11月 26th, 2018 Posted 12:00 AM
包丁=Kitchen Knifeをつきつめていくと、
やはり、刀剣に行き着きます。
「玉鋼」という呼称は、明治時代からはじまり、それこそ武器でした。
日本刀に今では欠かせない原料です。
しかし刀剣は、武器としての役割以上に、平安時代から鎌倉時代,
そして今も神器としての精神的な意味性、
褒美、あるいは家宝、贈答品として珍重されています。
武士=侍というのは、鎌倉時代ですが、
武器というのは、厳しい戒律で守っていました。
だから、日本人が「戦争好きだ」ということは、全くありません。
私は「最軽量の刀剣」に挑んだ刀匠について最も気になっています。
本物の刀剣はかなり重いと言われていますが、
世界の劍や刀の中でも軽いのです。
そして、最軽量やその時の鋼が二重だったことを
私デザインの源流にしていこうとしています。
確かに、侍が生まれてきた鎌倉時代では丈夫で重いモノがあります。
そこで、刀匠たちは最軽量な形態を発明されていたのです。
この刀剣に、私は血が引くようでした。
そして、身震いとともにその核心に触れました。
それ以上に鋼の置き方には、デザイナーとして、
「なぜ、このことに気づかなかったのか?」と。
その際には鋼が二重であったということまで気づきませんでした。
今は、現代のそれもハマグリ刃での挑戦です。
日本の国宝、重要文化財の中でも、その数の約半数が刀剣です。
また日本刀の名刀を擬人化した刀剣男子をキャラクターとしたゲーム、
刀剣乱舞(とうらぶ)オンラインの人気もあり、
「刀剣」に注目が集まっています。
これからの包丁には、刀剣のコンテクストから二重の鋼の核心で
それこそ「棒鞘」という生木の鞘に漆仕上げと
刀身もともかく直線なりの素材=武器なりで、
「棒鞘」は敵も必ず逃げる武器でした。
「棒鞘」は歌舞伎では出てきます。
それを知ってかどうか、
新撰組長の近藤勇は「棒鞘風」の刀剣があります。
それは重くて最軽量ではありません。
最軽量の、その刀剣の鋼を二重にしその革新のデザインをしたいのです。
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10月 12th, 2014 Posted 12:00 AM
東京で打ち合わせ後に、有名ホテルの地下ショッピング街に、
「日本刀ショップ」があるというので、
本当に40年ぶりに「真刀身」を見に行き、
とうとうショップのオーナーと閉店まで話し込んでしまいました。
実家には3本「真剣=日本刀」があったと思います。
それは、中学時代高校時代に、父は「日本刀の販売市」に、
私を連れていきました。ともかく当時は美しいことを知りました。
時折、父が刀の手入れをしているのを見ると「出なさい」と言い
「見るのだったら、近づいては駄目だ」と言われました。
自分が真剣を初めて握った感触はひたすら「ゾォー」としましたが
それは鳥肌たち、畏敬というか、自分にはふさわしくないと
刀が静かに怒号を私にぶつけている感覚でした。
そんな話で刃物づくりに話が弾みだして話し込んでしまいました。
いわゆる今、流行しているダマスカス鋼のモノ真似表現では、
米国のハンティングナイフが日本刀のモノ真似だったことに同意見。
ダマスカス鋼文様は、肌打ちと呼ばれ下劣な日本刀でした。
その歴史性に無知なデザイナーは、こぞって包丁に採用し、
マスコミももてはやす有様は、日本美を全否定しているのです。
私は、海外の大使館入り口には必ず日本刀があるべきと言うと
まさしくその通りであって、日本の国宝の半分は日本刀ということ。
日本人が日本刀真剣の美学性を失っていることを述べられました。
鎌倉時代、殺人刀はまさしく殺人刀であり、
江戸時代は決して刀を抜くことが不可能であったかを知りました。
月光の刀身と太陽の刀身を教えてもらいました。
そして、刀の手入れとは、「自己を見詰めるだけの行為」とか。
そうだったのか、父は煮えたぎる想いや自己を照らし出すために、
刀身に向き合っていたから、私を部屋に入れなかったのか、
自分を見つめ直すために,私は部屋の片隅から遠くの父を見ていた。
鎌倉時代の名刀は、刀身刃にはチタンがコーティングされている、
そんなことを鉄鋼大企業の研究所で判明したけれど、
どうして、その時代にそれが実現出来たかは全く不明不思議。
日本刀の完璧な美学性は束から刀身、鞘、組紐に至るまで、
その再現すら不可能になりつつあるとのこと。
私は、やはり、次世代の刃物職人たちにはこの話を
確実に伝えなければならないことを思い知らされました。
そして、幾人かの有名な作家や俳優がどれほど詳しく、
どれほど、時代劇殺陣がインチキであるかを知りました。
昨夜、そのホテルの鉄板焼きコックさんの包丁が駄目かを
その場で語って、日本刀のビッカース値硬度が
日本が世界一で最高かを語ったばかりでした。
陰と陽の刀身光を実刀身で教わることができました。
「*棒鞘の日本刀・日本の美学*」
Tags: インチキ, ダマスカス鋼, チタン, ハンティングナイフ, ビッカース値硬度, モノ真似, 刃物職人, 地下ショッピング街, 太陽の刀身, 日本の国宝, 日本刀真剣, 時代劇殺陣, 月光の刀身, 有名ホテル, 本刀ショップ, 束, 殺人刀, 江戸時代, 江戸時代名刀, 海外の大使館, 真刀身, 真剣=日本刀, 組紐, 美学性, 販売市, 鎌倉時代, 鎌倉時代名刀, 鞘, 鳥肌たち
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