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『デザインにとっての「言葉」を学ぶために』


   


     5月 3rd, 2014  Posted 12:00 AM

私が彼の存在とその意味を知ろうとしてきたのは、
ルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」に取り憑かれてからです。
そして、「ハンプティ・ダンプティ」を当然として、
「比喩」という概念、
特にデザイン思考の私流基軸にしてきました。
あるメーカーのインテリアデザインのテーマに使ったこともあり、
ルイス・キャロルは私が選んだ私の賢人12人の一人です。
これは「プラトンのオルゴール」では相当に再考再考の人でした。
ハンプティ・ダンプティは、スラングとしては、
ずんぐりむっくりという意味に過ぎませんが、
なぜ、このスラングに至ったことも歴史的なある意味、
思考という歴史的なコンテクスト上にあると思っています。
さて、デザインは概念思考で言葉を運用します。
それは言葉とデザイン、とりわけ、比喩さらには暗喩までを
思考連続させていく方法論の実務作業でもあるわけです。
私にとっては、ハンプティ・ダンプティをコアとして、
ルイス・キャロルに学んできたと思っています。
このことを大学の講義に持ち込むことは未だに出来てはいません。
が、少なからず、比喩としてはそのままルイス・キャロルからは、
「鏡」を見詰めとらえてきたと自負しています。
したがって、比喩=ハンプティ・ダンプティからの示唆として、
「鏡」への反映に比喩を、デザイン思考に入れてきたはずです。
そんなこともあって、このハンプティ・ダンプティの人形を、
時々眺めています。
次世代のデザイナーに伝えたいことは、ハンプティ・ダンプティ、
その存在を西洋的な寓話から、思考の手がかりにしてきたことは
改めて書き残し、デザイン思考の象徴の一つにしてほしいのです。

「『鏡』の存在を知り尽くすこと」


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