デザインが時代を変革する形式を発見する時、
社会にとってのデザインが
その内容で評価されることは
瞬間でしかないかもしれない。

未だデザインが対象化しなかった事態に、
位相となるべき時代が訪れようとしている。

文化とは無知と差別への見識闘争であり、
それだけに「分別としてのデザイン」は、
我らが東洋の理想に対象化出来る
ジレンマからの開放の論理となるだろう。

差別化のために翻弄されたデザインは、
文化の基盤を幻影で追い求める
知恵遅れの職能になるだけでしかないだろう。

「区別化」の手法から
「分別」の知性をデザインは育成し、
やがて文明の経済効果に
デザインユートピアへの
コンテクストを構築する、
この決意を明然とすべきだろう。

モノの差別化は、
社会差別観肯定の
懐疑無し無分別な行為である。

「差別化」なるコンセプトの提示を
臆面もなく繰り返すデザイナーは、
経済におもね、演技すら忘れた
娼婦的存在にすぎないのである。

「デザインとは何か」、
この本体論から距離を置き、
デザインとは「いかにあるか」、
この現象論的踏査も、
デザインとは「いかにあるべきか」という
実践論で議論するとき、
次世代へのデザインは
その輪郭を照射することが出来るだろう。