kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘アンビエントアライアンス’


「ビデオアート・現代音楽・オーディオの統合化をめざす」


   


     4月 24th, 2012  Posted 12:00 AM

フリーになっても、オーディオデザインで生きていく、
その気持ち、志は変わっていませんでした。
東芝Aurexでは、音響機器の工業デザインに留まらず、
イベント企画=Aurexコンサートやオーディオフェアなど、
ショールーム設計、レコード編集、量販企画まで
なんでもかんでも興味いっぱいに首をつっこんでいました。
意匠部長(現デザインセンター長)にはしばしばしかられつつも、
チーフがいつも私の自由行動を許してくれていました。
実際は意匠部長もかわいがってくれていたのです。
上司には本当に恵まれた東芝は、私を鍛えあげてくれていたのです。
音響機器デザインをより拡大したい、
この想い、デザイン領域の拡大という志は今も変わっていませんが、
オーディオにビデオアート・作曲録音・多チャンネルHi-Fi再生を
作品化しようとしていました。
30-Channelというのは、
30個のフルレンジスピーカー=ロクハンを曲に合わせて
一個一個制御しようと考え実現しました。
リレー回路でSPチェンジするプログラマブルコントローラーでした。
今ならパソコンで簡単に可能です。
しかし、この投資は発表はできませんでしたが、
現在、「アンビエントアライアンス」に繋がっています。
「興味を持ったら、徹底的に納得するまで実行する」。
これこそ「行学」の基本だと私は思い、行動を起こしてきました。
どれほど当時は無駄遣い=浪費したかしれませんが、
人生において重要なことだと考えます。
だから、このことは教育者としても、
自分で作為的に重ねてきた経験ですから、
学生、次世代デザイナーには強調主張しておきたいと思います。
そして、そのようなことを試みているデザイナーということで、
フォーライフ・レコードや
「流行通信」、PLAYBOY 誌や平凡パンチ誌にも伝わり、
フォーライフ・レコードからデジタルガレージ設立や
「流行通信」に連載を持ちました。
けれども、徹夜仕事やメチャクチャな生活習慣で、
すっかり体調を著しく悪くしてしまいました。
父や金沢美大の恩師からも「帰ってきなさい」、
常に診てもらっていたドクターから
「ふるさと」へ帰れと命じられてしまいました。
丁度、ジョン・レノンが暗殺されたこともあり、
(私の青春は終わった)との気持ちいっぱいになり、
大きな挫折感を持ちながら、56豪雪になろうとする福井に戻ったのです。

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「ボーカロイドが象徴し始めてきている重大さ」


   


     4月 17th, 2012  Posted 12:00 AM

「イタ車」の存在を知ったのは、
オーザックデザイン副社長H氏からであり、
H氏の車種(数台所有)がまるで変化した2010年8月頃でした。
車はじめ工業デザイン各分野でのマーケティングに関して
日本でトップクラスの彼が、
「イタ車」でホテルに迎えに来て、ホテルのドアマンの人たちは驚愕、
そのまま東大に行きました。
東大構内でも学生達が写真を撮りにくるほどでした。
その時、彼はすでに
「初音ミク」などのバーチャルアイドルが様々に台頭するはずと、
その存在による経済効果を予測していました。
彼の「イタ車」もプジョーを選び、
外装には彼指示による高度なシール印刷を施して、
日本の印刷技術の最高峰を引き出してみたということでした。
その印刷仕様技術が、
これからの日本の印刷形式も変貌させると断言していました。
彼の予測は万事いつでも正確で必ず的中することばかりです。
そして、彼がこれまでクレジットカードからケータイなど
様々に企業提案し実現してきたことを知り尽くしているので
その時期を待っていました。
その時から私自身も、
「アンビエントアライアンス」という近未来コンセプトを掲げ、
講演でもその歴史的な系譜分析などをし始めていました。
すでに、もう「初音ミク」は一般化してしまいました。
初音ミクを含め3人の代表がそれぞれの性質がプログラムされました。
この創造力と革新的な商品化技法は
新たなデザイン形式とデザイン拡大化を見せてくれました。
彼女の容貌=美女イメージと
ボーカロイド音源=バーチャルエレクトロニック・ボーカル音源が、
現在のリアル・アイドル楽曲にまで拡大し始めています。
さらにSNS(これにはそろそろあらたなステップが始まる)の進化が
加わってきました。
この流れを読み切ったベンチャー企業はまだ存在していません。
無論これまでの大企業にはこの系譜を読み取ることすら能力無しです。
おそらく、日本の確固たるカルチャーである、
「漫画」・「アニメーション」・「ケータイ」・「ゲーム」などが
経済的稼働を起動し始める「重大要因だと予測」しています。
そして、スマホの形式と内容も、
この連鎖性を包含=インクルーシブさせていく国内の情報機器企業は、
今はまだ皆無だというのが2038年問題より大きいと私は予知しています。
具体的ではありませんが3.11後の東日本に、
「初音ミク」の象徴性、
ボーカロイドが投げかけている新たなDIYから派生する
そのような産業が起業されることも肝要かと私は考えています。

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『資本主義からの逃走』
    「小さな空間としてのローカル」


   


     10月 17th, 2010  Posted 12:00 AM

小さな空間
マルキストとして著名なリオタールは、
「大きな物語」と「小さな物語」を歴史論から、
ポストモダニズムの提言にしたことはもう忘却されているでしょう。
私は、この分析・解釈、そして新しい時代づくりへの思索的考察が、
耳鳴りになっているのかも知れません。
しかも、反マルキストですから、かえって彼に囚われているのでしょう。
そこで、今、瀕死的な状況にある地方都市の再活性化を、
東京=大きな空間との対比も、この耳鳴りの質が変化する気がしています。
しかも、東京が小さな空間になりつつあることも自覚しなければなりません。
なぜなら、国際的には、気づいたら東京はローカルになりつつあります。
ソウルがあり、上海があり、マレーシアがあり、シンガポールが大きな空間になってきました。
だから、私はことさらに「小さな空間」から再出発です。
その高密度性能、充実した機能、確約された効能をデザインし直すことが、
もっとも大事だと意識しています。
ローカル「越前市」を変える
私が、小学校高学年、中学時代をすごした街、
「越前市」=武生市+今立町の合併)に、デザイナーとして、ここで育った人間として、
「ローカル」の再興を伝えたいと帰省しました。
「0.5次産業化up」
一次産業はすでの1500人、二次産業は19000人、三次産業は24000人、
このデータを見ながら「小さな空間」の近未来産業をデザイナーとして提案したいと思います。
簡潔に、結論は一次、二次、三次を0.5次産業化upしていく具体デザインです。
それは街の伝統文化を「大きな物語り」にする方法を、まずは発想しようということになりました。
一つは、「情報」での価値性アップです。
それは私が取り組み始めたアンビエントアライアンス=ロボット+原子力+情報を視覚化します。
そうすることで、 I see ! とみんなが参画してくれるデザインアイディアだと考え着きました。
これから、この具現化の活動を開始するでしょう。


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