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『「真善美」をプラトンに教えられたから生きてきた』


   


     11月 18th, 2014  Posted 12:00 AM

私が高校時代に最も大好きだったのは「倫理社会」でした。
日本には、当時、この教科書は5冊しかなくて、
しかも最も薄かったのです。書籍は薄いのが最も簡潔でした。
これまで何かを学ぶテキストは最も薄いのを求めます。
担当教諭は、私に残りの4冊を与えてくれたので、
おそらく、倫理社会が得意な科目になりました。
そして出会ったのがプラトンであり、「真善美」が世界の基本、
このいわゆる「イデア論」を知りましたが、
自分が生涯にこの三つなどは出来るわけがないから、ともかく、
一つだけを選ぼうというのが高校時代に生き方を決めた手がかり。
真って、わからないし、善を貫ける気性とはとても自称できない。
なんとなく、「美しい」ってことは感覚的には分かるかも知れない、
この程度だったと思っています。
結局、美大そのものが「美」に近づく手段に最も近接していました。
要は「美しいって何なんだろう?」、この答えがわかるはずはない、
かも知れないけれど、「美しいって何なんだろう?」っていう、
難しくいえば「イデア論」があるから、死ぬまで考えている自分、
その自分が存在していることを知ることができているのだと思います。
私は12人を選んで「プラトンのオルゴール」展は私の代表作ですが、
肝心のプラトンのオルゴールは凹鏡球面の中にある実物球は、
虚像を浮かび上がらせることができます。
これはそのまま、実体である自分は凹鏡球面にあれば虚像の私です。
虚像の私が本当は実体なのかもしれません。
凹鏡球面が現実の時空間なのかもしれません。
だから、多分、私は選びぬいた「美」と自分の関係は、
この「プラトンのオルゴール」だと生涯幾たびも書いていくでしょう。
自分は美だけを自分の生涯に置いたことは正解だったと思っています。
プラトンが「イデア論」を書き残してくれたからではなくて、
「イデア論」が手元にあったから生きていく核心が私にありました。

「原点回帰と思っている作品」


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