10月 13th, 2017 Posted 12:30 PM
美しさを識ることと知ることには違いがあります。
知ることは先天性によってある種の宿命性があります。
後天的には識ることですから、これは認識という知識より認識です。
カントがこれを明解にしていますから運命化が可能です。。
パウル・クレーは知見であり先天的な見識がはたらいていると思っています。
手短で日本の浮世絵の理解度は、先天的には困難かもしれませんが、
浮世絵といえば、葛飾北斎がいの一番に語られます。
私はいわゆる見識があって認識にまで持ち込めるには、
和服が適切かもと先般から考えてきました。
それは東海道五十三次での物語性は歌川広重の方が明解です。
これは私が丁度30歳の時に、絵羽として歌川広重を選びました。
理由は思い出してみると、三つありました。
まず、歌川広重の版画は越前の国からの和紙であること、
絵羽としては多くが北斎を選ぶという大衆的な思い込みでは、
自分の個性が表示できないと思ったことでした。
さらに、この東海道五十三次には東海度膝栗毛での野次喜多道中との
ナラシオン性が入っていたことでした。
無論、葛飾北斎のなぜ彼は識っていたのかという黄金比・黄金律が
見事なことは知っていましたからこそ
和服と自分の関係を見直していたことです。
今では和服には茶道や華道のごとく、着づらい道理がかなりあります。
したがって、誰もが洋服の着やすさをルール化して、
着物の普及を目指していますが、私はこのブームは容認できません。
理由は、着やすさなどは伝統的に保守するには単純だと思うのです。
大学時代にはあえてネクタイをして大学に行き、
教授に怒鳴られたこともしばしばでしたが、
ネクタイは日本人が大学生でも遅いのです。
最近は市立学校のユニフォームでネクタイを見かけますが、
学校でしっかりと教えていないようです。
私が和服と書は絶対に小学時代にマスターすべきというのは、
この知識・見識・認識をモノ=和服・書という決して「道」とはしないこと。
これはカントの悟識に連鎖しているのです。
浮世絵のナラシオンは知ることから識ることまでの悟性を鍛えるでしょう。
* 『サイエンスの限界にある美学性をさらに造語化』
* 「加飾すること=ファッションスタイルは最初提示の効能」
* 『手稿は宝物である』
* 『「黄金比の計算機」アプリのグレードアップの意義』
* 「黄金コンパス・黄金比と白銀比を身体化するには」
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7月 26th, 2012 Posted 12:00 AM
2008年から審査委員を拝命しています。
同時期から「関西海洋教育アライアンス」で、
神戸大・大阪府立大・大阪大の大学院合同講義にて
「海洋デザイン戦略論」も担当しています。
船酔いする私には考えられなかったことですが、
全てではありませんが、デザイン対象として、
海洋・港湾・船舶・造船などに
またひとつ大きな興味を持つようになりました。
デザイン領域は、この海洋関連からも眺め直すことができます。
審査委員も海事教育も、恩師の指示でした。
恩師はグッドデザイン制度も創設者の一人でしたが、
Ship of the Yearを創設し以後審査委員長として、
なんとしても日本の造船や港湾へのデザイン導入リーダーです。
弟子として、海洋船舶業界のデザイン高度化を目指しています。
5年この海事業界に関わり、
日本の船舶や港湾の国際的な位置関係も知るようになりました。
正直、日本の造船は地味だと思いますが、
技術先進国として毎年、驚愕する技術が登場します。
しかし、特に、造船がデザイン主導システムになってはいないだけに、
保守的な船舶だと思います。
ところが、プロペラ駆動や、船舶でのハイブリッド化、
そして急速充電リチウムバッテリー船舶などは、
確実にこれからの造船業界を国際的にも牽引すると確信しています。
風力発電のプロペラなどは、船舶業界の技術導入や、
港湾を現在は土木工学が中心ですが、
絶対に海事工学的に開発すべきだということを発見しています。
今年度の船舶のどこが評価されているのかは、
下記websiteで知っていただきたいと願います。
http://www.jasnaoe.or.jp/commendation/soy_2011.html
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7月 19th, 2012 Posted 12:00 AM
3.11以後のわが国・祖国を憂います。
ちなみに、大震災・原電事故・現政権への不信などを
ともかく、「日本の選択」から「反原発の思想史」から、
単なる商品書籍的な評論から、とんでもない粗悪本、
つまり右から左までを読みあさってきました。
最も私は祖国という表現をするほどですから、右よりと、
時には罵られているような書き込みも目にすることがあります。
「私なりの新保守主義」を創出したいと
目論んでいることは間違いありません。
基本は、父や祖父達が敗戦から創り上げてくれた「楽園だった日本」、
特に、日本の伝統美と自然美を護り抜きたいからです。
それも、デザイナーという職能で
表現していくことに徹したいと考えています。
私は、「政権交代」に賛同は最初からしていませんでした。
どうしようもなくて自民党に投票しました。
それは、民主党では経験不足は明白、
だからといって自民党という迷いの中でも政権交代には反対でした。
結局、そこにこの国難です。
的中しました。党則も無い政党は、イデオロギーさえ混乱していて、
「リーダーシップ力」など求める方が無理だったと思っています。
私は、もう政党政治も困難であり、
議会制民主主義も限界にきているという判断にいきついています。
それは、資本主義と民主主義に呪縛されてきた、
そんな現代史から開放される最期を見届けることになるのかもしれません。
「憂国のパロール」を私はデザインでささやかに支えるつもりです。
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2月 7th, 2011 Posted 12:00 AM
