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Posts Tagged ‘チューナー’


『人は誰かの足跡を受けついでいくということ』


   


     2月 8th, 2019  Posted 12:00 AM

チューナーは、使える人は使っていますが、
私の場合は、B&OのBeosound5で、
インターネットを通して、世界中の音楽が聞こえてきます。
Aurexチームは当時、Kチーフと上司、そして私だけでした。
その時、水晶発振器で7局までが登録出来るすごいチューナーを見ました。
01.MHzから1MHzでマニュアルセッティング、
さらには、オートチューニングまでできる水晶発振で
PLL周波数シンセサイザー方式、しかも純電子式のタッチスイッチがある
ステレオチューナーST-910でした。
それは私にはまだまだとっても無理なデザインで、
とんでもないところにきた、と感じました。
何しろ、1975年当時は、NHKーFMと東京FMしかありません。
オーディオ評論家の評判では、
まだ2局程度で1局は21万円でした。定価は42万円。
ST-910を目指して、プリメインアンプもλ88が最高級。
そして私はSZ-1000をデザインしました。
突き抜けたデザインに合わせ、
一挙に4桁のネーミングを押しました。
ST-910を手掛けたKチーフだから、
私にはこの人について行こうと思いました。


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『音像もCDとインターネットで聴覚を確かめる』


   


     2月 7th, 2019  Posted 12:00 AM

音響も音楽も、両方確かめられる「音像」は、
今ではほとんどCDで決めています。
「音像」は、明らかにステレオ感覚ですが、
加齢による聴力の変化が影響しています。
どうも右耳の聴力が劣っていると感じていて、
右耳からの音は左脳、
つまり論理的な思考をつかさどる言語脳の
ステレオ感の判断が迷っているようです。
若い頃には、左右の聴覚は完全に一致していました。
右脳、左脳の違い同様に、右耳、左耳から取り込む
音の情報処理は異なります。
そういった特性や、耳の加齢も考慮して「音像」を意識しています。
インターネットラジオからの放送も視聴して、
別段ジャンルや言語にもこだわらず楽しんでもいます。
もはや、チューナーの時代ではありません。
だから、私のJBL4343は、最後のメインテナンスは、
十分にオーディオマニアの技術者にお任せしました。
先般は、B&Oでセッティングしようと思って
それをこのブログを書いていたところ、心配した先輩のマニアから
すぐに電話がかかってきました。
JBL4343がどれほど凄い製品なのかをあらためて聞きました。
もう部屋数以上のオーディオシステムの組み合わせを持っていて、
あくなき音への探求でまだ楽しみたいのです。
そうして、ビジュアル、テレビや映画などは間違いなく、
オーディオに頼ります。しかし、現在でのTVでは、まだまだのようで、
周辺システムをやはり追加させえて効果を高める必要があります。
立体映像になれば、
ことさら立体音響、音像の世界観が必要とされるでしょう。


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『鏡・・・私の造形要素となっている』


   


     1月 27th, 2019  Posted 12:00 AM

「鏡」は、造形要素として使う最初のきっかけでした。
インダストリアルグラフィックでのアイディアと、
さらに、チューナーグリル、
そしてメーターに誰も思わなかった鏡を造形要素とし
Aurex チューナーST210が完成しました。
ギャラリー間での「プラトンのオルゴール」展では、凹鏡球面内の球を
虚像として浮かび上がらせるプラトンのオルゴールや
立体を鏡を介して絵画を出現させる
モンドリアンのオルゴールでもそのアプローチを実践しました。
さらに金沢21世紀美術館では、各展示空間で鏡との
対話、拡張、対立、調和と造形要素としての
鏡への実践的デザインを続けました。
鏡については、美術評論家・宮川淳で賢明に学びました。
「鏡の裏には冥府への道が・・・」があることや、
左右対称ではない「対称性の破れ」、そのデザイン的解釈を
このチューナーで表現しました。
ともかく、営業からは「これが売れるのか?」と詰め寄られ、
すぐに、殴りたくなる私を止めたのはKチーフでした。
私をいつもかばってくれたKチーフには今も頭が上がりません。
若い頃は、デザインを通すためには
力ずくでと目上の人達にも食ってかかっては
「高校時代なら殴ってる」と腕まくりをしていました。
結果、腕力ではなく、あくまでもデザイン力で、
パワーアンプ、メインアンプなどには、
インダストリアルグラフィックと鏡・鏡面が使われる状況になりました。

