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Posts Tagged ‘プロトタイプ’


『「手洗い習慣」をグリップすれば清潔を手にいれる』


   


     8月 1st, 2016  Posted 12:00 AM

電車の取っ手に触る、初めてのハンドルに触る、
正直、若い頃から手が汚れることに抵抗がありました。
自分にとって最大の不安は感染症です。命に関わります。
だから、外出すれば必ず徹底的に「手洗い」をします。
敗血症、風邪であっても、自分には不安極まりないことです。
触る、グリップすればそれで清潔になる。
アドバンスデザインとしては理想の方式であり、それを成し遂げるのは、
決してデザイナーの力では無理、いや無謀なことでした。
技術進化を待っていたようなことが大学にはいろいろあります。
深紫外線の発光素子LEDの大変な技術競争が入ってきました。
きっかけは、阪大のフォトニクスセンターでの
深紫外線研究、電子顕微鏡での遺伝子検査その遺伝子に深紫外線を照射。
国際的にも最初の論文が受理されると、一斉にその研究が拡大しました。
フォトニクスセンターから、深紫外線で消毒、滅菌が可能ゆえ、
消毒、滅菌のモノ・器具あるいは装置のデザイン依頼がありました。
関連する論文、LED発光素子競争の資料を全て読みこなしながら、
紫外線で殺菌?、紫外線とはいわばDNAを破壊するのになぜ?
この大きな疑問のままに、
一方では、「グリップすれば消毒可能」、
そんなことがもし、本当なら新しいデザインが出来る。
大腸菌に深紫外線のある波長が近接場に入射と反射があれば可能とのこと。
デザイン計画書とともに、プロトタイプの試作に入れました。
このプロジェクトは、工学と医学、そしてデザインが協同、
しかし、看護学、保健学からの支援ということで、
デザインサイドでの動物実験までがデザイン対象となりました。
厳しい中間審査でさらに市場性=中近東の拡大までが検討され、
そのまま、内閣府での審査結果、「製品化発表」にこぎつけました。
「手洗いの習慣」を変えることが出来る。
7月28日、報道関係のTV局2局、大手新聞各社社も集まり、
「記者発表」しました。
「手・掌の日常的な方法を根本から変えます」、
動物実験結果とともに、その最終製品デザインが出来上がりました。
いよいよ、企業への「商品化」、商品アイテムは一杯あります。

* 『天空と深海で何が起こっているのだろうか?』
* 『「手・掌を清潔に」するモノとコトのデザイン実務』
* 『コンシリエンスデザイン看医工学の危機解決対象・MERS』
* 『手の消毒、そんな時代になっている?』
* 『デザインはすでにここまでが必然となっている』


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『若手デザイナーの海外個展を応援する』


   


     11月 9th, 2015  Posted 12:00 AM

私が自分のデザイン活動をようやくニューヨークで
発表したのは30代中頃でした。
それは、いつか、海外で発表をと思っていた時期に、
米国のギャラリーからも誘いをいただきましたが
資金もなくて1年間待ってもらった経験があります。
そしてニューヨークでの個展から、
ようやく私も海外での仕事ができるようになりました。
日本がバブル経済で東京が浮かれているのを私は見ていて、
何か、変だと思っていたときは、
Apple本社でいくつかのコードネームでデザイン提案をしていました。
だから、最近は、次世代デザイナーの一部の
海外での活躍ぶりには目を見張るものがあります。
しかし、海外での日本人デザイナーの仕事は、
明確にはっきりとしつつあることが起こっています。
海外でのアドバンスデザイン展でのプロトタイプをコピーし
まさに盗作。
この情報も私には届いていますが、
先般の盗作問題もあり、
私はこうしたことが一般化することを反対しています。
これは正当な海外進出ではありませんから、
やがて国際問題にならないことを願いますし、
この事実は黙秘せざるをえません。
しかも海外評判を国内に逆輸入しているデザイナーには呆れます。
それを助長しているマスコミには大きな疑問があります。
国内の雑誌などで、いかにも国際的活動だという取材を見ると
残念でなりません。
しかし、このところインテリアデザインを主体に活躍している
Yasumichi Morita氏が、今度はインテリアを超えて、
写真家として、しかも写真表現そのものを
モノづくりに向けて、パリで発表することを以前から聞いていました。
丁度、パリには行こうと考えていた時期と重なり、
その個展を見にいくつもりです。
欧州には、教え子たちが何人かいます。
フランスにはインターン生だったフランス人もおり、
彼の仕事ぶりが心配なので会ってこようと考えています。
また、教え子たちでも車関係・カーデザイナーを目指す子は
企業留学しています。
私の時代、何も分からずに米国から出発しましたが、
最近は、なんとか次世代のデザイナーに
私に出来ることはないかということを自分に求めています。
なにしろ、最近は海外を目指す若者が減少しているだけに
そのことが不思議でたまりません。
Yasumichi Morita氏の国内外の仕事は、かえって海外での評価が高く、
そうした仕事は、海外からの依頼かと思っていましたが、
すべからく自分でそうした仕事を求めて行くという勇気を
私は絶賛しています。
彼がパリで、写真家、そしてそのデザイン応用の個展は
ほとんど国内で宣伝をしていませんが、
私自身、その個展を見てくるつもりです。
幸い、教え子たちにも会えそうです。


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「亀の子タワシはもう年齢的に無理になりました」


   


