4月 9th, 2019 Posted 12:00 AM
デザイナーだから、「はんだこて」は握らないと思っていました。
私の道具箱に、「なつかしい」と思える「はんだこて」があります。
中学時代は、1球のラジオをつくり、
5球ラジオはつくれませんでした。
美大時代には、卒業制作で制作したステレオは、
電子回路を友人に依頼し、プリアンプとパワーアンプを仕上げ、
実際の音はかなりの迫力の出来映えでした。
東芝では、エンジニアが物凄いスピードで
はんだごでの取り扱いを見ました。
それに惚れ込み、まだ、CPU-8Bit以前の、
プログラムプロセッサーを造ってもらいました。
阪大では、准教授が「皆んなに5000箇所をやらせる」と、
息巻いていました。
一度は絶対に、「真空管式パワーアンプを自分でやりたい」
そんな夢を今も持っています。
そして「はんだこて」の進化を見つめなおしています。
なんだかいっぱいやらないといけないと思っているのです。
*真空管式
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11月 1st, 2018 Posted 12:00 AM
大学3年生には東芝に入ることが決まっていたので、
鋳鋼の道具を30本ぐらい、故・N教授から個人的に指導を受けて作りました。
しかし、結局半年あまりかかって作った道具
すべてを盗まれてしまったのですが、
それほど私の道具は素晴らしい出来映えだったのです。
私にとって、青銅文化と鉄器文化には十分な知識がありました。
そのためには、朝鮮の文化史を買い求めたほどでした。
ここには、正倉院とは別個の「かたち」がありました。
青銅文化は朝鮮での文化が私なりには世界一なのです。
そして車倚子になって福井に帰った時に、
産地の鋼をステンレス鋼にするまさかの発想に至るのです。
火造り「蛤刃」として越前打刃物産地の再興につながりました。
今や刃物の産地はそれぞれ活気を取り戻していますが、
最も気がかりな流行があります。
海外のお客さんからの「ダマスカス風鋼」流行り=文化包丁です。
以前から新しい鋼文化の進化のため、
鋼については、ダマスカス鋼が、時に米国のナイフ鍛造を創ってきました。
これは4?5回折り返し鍛錬しますが、
たとえ150回の折り返し鍛錬でも肌身も変わりません。
しかし現代の「ダマスカス鋼」は、
模様を簡単に出すことができる素材からできた「ダマスカス風鋼」で、
火造り鍛造技が全く壊れています。
それは私が文化包丁を辞めようとした
ステンレスで鋼のサンドイッチ鋼板です。
本来のダマスカス鋼ナイフとは異なり、
これはかって文化包丁をやり直しているようなモノです。
文化包丁(2800円?5000円)並の製鋼技術でまるで
伝統工芸の技とは似て非なるものです。
今や新技術が伝統工芸技を壊しているのです。
かって、歴史的な棒鞘の刀=これは武器を製造していた
福井県の鍛造技術や火造り「蛤刃」もやがて無くなってしまうでしょう。
現在開催されている京のかたなー匠のわざと雅のこころから
刀匠の仕事を見てみたいと思っています。
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8月 22nd, 2016 Posted 12:00 AM
この季節になるとわが家にプレゼント送付されるブドウたちです。
あるデザインのモデルショップの社長との話です。
自分が東芝で全くの新人であった頃に、まだ4人でスタートしたばかりの
小さなモデルショップでしたが技術的には最高の仕事でした。
上司を口説いて、デザインモデル=モックアップを依頼してから、
その社長には、私のデザイン活動を見てきてもらいました。
ところが、自分が車イスになったときには、東芝で箝口令があったのです。
しかし自分は交通被災後、救急病院での手術とリハビリ病院入院しました。
おそらく、その頃、「川崎はこの世からは消えてしまっていた」ようです。
退院すると、東芝に籍をおいたままに赤坂でデザインスタジオを開設し、
オーディオ関連のデザイン活動を東芝の競合以外の製品デザインに従事。
ところが、あるプロジェクトでは、どうしてもモックアップモデルが必要で、
自分はおそるおそる、そのモックアップメーカーに電話をしました。
すると「川崎さん?どうしていたのですか?とても心配していました」と応答。
自分はやむにやまれずモックアップ製作をしなければならず、
電話をしたけれど、モックアップへの予算は僅かなことを伝えました。
「何を言っているですか社長命令で電話依頼があったら全て只で受けること」
その回答がきました。依頼したら案の常、最高の出来映えのモデル。
社長からは「出世払いでいいよ」とのことでした。
やっと、社長と食事もできる仲になっています。
その社長からはいつも最高級の季節毎のフルーツや最高の牛肉が届きます。
社長はすでに日本各地にモックアップだけでなく、実装モデルも可能な
メーカーをいくつかに拡大しています。
私がやっと生き返ってきて、今なお、デザイン界での色々を相談できます。
教え子がモックアップを頼みにいけば、
「川崎さんの教え子らしい、礼儀正しく躾されている」と言われます。
