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『藤巻幸大氏という「男」、その存在とデザイン』


   


     3月 18th, 2014  Posted 12:00 AM

藤巻幸大といえば世間では「カリスマバイヤー」として著名です。
彼に声をかけられたのは、私の眼鏡フレームデザインからでした。
もう一般化した「DESIGN TOKYO」の仕掛けとデザインコンペも
その審査をしてもらっていました。
そして、彼をTV画面・国会中継で目にしてから、
直接、「議員になってしまいました」と聞いて大変驚愕でした。
あれほど、損得無く一心不乱に政治に取り組んだ人物を
私は間近でみた「男」だと確信しています。
正直、デザインと政治は本来は深い関係であるべきですが、
私は政界も学界もデザイン界も、ともかく人が集団化した「界」、
そうした「界」にはできる限り距離をおくべきと思っています。
なぜなら私の理想あるいは野心は必ずその裏切りがあるからです。
もう裏切られることからは白楽天の想いがいっぱいです。
しかし、藤巻という人物は全く異なっていましたから、
私自身彼の厳密さと繊細さが政界ではと一抹の不安がありました。
時折、入院するほど身体は弱かったようでした。
彼の所属政党を不信せざるをえなかったことを、
彼は「変わる、変える!」と言って、「結いの党」になりましたが、
その新党のイベントから姿が見えなくなりとても不安でした。
とうとう手紙を病院へということになりましたが早世しました。
54歳です。2050年ー私は居ないけれどという話をしました。
彼にはそこを超える理念の国士であったはずでした。
日本の政治に「デザイン」は、思いがけなくも、
野党でありながらも、国政に持ち込める唯一の存在でした。
明日、いや本日彼に会って来ます。
彼を失ったことは日本の「ファッション・デザイン・ブランド」、
この大切な制度設計の基盤固めの重大人物を失いました。
彼の49日の冥途への旅路の安全を祈るばかりです。

「政界に初めてデザインを持ち込んでくれた男・藤巻議員」


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