4月 25th, 2015 Posted 12:00 AM
柳宗理先生には、正直、私は生意気に反抗をしていました。
その理由は講演で話そうかと思っています。
東京から先生はジープを飛ばしてやってこられて、
「絵など描くな、絵など上手くなるな!」
「手を使え、モノは実寸で創れ!」
・・・・・などなど・・・に、
私は絶対に「絵=スケッチ上手くなるんだ!」
(スケッチって、手が器用でなければ上手くなれない)など、
歯向かっていたと思いますし、それも見通されていたのでしょう。
よく、日本のデザインが黎明したのは、
松下幸之助氏が、米国視察から戻って羽田で
「これからはデザインの時代だ」という話から始まります。
それもあったかも知れませんが、
実際はお雇いの外人がデザインを東芝・日立・三菱に持ち込んだ話と
米国に二人が日本政府から留学派遣生だったことがあります。
柳先生がシャルロット・ペリアン女史を案内された話があります。
そして、藝大の学生だった先生がデザインに目覚めて、
当時、オート三輪車や、提案で終わった自動車デザインがあります。
そして、何よりも現・毎日デザイン賞第一回目の受賞者であり、
その時の作品は、LPレコードプレーヤーでした。
だから、私が卒業制作でオーディオシステムを決めたとき、
「実物を創らなかったら卒業はさせない」と言われました。
したがって、勿論、ワーキングモデル=実際に稼働するシステムを
創って、そのプレゼンテーションをしました。
先生はレコードプレーヤーで授賞されていただけに一杯言われました。
そのレコードプレーヤーに触発されたのが倉俣史朗だったそうです。
私は、その倉俣史朗の推薦で、
41歳の時に、毎日デザイン賞を受賞しました。
インダストリアルデザインの商業主義と対決して、
工芸をも対象にしたプロダクトデザイナーは柳宗理先生だと思います。
柳宗理生誕100年記念講演
Tags: オーディオシステム, オート三輪車, お雇い, ジープ, シャルロット・ペリアン, スケッチ, レコードプレーヤー, ワーキングモデル, 倉俣史朗, 受賞, 実寸, 手が器用, 松下幸之助氏, 柳宗理, 毎日デザイン賞, 生意気, 留学派遣生, 米国視察, 自動車デザイン
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7月 27th, 2014 Posted 12:17 AM
森先生自作の講義演出用の回路模型は二つあり、
その一つは、シャープペンシルの芯に電流が流れて煌めきました。
聴衆からは会場が光輝きを見て、全ての人たちは感動しました。
とても繊細なワーキングモデルだけに、
先生が怪我をされないようにとみんなが思っていた雰囲気でした。
そして、私にとっても強烈な「臨済録」の一節が提示されました。
・・・仏に逢えば仏を殺し
・・・父母に逢えば父母を殺し
・・・祖師に逢えば祖師を殺し
この講義で私はこれまでの大疑問が理会に達するのでは・・・
そのシャープペンシルの芯が光輝くのを見て、
先生に質問をしました。
その芯が燃えて光輝く一瞬が「生きていることですか?」と。
先生は、そのシャープペンシルが燃え尽きて、芯がより細くなり、
そして折れる実物を私に見せていただき、
「違うよ、光輝いて燃え尽いているここも人生なんだよ」。
私は、3度も冥府への道に行ったことを話しました。
最初は、交通被災で、もし放置しておいても体力があれば、
手術をということで、真っ暗闇の道に佇んだことがあります。
2度目は、草月会館で講演をして会場が真っ暗になり、
講演終了ですぐに羽田から小松空港、そしてそのまま入院、
やはり冥府らしき真っ暗闇にいました。
3度目は、「重篤ゆえ」という敗血症・多臓器不全死直前でした。
祖父が私の作品集を持って、「もう来てもいいだろう」、
「まだですよ」と母の声を聞いて現世に戻る苦しみを受けました。
だから、無神論を最近は確信していたのですが、
もし、仏に逢えば仏を殺し・・とは妄想と対峙することでした。
そんな話を先生に質問に交えて先生の講義を聴きました。
二元性一原論が語られて、先生は言われました。
「最近のモノは全く壊れないモノばかりになり、
壊れるモノを技術者はつくってならない風潮です。
モノは頑丈で壊れないから、今度は、
人間が壊れる存在になってしまいましたね」。
この講義の核心が今も鋭く私に突き刺さったままです。
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4月 27th, 2012 Posted 12:00 AM
「ロボット」、その言葉=戯曲からの由来はすでに教科書的です。
が、その由来名辞から解放されているとは言い難いと私は思っています。
J・ボードリヤールは「物の体系」で、
「ロボットは想像的なものの局面が神話として
到達したものに他ならない。
それは目に見える機能性の投影という局面である。」と、断言。
私は、わが国のロボット学者や企業は、
ヒューマノイド系とメカノイド系に
輪郭化されていることに不満がありました。
この指摘を「私のロボットデザイン」で
評論的な表現にモデル化したいと考えてきました。
ベースは、中村雄二郎先生の「形態論」と「身体論」です。
「形態論」=安心+安全であり、
「身体論」=安全+安心として再考すると、
スポーツや舞踊が引用できると結論づけることができました。
ところが、「舞踊」は日本だけでなく、
世界中の「踊り」が見事に二分できるとたどり着いたのです。
それはボードリヤールの指摘からも、
ロボットという名辞からも解放されるデザインから
技術仕様を決定していく一つの「基礎学」でした。
「舞」は、足裏を決して見せません。
能舞が日本の伝統芸能として的確でした。
名前も『Nomenclator』という古代ギリシア語を選別しました。
「Nomenclator」というのは召使いですが、
データを把握している情報マンのことです。
誰かが歩いてきて領主的な主人に挨拶をすると、
「あれはどこそこの誰で、先般、病気をしていたとか」、
性格や立場を主人様に伝達する奴隷でした。
しかし、人間ゆえに「感情を持っている」という決めてがありました。
だから、私のロボットは呼び名を変えて、足裏を見せないで行動し、
なおかつ感情=泣いたり笑ったりという表情を、
ヒューマノイドでもメカノイドでもない
形態の身体化を図るということでした。
これは私の人工心臓の究極である「感情=交感神経β1と副交感神経β2」で
鼓動しているような「性能化」感覚と一致しています。
例えば、帰宅すると出迎えてくれて、
ユーザーの想いを共有してくれることが目標意図になりました。
これは大阪大学に特任教授となったときに、
阪大フロンティア研究機構で、ワーキングモデルとして、
「感情共振」=Emotional Domainまでへのアドバンスデザインとして
開発具現化できました。
このモデル化は「玩具性」を離脱する一つの方法だと思っています。
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