モデルを頼んだら、必ず、商品になったらそのことの報告を守っている
優秀な教え子だけが、やはり、今なおお世話になっています。
自分のデザイン代表作のモックアップは全てこのメーカー製です。
* 「3Dプリンターの素材と成型精度」
* 『本物に出会う「漆器」にもささやかな未来が見えた』
* 「造形の言語道断」
* 「フリーランススタートの頃」
* 「#教えることは教わることです。だから教える立場を!#」
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6月 27th, 2016 Posted 12:00 AM
電柱の存在は余りにも酷たらしい現状です。
電柱は犬がマーキングをする存在ですが、
それを見上げていくと、なんとその工事のいい加減さ、適当さに
ひっくり返らんばかりに驚き哀しまざるをえない出来映えに呆れます。
ところが、米国の果てしない荒野の一本道に、
木製の電柱が建っていると、その佇まいはとても美しいのです。
何が違うのだろうかとしみじみと眺め比べてみますが、
たとえば、このような仕事姿勢の違いがあるのではと思います。
「見てご覧、あの電柱は私が電線を張り、電柱が景色の
ひとつの表現になっているだろう」。
「あの電柱、ともかく仕事だから定時間に済ませただけ、
景観、それとの調和?知らないよ!みんな気づかないだろ」。
この意識で街中に見苦しい電柱が一杯あっても、
誰もが黙認してきたのが我々でした。
「電線地下美化倶楽部」があります。この倶楽部を立ち上げ、
提案をしたのは自動車大企業T社の元デザイン部長です。
名古屋工大教授もつとめ、オートバイ大企業のデザインコンサルタント、
旧知の仲です。しかも同世代、「最後の役割だね」ということで、
まず、メンバーを増やそう、そして、日本の醜い電柱写真展から、
ということで、スタートをかけました。
以前、水道管をすでにステンレスにしている地域がありました。
しかし日本は地震大国ですから
フレシキブルな地中水道管工事を、と思っており、
日本の「地下埋設工事全般」に新デザインを、
という提案に電柱も地下埋設。
ロンドン・パリは電柱ゼロです。
ジャカルタですら東京23区・大阪市と比べたら。
これこそ、貧しい都市なのです。
*『瓦礫に祈りを・・・デザインによる復興計画を』
*『この実例に世の中の無責任でいいかげんさが表れている!』
*『電線・電柱・地下インフラのやり直しデザイン』
*『電力会社を破壊し分散させるべき証拠・告発します』
*『スマホのアイコンはインフラ的な高品位性が不可欠である』
Tags: 23区, T社, いい加減, インフラ, インフラストラクチャー, オートバイ, しみじみ, ジャカルタ, スタート, ステンレス, ゼロ, デザインコンサルタント, デザイン部長, パリ, フレシキブル, マーキング, メンバー, ロンドン, 一本道, 一杯, 仕事, 以前, 仲, 佇まい, 余り, 倶楽部, 元, 全般, 写真展, 出来映え, 同世代, 名古屋工大, 呆れ, 地下, 地下埋設, 地下埋設工事, 地下電線美化倶楽部, 地中, 地域, 地震, 大企業, 大国, 大阪, 姿勢, 存在, 定時間, 工事, 張り, 役割, 意識, 我々, 提案, 教授, 新デザイン, 日本, 旧知, 景色, 景観, 最後, 木製, 東京, 果てしない荒野, 比べ, 気づかない, 水道管, 犬, 現状, 眺め, 立ち上げ, 米国, 美しい, 美化, 自動車, 街中, 表現, 見上げ, 見苦しい, 誰, 調和, 貧しい, 違い, 違う, 適当, 都市, 酷たらしい, 醜い, 電柱, 電線, 電線地下美化倶楽部, 驚き, 黙認
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5月 27th, 2016 Posted 12:00 AM
「デザイン」への大勘違いが格段と増殖しています。
正直、この紹介は「怖いこと」であり、
みんなが「沈黙して決して語らない」という風潮が蔓延しています。
しかし、現状の一般認識が「これがデザイン」ということはプロとして、
見過ごすことが出来ません。
「サイレントユーザー」として生きようという決心がすでに「変」です。
無論、それぞれの出来映えにはいわゆる「努力の足跡」があります。
その否定ではありません。
こうしたデザインされたかのような「デザインのような」性質、性能
それを社会制度が黙秘していることに、機能も効能もガラパゴス化して
「日本の危機」が明確だということです。
社会制度は「たかがデザイン」という扱いが明白ゆえに、
敢えて訴求します。
「これらはデザインのようなモノ」に過ぎず、
「デザインでは無い」という再宣言なのです。
しかも、これらはすべて実現していて規制事実なのです。
デザイナーとして、大学人として、懸命かつ賢明に生きてきた者として、
「悲しくて哀しみ」に突き落とされています。
「それならお前のデザインは」、というブーメラン効果が来るでしょう。
向かい合って、決闘する覚悟もし、決意もしています。
まず、「コンセプト」だ、「イノベーション」だ、「デザイン思考」だ、
という発想から解放されるべきです。
「デザインとは何か」が終焉してきたことを主張してきました。
