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Posts Tagged ‘歩道’


『車いすのレジリエンスとノルアドレナリン』


   


     7月 5th, 2015  Posted 12:00 AM

最近は身体に明らかに歪みもあり、
大学の同級生がシーティングエンジリアリングのデザイナーゆえ
今度、正確な測定とシート設計をしなければなりません。
もう電動車いすです。米国製で20Kgでとても馬力があります。
電動車いすになって最も気づくこと、かつての車いすでもでしたが、
歩道の傾きは相当なものです。
建築でも安上がりの建物の廊下なども平滑度はありません。
大勢の人混みの中では、スマホしながら歩いている人が余りに多く、
また、銀座や京都では中国人のマナーの悪さには、
ほとほと嫌になるほど、喧噪であり彼らには必ずぶつかるのです。
<私がぶつかっていっているとも言われますが・・・?>
そして、最近とても怖いのは駅のプラットホームです。
写真は、新大阪駅で、ここまで来ればひと安心ですが、
カメラシャッターを押せないほど、
狭いホームを一人で駅員さんの後ろに付いていくのは体が緊張します。
これまで、列車の中で車いすの人は多くて3組見ましたが、
やがて車いすの人が増えてくることは間違いありません。
そして駅のエレベーターに平然と元気な人たちが居ると、
海外では必ず優先されますが荷物も無く若い連中だったら注意します。
それこそ、「車いすだからと言って優先されると思うな!」とか、
その筋の人にも数度出逢っていますが、
私は必ず喧嘩を売ることにしています。
「交番で決着つけよう」とか、自分のノルアドレナリンが出てきます。
これは体調にすこぶる悪いのです。
このノルアドレナリンは肝臓に貯まっていきますから、
この消化方法を考えます。
ともかく、車いすの上の私は、
あらためてレジリエンス手法を考えます。
駅のプラットホームではこれまで
視覚障害者の人が落ちる事故防止策がありますが、
今後は電動車いすでのホーム幅は、
改めてリ・デザインの必要があるでしょう。


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『いつも、なぜなんだって思う点字ブロックのこと』


   


     11月 5th, 2014  Posted 12:00 AM

かつて点字ブロックについては、徹底的に調べてその効用を
私はどうしても変更すべきではと思っていました。
なにしろ、私の視点は1m20cm程度からですから、
地表、地面、歩道、舗道にある障害物は目についてなりません。
なんといっても、点字ブロックが役立つことは、
極めて少数の人たちですが、それだけに重要なモノだと思います。
そして、この点字ブロックを提唱して生涯をこの制度づくりは
様々な社会的な抵抗の中で、今では全国に普及しています。
しかし、制度の甘さ、行政の「やればそれでいい」という観点、
これが一般化したときには、見事に真の文化性どころか、
この制度を提唱した人の真の狙いは、点字ブロックそのものまでを
とても汚れさせてしまっていると指摘し直さなければなりません。
これは駅構内にともかく点字ブロックをという投げやりさです。
床面にはあらかじめ床仕上げ素材が敷かれているのですから、
何も別個の点字ブロックを引き詰める必要性など全く無いのです。
そこで、改めて街中の舗道を見つめ直して下さい。
この点字ブロックを埋め込むために、手抜き工事が氾濫しています。
ただむやみやたらに、本当に必要な少数派のためゆえに必要な、
現代技術だから可能になる素材開発は皆無だと言っていいでしょう。
もはや、点字ブロックでは無い、新たな技術と誘導制度の一新こそ、
21世紀の智恵で生み出す必要があると思っています。
ともかく、私の視点は舗道面をいつも見ていますから、
その意味ではわが国の舗道は綺麗な方だと思います。
ただむやみやたらに点字ブロックが貼ってあるだけの行政、
その街を列挙する必要があるのかもしれません。
すべてを最近はすぐに撮影ができますから、撮りまくっています。
絶対に、これは許せないと思う街・行政を指摘するつもりです。
理由? 簡単です。
道とは闘いで死んでしまった人たちが朽ち果てていたのです。
それだけに道は美しくあるべきだと思っています。

