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Posts Tagged ‘世界構造’


「iPhoneに受話器、電話形式転換へのガジェット化」


   


     5月 12th, 2012  Posted 12:00 AM

ワイフの机上にある受話器とiPhone(左)、
そして私は受話器だけ(右)を自宅ではつないでいます。
おそらく、コントのような演出道具のようですが、
使い勝手では、スマートフォンと受話器のガジェット化に、
次世代の電話機セットが見え始めていると思います。
すでに受話器とiPhoneがBluetoothゆえにワイヤレス化、
そんなガジェットも登場、大学ではコレを使用しています。
そして、もう自宅、ホームでの電話通信には、
これまでの電話機は不要になってきています。
むしろ、パソコン無しでのSkypeでのガジェット化なども、
新たな商品化計画になっていくでしょう。
かつて、最も「必要なモノ」という質問の答は、
「ケータイ」でした。
そして、最も「不要なモノ」という質問でも、
答は「ケータイ」ということでした。
それほどケータイが日常生活での要不要を決定づけたのです。
電話というのは、会話・対話=コミュニケーションの基礎として、
現代生活では重大なツールであり、
人間関係化のメタファーとレトリックとモードになっています。
したがって、「関係化」とは、
世界構造に連関した人間社会の基礎構造です。
この構造化をスマホという通信形式のガジェット化は、
「受話器」は電話形態の系譜をそのまま受け継いでいます。
ここから、「電話システムの次世代革新」を想像することは、
とても重要な一つの視界かもしれないと、
私は確信して、このガジェットを楽しんで使っています。

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「BOPは世界構造の隠喩的病いとなっている」


   


     5月 8th, 2011  Posted 12:00 AM

1949年生まれの私。
当時の世界人口は25億人。
おそらく私は2049年を見ないでしょう。
ここ数年、私自身が世界人口を
追いかけつつ、その増大の速さは不安でした。
年内に70億人、2030年には100億人を突破しているようです。
反してわが国の少子化での人口激減は、
世界構図、世界構造を根本から変えてしまうことは明らかです。
この人口爆発で予想される世界的な問題、
その代表的な問題には、食料・水・エネルギーの構図が見えます。
BOP=Bottom of the Pyramidという人口図式。
三角形に、所得構造分けされた図解です。
私は授業・講演会などで世界構図のビジュアル表現として、
最も多用してきた図解です。
しかし、この図解である図式は、世界隠喩であることも明白です。
それは、人口分類が「所得階層」になっていることです。
スーザン・ソンタグの名著に「隠喩としての病い」があります。
この著作をベースにして、世界構図の隠喩となるのは、
人口爆発である「BOP図式」と「エネルギー」がテーマ可能です。
そして、この現実には世界構造が隠喩的な図解化ができます。
人類の大きな問題が隠喩となって私たちに覆い被さっています。
つまり、人口とエネルギーに現代世界の大問題があります。
現代世界の一つは強欲な人間欲望と、
もう一つは、さらに貪欲な人間社会の階層的な支配構造、
すなわち、国際政治の表象が支配力学になっています。
ところが、本来であれば知性的かつ知識階級である人も、
支配力学の経済的暴力構造の隠喩性からは解放されていません。
しかも厄介なことは、
この隠喩性は「情報」あるいは「情報化操作」によって、
世界構造が閉じ込められているということに他なりません。
この支配構造の中で、人々は対立し共謀し幻想に陥っています。
けれども、人間の誠実さ、「かけがえの無さ」を確信する人には、
決してアポリアにはしない生への希望があるということです。
人口とエネルギーは、まさしく世界概念の隠喩という病なのです。
この病に、デザインは必ずや企望になるはずです。

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『資本主義からの逃走』
    「『情報』は記号と信号でまず大別」


   


     10月 20th, 2010  Posted 12:29 AM

号する
情報という訳語が、現代を決定しています。
物質・情報・エネルギーが世界構造を構成しています。
これを、世界構造の大きな大別・種別とするとき、
さらに、ディレクトリーを情報の大別・種別にまで入り込んでみます。
私は、情報はまず「号する」という基本的動作から、号が包含してきた意味があります。
そしてその包含意味をそのままの仕組みが、
情報の形式・内容・質・意味・意義になっているのではないだろうかと推測してきました。
「号する」というのは次の三つから始まっているとまとめておきます。
  ■ 大声で叫ぶ、号泣すること・泣血号天
  ■ 次に、評判をたてて言いふらすこと・号為賢相
  ■ 名をつけることや表向きに呼ぶこと・号日皇帝
では、「号する」こととは何かということが「情報」に繋がっているという私の種別です。
情報=「信号」・「記号」
結果、情報を大別すれば、「信号」・「記号」になるというわけです。
そして、この二つには、人間=人と己、そして言です。
その言が前後関係になっている漢字にすべての意味が情報にまで象徴されることになると思います。
情報は信号化されることと、記号化されることで、
情報の実質的中身を種別することができるのです。
信号的な情報と記号的な情報という種別から、
「情報空間」も同様に、次のように呼ぶ・号することができると考えます。
「信号的な空間」と「記号的な空間」、
それぞれをさらに検証していく方向があるものと考えています。


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