、
私自身選び抜いて特にクロコダイルコレクションをしています。

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