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Posts Tagged ‘オーディア環境、豊かな存在性、品質ダウン、差別化手法、商品の差別化、モノ品格、博士号論文、デザイン記号、デザイン形態、designed loungage、designing loungage、造形言語、造形言語、製品記号論、リモコン、LINN、プリアンプ、オーディオシステム、造形意欲、’


『世界は貧しくなっている・・・と思う』


   


     4月 12th, 2014  Posted 12:19 AM

自宅のオーディオシステムをまたやり直していて、
とても驚いたのは、私の最上級のプリアンプLINNが一台ありますが
このアンプのリモコンは、今では古い機種の方が、
はるかに豊で製品品質が優れています。
確かに、現代の製品リモコンは合理的で単純で、使い勝手は、
国産のモノには最低なデザインが多い中と競べればいい方です。
しかし、最高級プリアンプとの存在性、たたずまい性をみれば、
絶対に製品の品質性や熟考されたデザイン表現性があります。
私はデザインを、製品記号論的には、
デザイン意図の表現を「造形言語」と呼び、
デザインすること、とし、
デザイン表現された内容を「形態言語」と定義しています。
「造形言語」=designing languageと、
「形態言語」=designed language、この二つの名辞によって、
デザイン形態=デザイン記号を記号論的な解釈をしてきました。
designing languageとdesigned languageは博士号論文へと
指導をしてきましたから、今後の国際的なデザイン思考論理に
普及していきたいと考えています。
このリモコンの造形意欲を競べてみても、最高級製品の
モノ品格は、現代にいたって、大変貧しくなっていると思います。
結局、コストダウン主義は、豊なモノづくりを消しているのです。
貧しいモノづくりは、本来のデザイン本質を喪失させます。
現代の「安価なこと」には、安易な価値設定があります。
適当なる「商品の差別化」ということは使い手を差別しています。
経営主義ゆえの「差別化手法」そのものが革新されるべきです。
品質を造形言語として安易な価値設定ゆえに、品質ダウンが、
国際的に横行していることを、デザイナーとして危惧しています。
私は安易で安価なモノづくりは、豊かさを喪うと確信します。
だから、私のオーディオ環境ではリモコンですら、
「豊かな存在性」を最も大事にしたいと考えています。

「コントローラーのデザインはまったく進化していない」
「ブランドを語る前に、ブランドマーケッティングの大欠点
「デザインは記号論的な『造形言語と形態言語』での論理化」


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