4月 13th, 2019 Posted 12:00 AM
形態には、大きさ・素材・使い勝手が主要な事項です。
よく、陶磁器と言われますが、
陶器(土)と磁器(石)には大きな違いがあります。
これは陶芸家の若尾利貞氏が美濃焼で「鼠志野」を復活した、
陶器=土を焼いた鼠色に対比した色彩の器の湯呑です。
鼠志野は、エンベリッシュ=embellishであり、
デコレーションやオーナメント=装飾ではありません。
私が、美濃焼をTV番組で紹介する機会があり、
お互い初見は距離感のある「大学人」と「陶芸家」でありましが、
互いの仕事やその姿勢に魅了され交流を重ねた記念のモノです。
若尾氏は、日本では最高ランクの陶芸家であり、
しかも、鼠志野の復元から新たな伝統工芸を
完成させた素晴らしい功績の作家です。
また独自に確立された技法により、
陶器素材には鼠色と対比する緋色が表れるその豊かな表情は、
エンベリッシュだからこそ、新たな使い勝手があります。
陶芸家の「形態言語」としては、最高のモノです
*鼠志野
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3月 12th, 2012 Posted 12:00 AM
お茶なら、一般的には焙じ茶と番茶があります。
私は金沢美大時代に、加賀棒茶に出会い、
それ以来、日常のお茶は加賀棒茶です。
そしてそのお茶碗は、私が最も信頼している陶芸作家、
若尾利貞先生からいただいた鼠志野です。
おそらく岐阜県の美濃産地は
日本で最も陶磁器技術を集約した産地だと私は思っています。
若尾先生との出会いは、
NHKの「作家を訪ねる」という企画で出会いました。
当初私は、陶芸家には独特のトラウマがあって
このインタビュー役を断りました。
そうしたら、若尾先生も、
デザイナーで大学人ということで断られたらしいのです。
それだけに番組の若いディレクターは、
なんとしても会わせることが収録効果になると思ったとか。
ともかく、美濃に出かけ先生のアトリエである先生の窯を訪ねました。
色々話をしているうちに、お互いの美学性が一致してそれ以後、
すっかり先生と打ち解け合いました。
そして先生から、このお茶碗をプレゼントしていただきました。
鼠志野の技術を復活されて、
その評価は国内ではなくて海外で認められました。
それで日本でも陶芸作家として
トップランクの先生になられたという経歴です。
鼠志野は陶器ゆえに「貫入」があります。
「貫入」とは素地と釉薬の焼成と冷却の収縮率差で
陶器の使い始めには水漏れがしますが、
使い込んでいくうちに目地は埋まり
使いこなしそのものが陶器の味わいになります。
この茶碗はおそらく私の形見になる愛用品です。
そして、鼠志野から学んだことが
私の陶磁器への基礎的な知識になっています。
私は、素地である粘土、焼成、釉薬はもとより、
この「貫入」を技術進化させたいと考えています。
いつも日常生活での「一服のお茶」に和まされますが、
それを支えてくれる「器」こそ、
デザイン対象化していくモノへの基本的な眼差しだと思います。
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12月 21st, 2009 Posted 11:58 PM
12月21日
アートジェーンブログでは、
陶磁器に関するお話を展開している
BOSS(川崎和男KazuoKAWASAKI)
です。
BOSS愛用湯のみは、こちらです。
岐阜県無形文化財保持者、
若尾利貞先生の作品です。
以前、「やきもの探訪」という番組で
BOSSが窯に
ご訪問させていただいて以来の、
おつき合いです。
鼠志野という
微妙なねずみ色を追及されています。
扱いに、とても緊張してしまう器です。
詳しくは、いづれBOSSから。
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