     10月 15th, 2012  Posted 12:00 AM

小学校4年生頃だったと思います。
私は父から、
「男はタワシで体を洗え」、
といういわば無茶な要求を受け入れてきました。
だから、タワシで、ゴシゴシ洗わないと
さっぱりしない生理になっていました。
最も必ず、伝統的かつ天然のシュロ素材、
その「亀の子束子」でなければ肌が傷つきます。
流石に、中年・老年になってからは束子で体を洗えば、
それは大変な事態になるようです。
遅いかな、いわゆる「乾燥肌」になってしまい、
体が痒くてたまらない状況になってしまいました。
この作品は製品開発でなんとしても「亀の子束子」を
トーラス=ドーナツ形状にしたく、
和歌山県海南市で製品開発しましたが「商品化」できませんでした。
これは私自身が欲しくてたまらなくて、
製品開発プロトタイプまで持ち込みました。
けれども、最終的にはコストの問題や、
製造機械も新規開発などができずに
プロトタイプモデルまで海南市にお願いをしたモノです。
そして、もう年齢的にも、
肌は「乾燥肌」になることは当然のことであり、
もう体を「亀の子束子」で洗うことは不可能になりました。
老齢化する現実を、私はこのようなことでしみじみと感じ取るとともに、
今や、この「乾燥肌」をなんとか食い止めないといけないわけです。
男が「お肌を気にする」なんてことは、女々しいと思いつつも、
正直、老齢化する肉体、手入れを真剣に考えないといけない、
そんな自分にとうとう出逢ってしまったことを報告しておきます。
これから、徹底的に「お肌」の研究をしてやろうじゃないか、
女々しいわけがない、と自分に言い聞かせている次第です。
「痒い」となれば、
私は、血が出るまで搔いてしまいます。
「五歳児みたい」
「三歳児なの」、と、
ワイフに叱られますが、
「痒い」という感覚は耐えきれるものではありません。


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「まだまだ見つけ出すことがある、ようだ。」


   


     5月 10th, 2012  Posted 12:00 AM

日本の文房具は、本当に、とても優れています。
「日本文具大賞」の審査委員長になって以来、
このことをつくづく思います。
私自身の作品にも「ハサミ」がありますから、
ことさら、「ハサミ」の新製品を見続けてきました。
人類が「切る」道具を見つけ出したことが文明の起点です。
特に、「ナイフ」と「ハサミ」はどれほど心血を注いで、
人類は新製品を見つけ出そうとしてきたでしょうか。
私の作品は、海外美術館に永久収蔵されていますが、
まだまだ見つけ出すべき事があると思い続けてきました。
だからプロトタイプのまま、まだ何かが欠落している、
そんな思いを残して試作品にしているモノがいっぱいあります。
そうしたら、最近、この「ハサミ」には脱帽です。
刃先角度が常に30度になる刃先カーブを発見した結果商品です。
そして、プラスチックもダブル射出成型です。
「切れ味」と「使い勝手」は、現在は最高でしょう。
刃物メーカーを知っていますから流石の実力を認めます。
文房具業界の切磋琢磨の企業競合状況の活性的な活動に敬服です。
「世界でナンバーワン」は、日本の文房具業界でしょう。
私は、このカーブ刃先のハサミとここまでミニチュアなハサミ、
とても素晴らしい商品にまとまっています。
今年の文具大賞の選考会がとても楽しみです。
たかだか「ハサミ」とは言えません。
これほど日常的なモノほど、改良・工夫が必要とされています。
まだまだ、私たちは「智恵をめぐらして」発明していくべきことが
いっぱい残されていると思います。
このハサミを追い抜く「ハサミ・デザイン」をめざします。

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「最高級品・アストバリーの技法を超えるには」


   


     3月 13th, 2012  Posted 12:00 AM

「ウェッジウッド」は英国では
コーポレート・アイデンティティによる企業経営のお手本でした。
C.I.を根本にした企業ゆえに、ものづくりは無論のこと、
労使関係から顧客管理までが理想的な企業だったと評価しています。
この企業のC.I.が世界的な
企業経営でのC.I.戦略に適用されてきたと思います。
しかし、2009年、この企業が経営破綻しました。
私は大きなショックとともに、
資本主義経済社会の終焉を
この企業の商品展開そのものの時代が終わっていく実感を感じました。
「アストバリー」と呼ばれる商品シリーズがあります。
現代おそらく最高の陶磁器技術によって最も高額な商品だと思います。
フルセットで1000万というほどの陶磁器です。
22金仕上げのこの商品は、すでに美術工芸品です。
商品価格で高級品というのは、私の美学性では相容れないことですが、
ティーポットが50万円、ティーカップ・ソーサーが25万円、
この市場価格というだけの陶磁器表現だろうか、
このことを詳細に検討してみる必要があります。
そうしてもっと重大な問題は、
陶磁器産業そのものが現代性を失ってきているという現実です。
これはわが国の陶磁器産業・伝統的陶磁器産地の
経済的な生き残り方を見い出す必要があります。
これまでの陶磁器有名ブランドさえも
ブランド価値を怪しくしているのです。
むしろエルメスの陶磁器が世界中の陶磁器技術を、
ブランド存続価値に見事に取り込んでいます。
したがって、私もこのアストバリーは
一つづつコレクションにして、詳細な検討をしてきました。
日常使いには緊張させられるほどのモノです。
けれども、この商品を所有し使用して、
その傍に私の陶磁器へのアイディアや発想、
そしてプロトタイプを置いて比較することが実務だと思ってきました。
このアストバリーから見えてくるのは、これだけの技術であっても、
その商品価値は世界的にも見限られたのでしょう。
ある意味で、
陶磁器の新素材開発・釉薬・焼成・仕上げなどを革新しなかったことです。
すでに陶磁器は一方ではセラミックス技術や、
釉薬での化学反応だけではなく電解質内変化など、
もっと陶磁器産業の根本変革が
あることに到達してこなかったからと考えます。
私はその革新をデザイン手法で導入したいと思っています。

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