プラトン

モンドリアン


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『インダストリアル・グラフィックという私も不明』


   


     1月 25th, 2019  Posted 12:00 AM

入門用のプリメインアンプとチューナーです。
プレゼ用にチューナーのデザインを終え一息、
秋葉原にいつものチューナーのコーナーに行ったら
P社の新製品を一足先に見かけました。
<やばいっ、今のじゃだめだ・・・!>
大急ぎで秋葉原から横浜そして磯子のデザイン室に戻りました。
電車内で、どうしよう、新しいデザインは?と自問自答していました。
そこで考えたのは本体へのグラフィック表現、
つまり、ともかく「インダストリアルグラフィック」と呼びました。
本体上面に、背面のコード結線と
実装中身をグラフィックとして表示、表現しました。
そして、新規メーターの前面パネルです。
チューナーには当時、メーター表現はなかったんです。
このインダストリアルグラフィックとメーターパネルの、
とてつも無いデザインを思いつきました。
翌日がプレゼで、チーフだけが味方でした。
「インダストリアルグラフィック」っていうのを定義しましたが、
自分でもよくわからないまま勢いで説明し、論破を狙いました。
「CADIS」ではなくて、「CANDIS」にならないかとか、
チーフと一緒に考えました。
私には「絶対に売れる」、という自信がどういうわけかありました。
この入門用が、後のAurexを位置づけました。
そして、プリメインアンプとチューナーは業界でヒットしました。


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『「チューナーと電圧計」はアナログで最高でした』


   


     1月 2nd, 2019  Posted 12:00 AM

今や「チューナー」の話は通じないんです。
FM放送を聞くのにも、少なくともプリメインアンプ、
さらにはスピーカーシステム2本で聞くことには
ワイフにいちいち説明しています。
ではプリメインアンプというのは、ということになりますが
当然、プリアンプとメインアンプが合同しているアンプです。
「面倒くさいっ」とワイフは言いますが
FMでオーケストラを生録していました。
生録も2chだけでしたが、私は4chも8chも、
さらにはそのミキサー16chのプロ用を持っていました。
実はこれらも捨てられずに今も所有しています。
このミキサーで、シンセサイザーを使って作曲をしていました。
なんと言っても、1975年頃ですが、
製品のレイアウトでチューニングスケールを一番下に置きました。
このレイアウトデザインにどれだけ技術も営業も怒ったことでしょう、
もう、チーフだけが味方でした。
丁度そのときに、電圧計も全て私がデザイン設計をしたのです。
もちろんチーフとアシスタント3人で社内の反対勢力を押さえ製品化し、
しかも結果は、当時のオーディオ雑誌では商品性最高の評価でした。
この当時のツマミはオールアルミであり、当然ながら、
電圧計も全て自分の設計ですから、
これほど気にいったモノはありません。
デザインを手掛けた音響ではお気に入りのモノになりました。
アナログ時代のチューナーは、もう全く見かけられません。
電圧計こそ、針での左右チャンネルもLEDでデジタルです。
「とっても良い音を聞きたい」、これは今年も変わりません。


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『インターラクションデザインの基本は可変抵抗器と指先』


   


