8月 26th, 2013 Posted 12:00 AM
私はこの40余年、プロのデザイナーとして、
「デザインは問題解決のかたち的最適解を求める手法」。
この定義だけを訴求してきました。
しかし、今日も立ち寄った書店の本棚のデザイン書コーナーでは、
「装飾=デザイン」という類の著作集に混在していました。
決して、私はデザイン=装飾を否定しているわけではありません。
むしろ、今、徹底的に批判するのは、
デザイン=装飾オンリーの学校や科目、時には教科書の記述と、
装飾家をデザイン賞の審査委員になっている顕彰制度は、
私の生涯を持って、断固として批判し非難し破壊したいことです。
デザイン賞制度を傍観するとき、「この人誰?」という、
そのような顕彰制度はあってはならないと思います。
この本棚には、おそらく、デザインにとっての基準的な定本、
「口紅から機関車まで」がありました。
日本が敗戦後のタバコパッケージ「Peace」のデザイナーだった
レイモンド・ローウィ著作は元外務大臣・藤山愛一郎の邦訳。
この著作が現代の工業デザインからデザイン全般を語り、
しかもこれがその当時の外務大臣だったことに大意義があります。
デザインが問題解決の代表的な手法であるがゆえに、
デザインされた形態は空間であり、言語であり、結果、記号です。
デザインが職能として認識された民俗毎の認識が、
国際的な乖離が一時はありました。
その代表がわが国だったとも言えます。
デザインが洋装とともに一般的な認識が拡大してきたことです。
私自身、「デザイナーです」と答えれば、
「洋服の・・・」と幾たびも言われてきました。
私が、電器メーカーに就職したときも、
「ポスターを描く職業」だと思われてきました。
しかし、今、私はデザインを学ぶ学生には、
問題解決であり、未来を創生出来る唯一の職能ですということを、
最も主張しています。
すでに私の教え子も、形態設計よりも制度設計に、
デザイン手法を果たし始めています。
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10月 11th, 2010 Posted 12:00 AM
数「学」と物「理」
美大系へ進学するのは、特殊な「ひと」。
今もそのいわば常識のようなことが蔓延しているようです。
私も出身高校に、浪人後、美大に合格したと報告に行ったとき、
職員室で、どよめきがありました。
「ウソだろう、なぜなんだ、なんで美大なんだ」と言われました。
その反響に私自身が驚いたほどです。
問題は、数学とか物理というのは、「理系」であり、
「理系」と「文系」、この種別を日本の高校で決定しようという制度になっていることでしょう。
無論、職能として「数学者」や「物理学者」、
いやもう少し広範囲に「数学系学者」と「物理系学者」にとって、
それぞれの「専門」としての数学と物理は、先端系=未知探索へ向かっています。
さて、それならデザインにとって、
数学と物理がどこかでしかも無意識的かもしれないほど介在している概念があるかもしれません。
私は、数学の「学」と物理の「理」、つまり、学と理に注目してきました。
焦点連鎖の「次元」
結果、数学的に焦点化していることと、物理的に焦点化していること、
それはそれぞれの差異が明確である概念として、「次元」がその焦点だ、とみてきました。
次元=dimensionです。これもいづれ「デザイナーとして」整理します。
このことに気づいたのは、
EWSというコンピューターと出逢った時からの印象的な、私なりの一つの結論です。
デザイナーは「かたち」=形態を造形化する職能です。
ただし、デザインもすでに「デザイン系」と言うほど拡大と拡張をしています。
かって、インダストリアルデザインが「口紅から機関車まで」と言われました。
私は、「日本酒から人工臓器」とか、「タワシから原子力」など、
様々なフレーズで、デザイン系の広がりをあえてアジテーションしてきました。
こうしたフレーズの中でデザイン対象となる形態・空間に、私は「次元」を置いています。
その理由は、数学的次元と物理的次元の差異性・同等性には、
基本的な思考軸が「学」であり「理」だと思うからです。
学際化の超「次元」
そしてこの「学理」の学際化にこそ、
デザインが寄与する役割は「空間・形態・次元」の連鎖系にあるものと推察しています。
ところがデザイン以上に、
現代アートは先んじて、いとも簡単に超「次元」的、主観的な連鎖表現をしています。
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Posted in 054「多次元性への造形思考」, 資本主義から逃走せよ!
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4月 1st, 2010 Posted 11:05 PM
4月1日
日本のデザインを語る時、やはり
レイモンド・ローウィによる
ピースのデザイン。
『口紅から機関車まで』は
経済企画庁長官であった
藤山愛一郎氏が翻訳。
BOSS(川崎和男, Kazuo KAWASAKI)は、
「伝統工芸から人工心臓まで」!
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