「扇子の季節、伝統センスが壊れ始めている」
5月 2nd, 2012 Posted 12:00 AM
それも京都の老舗、「宮脇賣扇庵」の物でした。
この「宮脇賣扇庵」で様々の扇子を見ていて、また発見しました。
自然描写で特にまた葉っぱの写実性が崩れているものが多少ありました。
私はこの「扇絵」という日本の伝統的なキャンバスには憧れがあります。
そこで、展示してある「正確」なものと駄目なものを見分けていました。
大声で「あれ、間違っている」と言ってワイフに叱られました。
「また大きな声で、駄目でしょ」って。
「間違いは指摘しておくべきだ」と。
お店の方と話をしたら、その通りです、との回答をいただきました。
時折、プロの日本画家、日本画画材でないと扇制作は不可能、
膠が扇制作では大きく影響しますが、
日本画家の先生でも間違いが多くなってきている、とのことでした。
このところ陶磁器での自然写実とデフォルメも間違いが余りにも当然です。
いづれ、私も「扇子」を特注して作品化したいと考えていますから、
「宮脇賣扇庵」さんには
徹底して「絵の制作での注意点」を講義していただきました。
「扇子」はまさに日本の発明品です。
本来ウチワ的な風をしかける調度品は
エジプトから中国と世界的にありますが、
「折りたたみ」=foldingの形態にしたのは、
まさに「日本らしさ」であり、
「携帯性」と「凝縮性」は、日本のモノづくりを端的に表しています。
要は(この漢字も扇子の部品名にあり)
いわゆるfolding ・mobileは
デザインの一つの造形のあり方だと思っています。
しかし、こうしたモノが文房具には大変に多くて感心しますが、
家電やその他の機器にはまったく欠落してきている風潮が
増加しているように思えてなりません。
文房具のダウンサイジング(凝縮性)・ミニチュア化・折りたたみ性は、
多分日本は最高に進化を遂げています。
にもかかわらず、機器設計において、
このモノづくり精神性は壊れてしまったのかもしれません。
その象徴が、自然写実でのデフォルメであっても基本を崩していることは、
日本の伝統文化を壊しているものと指摘しておきたいと思います。
デザインの世界から、さらに新たな表現領域への興味は強まっています。
もちろん、デザイン本来での、「補助人工心臓」や「透析医療器」などの
ダウンサイジングは、今、一番追いかけているテーマです。
Tags: folding, mobile, ウチワ, エジプト, キャンバス, ダウンサイジング, デザイン, デフォルメ, ファン, プロ, ミニチュア化, モノ, モノづくり, 世界, 中国, 京都, 伝統, 伝統文化, 作品, 写実性, 凝縮性, 制作, 医療器, 同一性を見直すひとつのテーマ, 宮脇賣扇庵, 家電, 展示, 形態, 感心, 憧れ, 扇制作, 扇子, 扇絵, 折りたたみ, 折りたたみ性, 指摘, 携帯性, 文房具, 日本, 日本らしさ, 日本画, 日本画家, 機器, 機器設計, 欠落, 正確, 注意点, 漢字, 特注, 画材, 発明品, 発見, 精神性, 絵, 絵柄, 老舗, 膠, 自然写実, 自然描写, 興味, 葉っぱ, 著作, 表現領域, 補助人工心臓, 要, 調度品, 講義, 象徴, 透析, 造形, 進化, 部品名, 間違い, 陶磁器, 風, 風潮, 駄目
Posted in 企望を「までい」具現へ, 祈望から企望へ
目次を見る