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Posts Tagged ‘写経’


『書にも流行学があるようであることが分かっている』


   


     5月 27th, 2019  Posted 12:00 AM

最近は、筆跡はどういうわけか「筆ペン」、
それも開明でなけでければ満足できません。
おそらく、筆ペンのカートリッジも種類はありますが、決めています。
いくつかの筆ペンのカートリッジは2〜3種類に絞られますが、
しかし、なんと言っても、筆ペンでの筆跡が開明筆ペンはいいのです。
筆には流行があり、自分の使い勝手も時に応じて、文具を選択しています。
流行というと、「面相筆」にも流行があると私は判断しています。
それこそ、「流行学」というのはファッションの世界ではなくて、
疾病にこそ、流行学の基礎があります。
ようやく私にも「写経」というのが少しは分かってきました。
なんといっても「写経」には、空海が並外れて凄いこと、
それが私の「書」で掴んだ大きな、それも美学の一つです。
自分では決心していることなのですが、
なかなか、毎日原稿をと思いながらも書き上げることが出来ません。
それには、いい文具が手助けとなりますから、
私には、筆ペンと面相がとても一致しているのです。


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『運筆練習に最適な学習ノートの充実ぶりに感嘆』


   


     3月 7th, 2017  Posted 12:00 AM

日本人で本当に良かったと思います。
なんとか幼稚園で教えられたわけではありませんと断っておきます。
日本人でいいと思うのは「書」の世界、いわゆる書道というか、
「運筆」というすこぶる大事な訓練があるということです。
これは岡倉天心が東京美術学校で
横山大観はじめこの訓練が基本中の基本でした。
私が美大でこの運筆は「デザインストローク」であり、
これは米国でもデザイナー職能のトレーニングでした。
先般、同期会でもデザインストロークでのデッサン、
それは生きている鶏を二人が1羽を1週間描いた苦労から、
そこから鶏をテーマにした平面から立体までの
造形訓練は一番のトレーニングだったと意気投合しました。
これを「スタイライゼーション」というのは想像力拡大訓練です。
この運筆やデザインストロークは私には身体化しているのでしょう。
特に今は書のための運筆は写経や手紙を書くためと
もう一つはiPad Pro大小それぞれとそのペンをいくつか選んでいます。
今、運筆は空海を手本にしながら、自分流の草書を求めていますが、
もはや草書ではほとんど手紙文は読まれないのです。
それ故に、空海の行書から
草書でほぼ行書からのくずし字が美しいと思います。
今はともかく美しいモノと言われれば、空海の書をあげるでしょう。
したがって、この運筆訓練には
小学生の使う学習ノートが最適だと選びました。
そこで、学習ノート「ジャポニカ」を初めてじっくりと見ましたが、
学習ノートの充実ぶりに感嘆したほどです。
そこで、一冊を持っていたら、年配の婦人から声をかけられました。
「ぼく、それ欲しいの、お母さんはどこ?」と。
車椅子に乗っているので大きな勘違いをうけたのですが、
面倒だから、ワイフを指さしたら、
わざわざ、その婦人はワイフに
「お母さん、あそこで(私が)呼んでいるよ」とのことでした。
無論、ワイフは私に、「なんで私があなたのお母さんなの」と。
すこぶる面白い買い物をしました。
今、私の書の運筆は、そうした練習図書もありますが、
「ジャポニカ」は最適だと思っています。

* 『盟友のエッセイから思い出した=スタイライゼーション』
* 「資本主義から離脱してきたデザイン」
* 『毛筆も万年筆も細軸だから可能になる運筆がある』
* 『工業デザイン教育での「手」のトレーニング』
* 『美しい運筆を体現すれば美しさがわかりそうだ』


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『書そして運筆なら空海がお手本になる』


   


     2月 20th, 2017  Posted 12:00 AM

先般、日本デザイナー書道?楽部を創りました。
全くの思いつきで若手デザイナーの太刀川氏とでした。
その彼から筆ペンをいただきました。
これまでの筆ペン以上の使い心地が気にいり、しかも写経を開始していて、
最初は祖父にも父にも叱られる下手さに一念復帰で、
今の小学生ノート「ジャポニカ」で練習をともかく思いついたら始めました。
お手本はいくつか見ながら、空海を選びました。
空海の書は行書よりの草書ですから、なんともいえない筆運びです。
これはいわゆる運筆の練習になると自分に期待しています。
そういえば、先般、京都の古本屋といっても、ほとんど古書専門店で、
多分、江戸中期から後期の運筆でのスケッチを見ました。
相当に迷いましたが購入しませんでしたが、
かつて越前打刃物の職人を描写したスケッチを貸し出してもらえずに、
すっかりデッサンしたことを思い出しました。
ともかく、日本の「書」そして運筆は凄い文化だと思っています。
残念ながら、書での手紙は若手デザイナーの太刀川氏と出来ます。
デザイン界で章・運筆が達者な人はこれでまだ4人程度しかいません。
「書道」よりも「書」を、そして運筆をと練習するべきと思います。
私は幸いにして中学・高校と永平寺第一道場の吉峰寺で、
トレーニングを受けましたが今となるともっと真剣にと思います。
私に厳しい管長さんに会いたいと思います。
そして、後輩の急死に驚愕し、彼への写経を書き上げました。
正直まだまだ下手くそですが、そうすることしかできません。
「朝に紅顔なれど夕べに白骨」の時が私にも近づいています。
ともかく、行書よりの草書である空海の書は、
今後、持ち歩こうと思っているくらいです。
随分と筆ペンも様々に使ってきましたが、流石、墨汁メーカーゆえか、
彼に勧められて一本いただきました。
今、ワイフには元来、史学科卒なら「書」をやりなさいと命じています。
睨まれていますが・・・。
本当に書そして運筆は素晴らしいと思っています。

@日本デザイナー書道?楽部

* 『とうとうその時期「写経」で自分の書を晒します』
* 『神仏像をもっと知っておきたいと考える』
*  「曹洞宗第一道場・吉峰寺での『薪』割り」
* 『墨汁が護っていてくれた文字=言葉の伝統文化』
* 「政教一体と政教分離は民主主義とは無縁」


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