     12月 4th, 2014  Posted 12:19 AM

ISO規格は日本潰しだったことを改めて述べておきます。
インターラクションデザイン賞を設置して、もし、
この賞が取れたならばISO 3290が認可される手はずを準備していた。
ところが、本来はスイスにあるべき本部ではなくて、
英国でISO規格は整備されていました。
その詳細は別途として、ISO 3290がインターラクションデザイン、
すなわち人間と機械との相互性=使い易さの基本その規格化でした。
私が少年の頃、夢中になったのは鉱石ラジオを自作することでした。
その回路は極めて簡単であり、ダイオードと可変抵抗器で、
AM電波を受け止めることができました。
可変抵抗器というのは、AM電波を選別するだけのいわゆるダイヤル。
このバリアブルコンデンサ(バリコン)、あるいはツマミを回すだけで、
自分の選別が可能になる使い勝手があるものだったわけですが、
Hi-Fiオーディオ機器では、チューナー、音量などの選別を
回転動作で機器が指先で可変出来るモノでした。
そして、その使い勝手は、そのスムーツなダイヤル操作感でした。
このダイヤル操作感を創り出すために、抵抗器とダイヤルツマミは
徹底的に実装化アイディアを考えていました。
結局、私は少年時代からこのツマミ一つで選択性の使い勝手に
拘ってきたのかもしれません。
現代製品は回転式よりもタッチセンサーとデジタル化で、
こうしたインターラクション性の基本を私は失っていると思っています。
なぜなら、インターラクションデザインの基本がISO 3290でも、
この可変抵抗器での使い勝手の詳細が無いからです。
たとえば、自動車では未だに方向性の選択は回転させるハンドル、
人間にとって、動作と選択の回転性能、この基本は回転精度であり、
この回転精度にこそ、私はインターラクションデザイン、
つまり、使い勝手の根本があると確信しています。
だから、私が明言すれば、ISO規格取得などは無意味です。


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『デザインには発明が必要だということを学んだ作品』


   


     7月 25th, 2014  Posted 12:00 AM

大学時代、デザインと造形の関係において、
造形によって、問題解決の解答を造形で答えることを学びました。
「発明がない!」と、故・柳宗理先生はよく言っていました。
私は東芝で最初にびっくりしたのはチューナーのデザインでした。
ST-910(左上)は、まだFM局が日本には2局しかないのに、
ガラス面にセンサー技術での選局システムが上司のデザインで、
すでに完成していくデザイン進化を技術とデザインで見ました。
そして、上司の指導というよりも、
「思い切った発明で選局」のシステムST-720(左中)づくりを
アシスタントデザイナーとして詳細な設計を技術指導できました。
そして全面的には、通常なら選局パネルがすべて上を真下に提案、
ST-420(左下)、上司は大賛成で、それなら、メータも変えなさい、
もう毎日が楽しくて、事細かにデザインで生きている実感でした。
そして、最も普及タイプのデザイン ST-220については、
パネルに、選局名を入れ、鏡面に針を映し出すことで、
普及タイプを仕上げて、ヒット作にすることができました。
しかし、これには深い思い出があります。
この製品企画で数枚の会議用のレンダリングを仕上げてから、
秋葉原に行きました、
そうしたら、すでに、チューナーは激戦状態で、
新製品を見て、大驚愕したのです。
すでに、レンダリング(完成予想図)で準備していたモノが
他メーカーから新商品で、秋葉原の大店舗では、
そのキャンペーンが始まっていました。
私は、すぐに会社にもどり、徹夜で、あらためて新商品企画を
やり直しながら、気づいたことは「どこにも発明」が皆無でした。
決して、他メーカーでは不可能なことをやり遂げるという想い、
会議前日に、必死で取り組んでいました。
私は、今でも、その頃の思い出を抱いています。
「このデザインには、発明があるだろうか」という自問自答です。
今ではチューナーはインターネットラジオになってしまいましたが
チューナーでのこの代表機種全てに「デザインによる発明」です。
だから、あきらかに言えることは、
「デザイン=造形が必ず発明」は必要十分条件だと思っています。

「ヘッドホンにはヘッドホンアンプ必要なり」


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