文明と文化の共時的変革時
21世紀ようやく11年目です。
20世紀もそうだったように変革の時のようです。
文明と文化が共時的に変革してきています。
政治は、いかにも民主主義と言われてきた「共和制」も限界でしょうか。
エジプトから今後も、とてつもなく悲惨な実例が増えるでしょう。
翻って、技術も、「ムーアの法則」が限界かもしれません。
ムーアの法則も当然ながら、彼の先験的思想性からはいっぱい学んで来たと思います。
講演でも引用させてもらってきました。
特に、「土」=シリコン・「ガラス」=光ファイバー・「空気」=internet、
この基調講演を1992年・箱根で聞いた時のショックはここでも書いてきました。
そして、今や、ムーアの法則でのLSIなどチップも3D化技術に向かっていますが、
これも新たな展開で変革するでしょう。
さらに、驚愕するいくつかの技術開発をデザイナー・大学人として直面しています。
しかし一方では、このような大きな変革が地球環境の「破壊」だと勘違いしている言説もあります。
功罪相反なれど理想主義を
結局は、歴史が事実をジャーナルとして証拠立ててくれるでしょう。
そして、次のような言説は最も信頼できません。
結果をこの上ない悪罪として、
近未来を語ろうとするジャーナリズムの言論人(かっては羽織ゴロだった人)です。
所詮、人間は完全ではありませんから、「功罪相半ば」が人間の歴史をつないできてくれました。
当然、「功罪」があろうが、今日より明日に理想をということになれば、
私は、理想主義としての「革新」を求めたいという立場です。
無論、「保守」としての伝統との中庸も私の一義です。
このところ、実現は50年後かもしれないデザインに自分を立ち向かわせています。
それは、近未来への革新をつないでいくことになるという想像です。
実現の日を、私は見ることはできないかもしれませんが、
私なりに「夢の形見」を描き残したいと願っています。
Tags: 1992年・箱根, ジャーナリズム, ジャーナル, ムーアの法則, 伝統との中庸, 保守, 共和制, 功罪, 功罪相半ば, 土」=シリコン・「ガラス」=光ファイバー・「空気」=internet, 夢の形見, 悪罪, 文明と文化が共時的, 民主主義, 理想主義, 羽織ゴロ, 言論人
Posted in 067 「夢の形見に」, 資本主義から逃走せよ!
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9月 28th, 2009 Posted 11:59 AM
左翼=サ・ヨクが「保守」となり、
保守=ジミ・ンが「革新」を望んでいます。
わが国のこの真逆現象を
私は、「クロスカウンター現象」と名付けました。
この真逆現象は、
敗戦に縛り付けられた両陣営の
「後ろ髪をひかれたままの無念さ」に他ならないでしょう。
その無念さの質に大きな隔たりが有り過ぎるのです。
しかもすでに、
日本民族の「伝統的な美学で継承されてきた倫理性」を
失ってしまいました。
歴史を戻せば、
わが国の明治維新直前を私は検証しています。
それは、日清・日露、
そして二つの大戦へと引き込まれてしまった民族意識の変化でした。
この文脈が基盤となって、
敗戦時に大きなトラウマによって、
日本民族は二分された哀しみに他なりません。
「誰か知らん、松柏後凋の心を」
という心情が私には重なって見えています。
私は、これを書き残す作業の核心に
「デザインによる美」で、
このトラウマをデザイン思考によって解放していく覚悟です。
私の立ち位置は、日本人としての
「伝統的な保守原則の理念」を保持するデザイナーとしてです。
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9月 25th, 2009 Posted 7:10 PM
「自由・平等・愛」が
どれほど人間・世界観として語られてきたことでしょうか。
しかし前述したごとく、
「自由」と「拘束」は表裏一体の関係です。
「平等」は必ず「差別」でつぶされてきました。
そして、「愛」は「暴力」によって、
その「愛」を逆強化することが起こります。
「愛」と「憎悪」が交互となる感情を呼び覚ます野性を
人間は捨てることができないということです。
「拘束し差別し憎悪による暴力」の制度こそ、「戦争」だったのです。
その最終兵器が「原子爆弾」です。
わが国だけが、その原爆被災国ですから、
「民主主義」が「原爆」を覆い尽くす論理力すら持ちえなかったことを
日本人は一番理解していなければならないのです。
イデオロギーとしての「原爆保持による抑止力」に
「民主主義」は完全に屈していることを認めなければならないでしょう。
にもかかわらず、「戦争」への徹底した反省に、
べったりと「民主主義」が最適解とされてきました。
理由無き正当性を認めてきたのです。
ならば、「民主主義」は
「拘束」・「差別」・「暴力」を消滅させる「力」を有していたのでしょうか。
この問い直しこそ、
今、人類がイデオロギーとして絶対解だった「民主主義」を
再考熟考するべき時に至っていることを証明しているのです。
幸いにと言っておきましょう。
「戦後民主主義」というわが国には、
その脆弱性が憲法・防衛・平和観に取り憑いています。
なぜそんな脆弱さをわが国は背負ってしまったのでしょうか。
私は、それを「クロスカウンター現象」と呼んでいます。
つまり、左翼といわれる本来、「革新」をめざすべき陣営は、
いつまでも自虐史観と与えられた憲法9条にこだわり、
保守であるべき陣営は、戦後民主主義に「革新」を、
というクロスカウンター的な真逆現象に陥っているからです。
左翼は、社会主義が資本主義に敗北していることを「革新」に変えようとし、
保守陣営では、自由競争を公認できうる資本主義の正当性をバックに、
「保守理念の原則」という本来の歴史的かつ伝統性の意義すら忘却していると私は判断しています。
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