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『危機は「管理」出来ない、その結論から再度、虚空へ』


   


     11月 10th, 2014  Posted 12:00 AM

私はこの2年にわたって危機管理工学とデザインを研究してきました。
3.11の体験から、真剣に一時は逃げようと考え詰めてきました。
しかし、私の父も、そして恩師もこの事実を知らずに逝きました。
だから、素直に、すでに「危機管理学」は教科書にもなっています。
至極単純に、危機管理工学の応用をデザインと結びつけること、
これは全く疑いも無く自分のデザイン対象になると思ってきました。
しかし、すでに「危機管理学」にはいくつもの疑問が出て、
すでに1年後には「危機」は「管理」できないと結論を出しました。
そこで、前例が無いと言われましたがこれはデザイン対象ではない、
私は、危機を管理するから、RISK=想定される危機だけではなくて、
CRISIS=もう起こってしまった危機をも同次元にすべきだと結論。
しかし、大学でこの立場を明らかにしなければならずに、
ほとんど毎夜もう一度危機管理学を洗い直して書面にまとめました。
ようやく、大学側も前例の無い提案を理由書・報告書・実績書で、
新たなデザイン対象に「コンシリエンスデザイン」を通しました。
正直、そのようなタイトルをデザインに掲げても、
私はやりきれるだろうか、と熟考を相当に重ねたと自負しています。
それを後押ししてもらったのは、木火土金水という、
世界観の5つの要素ではどうしても無理でした。
ところが、火と水はあっても、日本の仏教要素の風と空と地は、
私を励ましてくれたと思っています。
私は宗教を基軸にはしていませんが、すでにバーチャルの世界観、
それは職能的にも、天と地、乾坤の思想でした。
この天と地にイメージは虚空があり、そこには虚空菩薩思想でした。
したがって、ようやくこれから、私はデザイン活動のイメージは、
そのまま虚空にあって、この虚空での実現をコンシリエンス、
そのまま融合と統合に向けることの意味を語れるようになりました。
3.11で破壊された日本、さらに温暖化、感染症には、
デザイン対象を熟考する「学際化の統合」に迎えると思っています。

『コンシリエンスデザインの認識に向けて』
『「Consilience」概念定義のための書籍はここから』


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『資本主義からの逃走』
「イノベーションのための虚空回帰」


   


     8月 16th, 2010  Posted 12:00 AM

日本流イノベーション
イノベーションの日本流認識は「技術革新」に凝縮されてきました。
ひとまずこの認識の適合性は、
敗戦後の日本を根底で支えてきたことは間違いありません。
しかし「技術革新」の根底をさらに強化してきたのは資本主義思想と資本主義文明の連関性でした。
私自身、「技術革新」はこれからもさらに強化される必要性があるという立場、
その職能=デザインに携わっています。
けれども、問題意識を未来に解放していくには、イノベーションの原意にもどって、
「景気循環」のための革新が及ぼす、
   ● 社会変革作用
   ● 社会と個人の価値観
   ● 生産物の体系
   ● 社会制度
についての考察と実践が必務です。
そして、この社会というのは「都市」という構造に連鎖しているものと考えます。
まず、変革作用を操作するのは司法・行政・立法、さらにマスコミのベクトルです。
が、これらによる作用性はすでにこの構造そのものの変革が必要です。
つまり、「政治と政治情報」の革新です。
ところが、社会と個人の価値感は、生産物の体系に対する日常感覚に作用され、
「政治と政治情報」にはその反射感覚が働いていると考えていいでしょう。
私は、こうした社会的さらに時代的な価値観を、「都市生理」と呼んでいます。
おそらく、「都市伝説」というのは、
この「都市生理」の情報感覚、その物語りの一端だと思うのです。
私は、敗戦後の一時期に、わが国は「技術革新」での景気循環を見事に成功させましたが、
それは一過性だったことを認めなければならなくなっていると考えます。
二つの理由があります。
一つは、欧米的な資本主義に対して、
それを受け留める感覚性が覚醒し始めてきているということです。
その実例は私もその一人でしょう。
二つ目は、技術革新での「制度」は終焉しているということです。
これはシュンペンターの予知どおりでした。
虚空回帰
そこで、むしろ仏教思想、私はこれを宗教論というよりは、
「神話作用として」道元を参照しています。
「虚空」という概念、そのシンボルである虚空菩薩を語ろうとは思っていません。
私は「虚空」と「空虚」を対比させた言語・記号(道元発案)にヒントを求めています。
私はこの思索を「虚空回帰」と考えることにしています。
ちなみに、「虚空とは、時間性・空間性の無」ゆえ、
そこに残されるのは、慈悲性という美学価値観を示していると思っているわけです。


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