「コンシリエンスデザイン」で三つの定義をしました。
● 「問題解決の『応答・回答・解答』があるだろうか。」
● 「価値の創出が実現しているだろうか。」
● 「未来の創成に連動していくだろうか。」
2020年のすぐ後には日本は国際的な立場を失うでしょう。
わが国の「正しい美しさ」は、デザイン職能が主体的に、
性能・効能・機能で「これがデザイン」を主張し、
共有・共時の価値=好ましさと望ましさを創出創成することです。
*『コンセプトから「ライン発想」の三つの思考空間』
*『デザインは問題解決!・この本質の再整理』
*『愛着と愛用がデザインの全体価値である』
*『鏡映は冥府に降りていることゆえに「何がデザイン?」
*『陽子加速器での核変換デザインによる復興』
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5月 16th, 2012 Posted 12:00 AM
私は美大ゆえに4年間、フランス語受講で単位は取得。
40年ぶりの同窓会でフランス語受講していた同期生に、
「4年やり通したよな」と言ったら、
「エッ、貴男のこと記憶に無いわ」と
一笑にふされてしまいました。
きっと、教室では存在感全く無かったのでしょう。
彼女は卒業と同時にヨーロッパに行ってしまいました。
最近、帰国したとのことでした。
60還暦から考え抜いていたのが、「60の手習い」でした。
ある経営者は60から中国語をすぐにマスター、
最も彼は、英語もドイツ語も堪能でしたので、
とても敬服していたことを思い出し、
62歳、昨年からフランス語やり直しを始めました。
そこで当然、私は「かたち」=モノから入ります。
ラジオを出張用も含めて買い直しました。
そうしたら、ラジオの進化にびっくりしました。
今ではパソコンにも連動するなど、
性能は格段にラジオでは無いのです。
これも精微な出来映えですが、あまり知られていません。
というわけで、
今年に入ってからもまだやり続けてやろうと企んでいます。
英語も未だまともで無いのに自分でも「なぜ?」なんです。
ただ、学生には言ってきました。
私の世代は英語だけでなんとかだったが、
君たちの世代はもう3カ国語ぐらいは絶対に必要だと、
教師として教条主義を発揮しています。
ベトナムからの留学性には、
日本語以上に多言語をやりなさいと伝えています。
おそらく私はリタイアしても
フランス語で読書程度はと思います。
今、イヴ・サンローランの原書は絶対読破と思っています。
4年もフランス語をやっていたのに、
最初にパリに行ってまったく駄目だというトラウマでした。
さてあらためてここで暴露することで、
自分に喧嘩を売っているのです。
それにしても、今は外国語習得の情報環境は整っています。
フランスの友人にも、
エコール・デ・ボザール(フランス芸術大学)での
ワークショップなら必ず・・・なんて
大言壮語してしまっていますシ〜ィ・・・。
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3月 21st, 2012 Posted 12:00 AM
また、硯に心惹かれてしまいました。
パームトップと言っていいほど、
掌に収まる小っちゃな硯箱セットが私を呼び留めました。
「これが私の所に来たがっている」と言って、
ワイフに睨まれながらも買い求めました。
ただ、硯の仕上げはいまいちです。
もう私が要求する技術は無くなってしまったのか、
あるいはそこまで技ある職人さんが
居なくなったのかもしれません。
まずまずの出来映えであり、市価もそれほどではありません。
しかし、筆の出来映えはこれは伝統が確実に生きていました。
硯石も仕方ない出来映えです。
多分、筆から硯など全てがそれぞれの産地で造られているのでしょう。
だから、全体のまとまりには技の差が明確です。
でも気に入っていて、すぐにこれではがきを書きました。
きっと、出張時に持ち歩くことになるでしょう。
もし、自著にサインを求められたらこれで書く、
こんなことをワイフに言ったら、
「相手の人がびっくりしてしまうからせめて矢立にしたら」
と言われました。
それにしても、硯を擦っていると心が癒やされます。
そして、筆をとればますます癒やされます。
これほど癒やされる道具なのに、
どうしても細部の仕上げが気になって仕方ありません。
デザイナーだから、それはひとつの物狂人なのだと自覚しています。
そうして、ちっちゃな硯に向かっていると、
収集しているすべての硯石が気になって仕方なくなってしまいます。
どうして、「書く道具」にこれほど心が引かれるのでしょうか。
でもこれは幸運な性分だと思って満足しています。
リタイアしたら、毎日、硯から万年筆まで、
毎日眺めて過ごしたいと思っています。
そういえば、半年前に注文していた万年筆が届きました。
それがそうした雑誌の表紙になっていて、
「どうしてこうなるモノを選んでしまうの?」と、
またしてもワイフから聞かれます。
「性分」、そしてプロだから、
(幸せな自分だ)と思えてなりません。
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