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『記号論・文庫版になった定本だから再熟考対象だ』


   


     3月 6th, 2014  Posted 12:00 AM

「記号」ということばは道元が定めたといわれています。
ちょうど私が30歳で東京を離れふるさとに帰郷する年に、
日本記号学会が発足し会員になったことを思い出します。
学識としての「デザイン」は文系であり理系でもあったので、
核心となる学域が無いことに迷っていた私には、
記号学・記号論は、デザインの複合的で学際領域でした。
とても最適な学域・論考域として最も興味ある分野になりました。
そしてその時に最適な書籍が「記号論?と記号論?」です。
何度もこの書籍に私は頼っていたことを思い出します。
この学会に入ったのは、まだ当時は学者でもなくて、
論文を書くと言うよりもこの学会誌は書店刊行であったことです。
まだ書店刊行となる学会誌は無かったと思います。
学会員は、数学・医学・哲学・文学・音楽・芸術・デザインなど
あらゆる領域の人たちがいて、その頃読みあさっていた評論家は
ほとんどの人たちがいました。
記号とは、端的に言ってしまえば、
<表現+意味>=記号という認識であり、表現すべての意味、
あるいは意味から表現という形式が『記号」という認識論でした。
したがって、デザインという表現、デザインという意味、
意味+表現=デザイン、表現+意味=デザインとして、
私にとってはデザイン思考を支える基本的な姿勢になりました。
ちょうど私にとっては、記号学・記号論が気になり、
車椅子で私のデザイン方向を探っている最中のことでした。
おそらく私はこの記号論から思考をまとめていたのでしょう。
最近、この文庫本が出てきて「記号論」が一般化したと思います。
さて、こうして一般化してきた記号論は、
あらためて再熟考が必要になってきていると私は意識しています。

「デザインは記号論的な『造形言語と形態言語』での論理化」
「記号論は脱構築に向かっていった『かたち論』」
「商品・コミュニケーションから意味論的デザイン」


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