1月 5th, 2018 Posted 1:51 AM
私のブログではとても筆記具が登場してきました。
そんなこともあって、昨年末に最も使ってきたこの3本を紹介、
そう決めていたのです。それには理由があります。
まず、左2本は雑誌取材のお礼に、それぞれのメーカー最新で欲しいモノ。
それを伝えたらいただくことが出来たのです。
右の白は、このメーカーなら当然あってしかるべきが無くて、
もう100本以上もある万年筆に加えるべきか迷いながらも、
どうしても、これまでのシリーズではやれなかった「白表現」が見たくて、
これがその理由でした。
最近、世界的にも万年筆の新製品は一時、10年前に比べると、
相当に商品開発ができてきていないと判断しています。
二つの理由が考えられます。
それはデジタルでのメモが相当に増えてきたこと。
もうひとつは筆記具での自筆表現での達筆という人間がかなり減少なのです。
私のある基準には、達筆を求めます。
文字は和文であれ欧文であれ、絶対に上手いこと、
それは「美しい文字 」が自筆であることです。
これを私は書にも強く求めているのです。
無論、達筆が必要条件と言っていませんが、
達筆という十分条件は、子どもの頃から私は父、祖父に求められてきました。
また、メガネのデザインでの素材では万年筆との関係を見てきましたが、
最近は万年筆の技術進化も停滞していてメガネと万年筆は遊離しています。
今年は、おおよそ20本を月毎に変えて使おうと考えています。
いづれ、この私の万年筆コレクションには大きな理由があったこと、
それをデザインのために書き残したいと思っています。
自分デザインの万年筆?
これには正直、万年筆のインクとペン先にまだアイディアはありません。
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4月 24th, 2013 Posted 12:00 AM
銀座といえばその象徴的な高級店があります。
時折、銀座でそのお店に立ち寄り主に展覧会を観ますが、
いつでも思い出すことがあります。
もうそのお店の方はいないでしょう。
もっと早くお礼をすべきだったと反省します。
私はオーディオのデザイナーから社会人になりました。
オーディオデザインが出来たことはとても幸運なことでした。
今なお上司とは付き合っていますが、
デザインを叩きこまれながら、彼にこんなことを言われました。
「工業デザインで最も欠落しているのは、
高級ブランドのモノ、
その素材や仕上げだから勉強しておきなさい」と。
そこで、私はよく銀座のその店の時計とライターを見に行きました。
ところが何度目かで、
私は支配人らしい人に声をかけられて別室に入れられました。
私は、名前や所属企業でデザイナーであることを話しました。
彼は私のことを、いつも見つめているだけの人物ゆえ
とても怪しんでいたらしいのです。
私の事情を知った彼は、すべての店員さんに、
私が質問し見たいモノはすべて見せるように指示してもらったのです。
だから当時から、
超高額な時計・ライターの素材や仕上げを識ることができました。
とても買えない高額高級品を若い時に触って見たことも幸運です。
私は若いときにこうした人に恵まれたと思います。
工業デザインは、あくまでも普遍的でシンプル性を追求しますが、
私も時に批判・非難する「デコレーション」の真贋は識るべきです。
とりわけ、ブランドモノのデザインとデコレーションの調和と技法、
その統一性と融合性こそとても大事なコトです。
モダンデザインが敬遠し近接しなかったコトかも知れません。
私が最初に、手で持って、素材と仕上げを学んだのは銀座でした。
私にそのような機会を与えていただいた方に、
今ならお礼ができそうです。
工業デザインからデザインの本質を幅広く受け止めた銀座は、
今も私にはデザインのふるさとかもしれません。
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