『通称・点字ブロックのデザイン間違い!』


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『歩道と車イスの対応性は?』


   


     7月 23rd, 2014  Posted 12:00 AM

ヨーロッパでは、中世の頃にはすでに歩道は石畳でした。
現代は、磁器タイルが歩道を平面で滑らかな仕上げになっています。
正直、私のように車イス使用者にとって、
今の車イスでは石畳歩道は大変に不便で有り、時には疲労困憊です。
ただ、最近、私は電動車椅子の進化によって、
自由行動が楽になりましたが、結局はゴムタイヤが、
歩道面との接触面であることや歩道の段差や溝にはまだ不完全です。
願わくば、現代の平らな歩道面が理想的ですがまだまだです。
したがって、この二つの歩道面に対応させるには、
車イスそれも電動であり歩道の傾きにも対応させることが必至です。
そして最も大きな問題はゴムタイヤの径や素材性能に対する
新しい解決策が求められていると判断しています。
なぜなら、これまでは手動の車イスでも体力がありましたが、
今は、急速充電のリチウム電池電動の車イスを使っています。
とても行動範囲は広がったと思っていますが、やはりこれまでの
ゴムタイヤでの限界を思い知らされています。
希望では、完全に浮かび上がっているのが理想ですが、
現代の浮遊式駆動はまだまだ映画の世界の話です。
しかし、浮遊式の新エネルギーでなおかつ周囲に迷惑をかけない、
そのような車イスが必要であることは見えていますが、
そこまでの技術進化にはまだまだ開発研究が必要でしょう。
そうなると、石畳、現代タイル歩道、さらにこの両方に対応する
接触面での理想的な駆動方式が求められています。そして、
私には少なからず、これは自転車の延長上にある問題解決ではなく、
新規な発想が車イスに求められていると思っています。
結局、私たちは新たな移動体、それも下肢障害者を支援する、
そんな新しい乗物がこれからますます必要になるということです。

「石畳の街、その文明と文化」
『そろそろ電動車椅子デザインの時期=一人称デザイン』


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「デザインは皆無だ!・・・誤りのデザイン」


   


     8月 28th, 2013  Posted 12:00 AM

ある商店街の二つの店舗です。
この二つのお店に私は入ったことがありません。
最も、二つとも男性洋品店であり、デザインされている店舗です。
「デザインされているはずの店舗でしょうか?」、と、
私は改めて問いかけたくなります。
もちろん、私が車倚子を前面に出して批判していません。
なぜならばマーケッティング的に、この店舗デザイン?が
あったとしたならば、すでに歩道との間に階段があります。
この階段は、すでに「拒否記号」だということです。
「拒否記号」とは、
階段が歩道との間にあれば、お客さんが入らないのです。
調査にもよりますが、一段あれば10%から30%は入りません。
3段あれば、50%以上のお客さんを呼び込むには、
店舗の商品やその陳列や店舗インテリアに魅力がなければ、
もうこの店舗デザインを発注した意味は全く無意味です。
私は時折、この店舗の前を通り過ぎますが、
お客さんを見かけたことは本当に無いのです。
3段の階段は、当然ながら彼らのお客さんに車倚子の人は皆無。
結局彼らにには車倚子の人は購買者では無いと宣言しています。
果たして、付け足したようなスロープでは、
電動車椅子の人は使えませんし、
私自身、この店舗を覗いて見ても欲しい商品などありません。
折角スロープを造ったとしても、
そのデザイン的な効用も効果も無いことは確かなことです。
それこそ、銀座通りでもこの「拒否記号」は思いの他多いのです。
最近私は車倚子の方を多く見かけるようになりました。
高齢社会になれば、車両や飛行機なども相当にそのシステムを
変更し、やり直しが求められることになるでしょう。
あるとても高名な、建築家の「大先生」が、
「バリアフリー?、ユニバーサルデザイン?、
私は大嫌いだから、私のデザインはこれでいい!」というのを、
あるジャーナリストの方から聞いたことがあります。
多分その「大先生」は歳老われた時、街には出ないのでしょう。


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